「 「もしトラ」でなく「ほんトラ」に備えよ 」
『週刊新潮』 2024年3月7日号 日本ルネッサンス 第1088回 本当にトランプ氏が戻ってくる。 去年9月末に米軍の統合参謀本部議長を退いたマーク・ミリー氏の長時間インタビューを、雑誌『アトランティック』(2023年11月号)で読んだ。元陸上幕僚長の岩田清文氏の強い勧めによる。 トランプ、バイデン両氏に仕えたミリー氏は少なからぬ米軍人がそうであるように日本との関連も深い。父親…
「 清和会は継げるのか「松陰」と「安倍」の心を 」
『週刊新潮』 2024年2月29日号 日本ルネッサンス 第1087回 皇學館大学教授、松浦光修氏の『不朽の人・吉田松陰と安倍晋三』(明成社)は、私自身も含めて安倍総理の遺志を継ぐと表明した人々全員が読むべき書だ。 安倍総理暗殺から1年半、日本国も世界も中心軸を失ったかのように漂流中だ。安倍総理がいらしたら、どんな事態が起きても日本も世界も何とか乗り切っていけると思うことのできた、あの…
「 習近平の軍師が描く台湾併合の悪夢 」
『週刊新潮』 2024年2月22日号 日本ルネッサンス 第1086回 習近平国家主席は何を目指しているのか。2月1日、インド太平洋軍司令官任命に当たって、米上院軍事委員会の公聴会でサミュエル・パパロ将軍はこう述べた。 「人民解放軍(PLA)は失地回復主義、歴史修正主義、領土拡張主義に基づき軍事力で勢力拡大を続け、国境線を再設定しつつある」 中国国防大学教授で上級大佐の劉明福氏の…
「 デフレ中国への投資は控えるべきだ 」
『週刊新潮』 2024年2月15日号 日本ルネッサンス 第1085回 産経新聞特別記者の田村秀男氏は、今年2024年の経済は「デフレ中国対脱デフレ日本」の構図下で勝敗が決まると断ずる。長期の停滞局面に入った中国経済は「失われた30年」に喘いできた日本の巻き返しにつながるのか、それとも日本再生の妨げになるのか、それを探るために『中国経済衰退の真実』(産経セレクト)を上梓したという。 氏…
「 反スパイ法のない日本、外事警察の苦闘 」
『週刊新潮』 2024年2月8日号 日本ルネッサンス 第1084回 わが国は、四桁に迫る数の自国民を北朝鮮という国家権力によって拉致されたまま、約半世紀、取り戻せないでいる。 13歳で拉致された横田めぐみさんは59歳になった。母上の早紀江さんは、日本はなぜ、国民を取り戻せないのかと問い続け、新しく拉致担当大臣が就任する度に「真剣に取り組んでほしい」と要望する。歴代内閣は拉致解決を政権…