「 注目せよ、尖閣に隠れるガス田問題 」
『週刊新潮』 2010年10月21日号 日本ルネッサンス 第432回 東シナ海のガス田「白樺」(中国名「春暁」)で中国が堂々と掘削を開始した。ドリルが運び込まれ、9月17日までに掘削が始まり、海水が濁り始めた。9月18日に「朝日新聞」が一面に掲載した写真には海水の色の変化がくっきりと写っていた。 東シナ海の日中中間線からわずか4キロ中国側に入ったところに白樺のプラットフォームが建てられてい…
「 中国は恐くない、日本は資源大国だ 」
『週刊新潮』 2010年10月14日号 日本ルネッサンス 第431回 幽霊の正体見たり枯尾花 恐い恐いと恐れれば、何でも恐くなる。菅直人、仙谷由人両氏らの民主党政権は、対中関係で枯尾花の恐怖に搦めとられている。 我が国を領海侵犯した中国人船長の勾留を延長した9月19日以降、中国は圧力をさらに高め、23日にはレアアース(稀土類)の輸出を止めた。同日、フジタの社員4人も人質のように勾留した。…
「 虚構の憲法を持つ日本と中国 現実を直視しなければ日本は敗北 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年10月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 857 21世紀、人類の争いの海は西太平洋とインド洋である。争いの主役は中国だ。中国の手法は力を前面に押し出す19世紀型帝国主義そのもので、尖閣諸島周辺の日本領海侵犯事件で不条理な要求を日本に突きつけ続けるように、周辺諸国を不幸にする。のみならず、じつは中国の国民をも不幸にする。 中国共産党政権は共産党…
「 『検察判断』に逃げ込んだ『菅・仙谷』の卑怯者外交 」
『週刊新潮』 2010年10月7日号 日本ルネッサンス 第430回 尖閣諸島周辺の日本領海侵犯事件で菅直人、仙谷由人両氏の卑怯さほど、耐え難いものはない。 船長を逮捕するのか強制送還するのか。必ずや日中外交摩擦につながるこの重大問題の結論が政府の判断なしに下されることはあり得ない。 小泉政権下の2004年3月、尖閣諸島に上陸した中国人7人を自民党政権は強制送還した。小泉純一郎首相が記者会…
「 東シナ海で決まる民主党外交の浮沈 」
『週刊新潮』 2010年9月30日号 日本ルネッサンス 第429回 「日本が船長を即時無条件釈放しないなら、強い報復措置をとる。その結果は全て日本側が負う」 台湾や周辺諸国に向けられてきた恫喝の言葉がいま、日本に突きつけられている。右の警告は9月19日、中国外務省の王光亜次官が丹羽宇一郎駐中国大使に電話で伝えたものだ。 尖閣諸島周辺の領海を侵犯した中国漁船を日本政府が拿捕し、船長を逮…
「 尖閣諸島周辺の日本領海の侵犯 中国政府は事前承知でなかったか 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年9月25日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 855 尖閣諸島周辺の日本領海を中国漁船が侵犯した事件に関連して、事件発生の少し前、奇妙なことがあったと、中国の事情に詳しい人物が語る。中国外務省前で、2~3人の男が「東シナ海の日中共同開発の合意は売国の合意だ」という派手なプラカードを掲げたというのだ。右の人物はこのこと自体、非常に「非日常的なこと」だ…
「 東シナ海侵犯事件で露呈『民主党の敗北外交』 」
『週刊新潮』 2010年9月23日号 日本ルネッサンス 第428回 民主党代表選挙で再選はされたが、菅直人首相及び仙谷由人官房長官の領海侵犯事件を巡る対応は歴史的失態である。日本固有の領土である尖閣諸島の周辺海域には石油をはじめとする天然資源が中東並みの量で埋蔵されている可能性がある。その海ごと中国に奪われそうな状況だ。 日本の領海を中国漁船が侵犯した9月7日以降の菅政権の対応は、尖閣を領有…
「 軋む『米中』を看過ごす『民主党外交』で沈む日本 」
『週刊新潮』 2010年9月16日号 日本ルネッサンス 第427回 民主党代表選挙の虚しさは、いずれが勝利しても日本の展望が開けないことだ。教育も、外交も、安全保障もまともに論じられることなく、バラ撒き政策を主要な争点とする卑小な議論のまま、投票になだれ込もうとしている。 たしかに普天間飛行場移設についての質問が出て、小沢一郎氏は日米合意の見直しともとれる発言をした。菅直人首相はそれを批判し…
「 国益を失わしめる政治家 菅氏、小沢氏の代表選 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年9月11日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 853 民主党代表の座を争う菅直人首相と小沢一郎氏が行った9月1日の共同記者会見は、首相としての「資質のない人」と「資格のない人」の会見だった。 日本の経済も安全保障も真に危機的状況に陥っているなか、民主党政権は無策無為であると断ぜざるをえない。そのうえ、権力闘争に余念がない。 首相は実績を「見せる」た…
「 イルカ漁の映画『ザ・コーヴ』が日本に突きつける問題の深刻 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年8月28日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 851 和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りした米映画「ザ・コーヴ」(入り江)がアカデミー賞を受賞したのは今年3月だった。以来、内外で激しい論争が展開されている。 「隠し撮りだった」「事実誤認および捏造が多い」などの批判をよそに、映画を主導したイルカ保護活動家のリック・オバリー氏らは、今年秋、第二弾を…