「 李登輝元総統、日本への励まし 」
『週刊新潮』 2009年9月17日号 日本ルネッサンス 第378回 「2012年を目処に中国が台湾を併呑する可能性が高まっています。国民党の馬英九政権の下で進行中の、予想をはるかに超える台中接近は中国の思う壷です。台中接近を推進する中国の圧力に、馬総統は耐えることが出来ず、物事は中国の狙いどおりに進んでいます。胡錦涛は台湾吸収で歴史に名を刻み、国家主席の座を完璧な形で退きたいと考えているはずで…
「 死後なお激しい金大中氏の毀誉褒貶 」
『週刊新潮』 2009年9月3日号 日本ルネッサンス 第376 8月18日、金大中韓国元大統領が死去、李明博大統領は金氏を国葬で送った。23日午後、ソウル市内の国会前広場で行われた告別式には、李大統領をはじめ各界及び市民代表ら2万人を超える人々が参列した。 その後、棺はソウル市内の自宅や想い出の場所を辿り、ソウル国立墓地に運ばれた。棺は国防部(省)儀仗隊によって、墓所に運ばれ、棺を覆う国旗、…
「 ウイグルの母が告発した『中国の嘘と弾圧』 」
『週刊新潮』 2009年8月13・20日合併号 日本ルネッサンス[拡大版] 第374回 7月28日、ラビア・カーディル氏が来日した。国際社会では「ウイグルの母」として、ノーベル平和賞候補者として語られる一方、中国政府からは「暴動をそそのかした国家分裂主義者」と烈しく非難される人物だ。 氏は来日の翌日、東京内幸町の日本記者クラブで会見し、中国共産党機関紙の「人民日報」を含む内外記者団を前に…
「 米中戦略経済対話が突きつける自立国家としての日本の活路 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年8月8日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 800 7月27日、28日の両日、ワシントンで米中戦略経済対話が持たれた。冒頭、オバマ大統領は「米中関係が21世紀を形づくる」「米中関係はいかなる2国間関係よりも重要」「この重要性がわれわれのパートナーシップを支えており、われわれは共に世界に責任を持たなければならない」と述べた。 米中が世界の枠組みを決…
「 核兵器を増強する中国がいて米国の軍縮宣言は喜べない 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年6月27日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 794 米国のオバマ大統領がチェコのプラハで「核兵器のない世界を目指す」と表明したのは今年4月5日だった。同発言を歓迎して日本では6月16日、衆議院が核廃絶の決議案を全会一致で採択した。素直といえばあまりに素直な日本の反応とは対照的なのが、国際社会の反応だ。 オバマ提案に対して、米国内には厳しい…
「 中国の知的財産丸ごと乗っとり策 」
『週刊新潮』 2009年5月7・14日合併号 日本ルネッサンス 第361回 米国議会の政策諮問機関、米中経済安保調査委員会が昨年11月、議会に提出した報告書に興味深いくだりがある。 「中国の知的財産権の侵害は際立っている。中国は関連法を改正し、外国企業の権利の剥奪と、中国企業の保護を一層強めた」 「中国は2008年8月、特許法改正の検討を開始した。重要点は『絶対的新規性』基準の採用である…
「 中国軍事力への米国の警戒 」
『週刊新潮』 2009年4月30日号 日本ルネッサンス 第360回 「中国を、敵として扱えば敵となり、友人として扱えば友人となると言う専門家がいます。馬鹿ばかしい限りです。どう対処するかに拘らず、中国は中国になるのです」 “absurd”(馬鹿げた)の一言でこう断じたのはキャロリン・バーソロミュー氏である。彼女は米国議会の政策諮問機関である米中経済安保調査委員会の委員長で、現在、下院議長を務…
「 中国軍の増強、米国の国防策変容 日本にとって耐えがたい状況が進む 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年4月25日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 786 「米国の対中国政策は、非現実的な愛他主義に陥る可能性がある。米国は中国と本質的なかかわり合いを持っていないから、そういうこともできる。しかし、それは日米にとって耐えがたい状況をつくり出す」 1920年代から30年代にかけての米国のアジア政策について、当時、米国の中国問題専門家の1人だったジョ…
「 迷走のオバマ外交と日本の選択 」
『週刊新潮』 2009年4月23日号 日本ルネッサンス 第359回 オバマ政権の外交政策が迷走中だ。北朝鮮がテポドン弾道ミサイルを発射した5日、大統領は直ちに国際社会のルールを破った北朝鮮について、「違反は処罰されなければならない。強力な国際社会の対応が必要だ」と述べて、強く非難した。 日本も同様に厳しい対処を主張し、国連安全保障理事会での決議の採択を目指した。「決議」はすべての国連加盟国に…
「 米国が日本を守り得ない可能性を示唆した軍事報告書 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年4月11日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 784 米国防総省は3月25日、2009年版の「中国の軍事力に関する年次報告書」を発表した。オバマ政権になって初めての報告書から、米国の中国政策の微妙な変化が読み取れる。 8回目となる今回の報告で、米国は、中国が初めて海中からの核攻撃能力を身につけたことを明記した。米本土への攻撃が可能な潜水艦発射弾道…