「 国益の『嘘』と私益の『嘘』 」
『週刊新潮』 2010年4月8日号 日本ルネッサンス 第406回 鳩山由紀夫首相は、ひょっとして、“病気”なのではないか。こんな言い方は首相でなくとも誰に対しても失礼なことだと承知してはいるが、普天間飛行場移設問題に関する首相発言の変遷は、それほど異常である。 首相は3月29日夜、こう語った。 「今月中じゃなきゃならないということは法的に決まっているわけじゃない」 国民は皆、3月末まで…
「 外国にも円が乱舞、鳩山子ども手当 」
『週刊新潮』 2010年3月25日号 日本ルネッサンス 第404回 「子ども手当法案」と「高校授業料無償化法案」が与党3党と公明、共産などの賛成多数で法案成立の方向に進んでいる。だが、鳩山由紀夫首相の思い入れが強い同法案には、まだ一般に知られていない奇妙な点が沢山ある。 そのひとつは、在日外国人が母国に残してきた子どもにも手当が支給されることだ。私の手元に、厚生労働省が子ども手当についての疑…
「 遂に民主党も消費税率の議論解禁 」
『週刊新潮』 2010年2月25日号 日本ルネッサンス 第400回 「小さな前進、大きな後退。これが民主党政権の政策です」 小泉政権で日本経済の舵取りをした竹中平蔵慶應義塾大学教授がこう語ると、会場はどっと沸いた。次に、民主党の内閣府副大臣、大塚耕平氏が「消費税」について語ったとき、立ち見も出た会場の聴衆が耳をそばだてた。 「消費税について、次の総選挙では何%にしてどういう使い方をすると…
「 鳩山施政方針のあまりの空疎さ 」
『週刊新潮』 2010年2月11日号 日本ルネッサンス 第398回 夢想家、鳩山由紀夫首相の施政方針演説は、空疎で聞くに堪えなかった。「いのち」という言葉を連発し、力を入れるあまり声が裏返っていた。国民の「いのち」を預かる身として、日本の置かれている現実をもっと冷静に見るべきだろう。 首相は、「生まれくるいのち」「育ちゆくいのち」「働くいのち」を守り、さらに「世界のいのち」も「地球のいのち…
「 米国から手痛い“しっぺ返し” 鳩山外交では日本は持たない 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年1月30日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 823 鳩山政権下で日米関係はきしみ続け、日米安全保障条約改定調印から50周年の記念日の1月19日、日米両政府が合同で主催する記念式典はおろか、声明の合同発表さえも危ぶまれていた。 実際には、両国の外相と防衛相、計4人の連名で「日米安保50年 共同声明」が発表された。内容は、「日米安保体制は、引き続き…
「 小沢一郎氏ら民主党が提案する外国人参政権付与案に私は反対 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年1月23 日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 822 今月11日の政府・民主党首脳会議で、永住外国人に地方参政権を付与する法案を18日召集の通常国会に提出することが確認されたと報じられた。 同法案に関して、民主党内にはもともと深い亀裂があった。推進派の小沢一郎、鳩山由紀夫、岡田克也各氏らの勢力に反対する渡辺周、長島昭久、松原仁各氏らが存在し、法…
「 安保50年、日米両政府は祝わない 」
『週刊新潮』 2010年1月21日号 日本ルネッサンス 第395回 1月19日、海上自衛隊は碇泊中の艦船を満艦飾に装い、夜には各艦にライトを当てて、50年前のこの日、日米安保改定条約が調印されたことを祝うという。同じ日、駐日米国武官主催の「ホームパーティー」も開かれる。関係者への招待状は 1月12日配達という直前のタイミングだが、鳩山政権の空虚な安全保障政策に危機感を抱く人々は、同会への招待…
「 民主党政権を主導する小沢一郎氏 矛盾に満ちた変節を疑う 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年1月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 821 藤井裕久財務大臣の辞任など、鳩山民主党は年初から波乱含みである。藤井氏辞任の背景に、小沢一郎幹事長との齟齬があったと指摘されている。民主党政権の展望が一に小沢氏の意向や決定にかかっているといっても過言ではない現在、氏の目指すものは何なのかを、明確に把握しておきたい。 『日本改造計画』(講談社)…
「 領土外交に汚点、小沢・鳩山の無策 」
『週刊新潮』 2010年1月14日号 日本ルネッサンス 第394回 2つの国が領有権を争う領土について、それぞれ主張を展開するのは当然のことだ。しかし、日本政府はまず相手国の立場を度し、日本の立場を十分に主張してこなかった。そのツケは北方四島にも竹島にも明らかで、主張なき無策は必ず、尖閣にも影を落とすだろう。 昨年12月25日に発表された高校の学習指導要領解説書では、領土問題としての竹島の…
「 おかしいぞ、小沢氏の対米観 」
『週刊新潮』 2009年12月31日・2010年1月7日合併号 日本ルネッサンス 第393回 民主党の小沢一郎幹事長が絶対的権力者の風貌を見せている。政府の要職にあるわけでもないが、氏は事実上、日本国の政治を動かしている。内政・外交において氏の声はまさしく天の声としての力を発揮する。 強大な力をもつ氏の、2009年12月の韓国での発言には、外国人参政権問題をはじめ、受け入れ難いものが多かっ…