「 偽りの微笑、ヒラリー来日の真実 」
『週刊新潮』 2009年3月12日号 日本ルネッサンス 第353回 日本国がザブザブと沈んでいく音が聞こえるようだ。オバマ政権の下で米国の対日政策が歴史的な大変化を遂げていることに、麻生太郎首相や小沢一郎民主党代表は気づいているだろうか。米国は日本に笑顔の下に冷たく厳しい監視を包み込んだ視線を送り、中国には熱い期待と戦略的パートナーとしての信頼を寄せる。 日本を最初の訪問国に選んだヒラリー・…
「 分裂と漂流、アラブ世界の実態 」
『週刊新潮』’09年2月12日号 日本ルネッサンス 第349回 原油輸入で、日本が圧倒的に依存する中東情勢の展望が危機的なまでに不透明だ。日本は中東政策でも米国に頼ってきた。結果、日本の国益を軸にした中東外交の基盤は未だ確立されていない。日本の中東政策はいかにあるべきか。 中東調査会の大野元裕氏は中東で起きている“2つの分裂”を理解することが重要だと述べる。2つの分裂への理解なしには、イ…
「自公連立で力を失った自民党 麻生首相は本来の価値観に戻れ」
『週刊ダイヤモンド』 2009年2月7日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 775 1月25日、大相撲初場所で権太坊主の印象がぬぐえない朝青龍関が優勝した。麻生太郎首相が土俵に上がり内閣総理大臣杯の賞状を授与し、「やっぱり横綱は強くなくちゃ」と加えた。 誰の胸にも、かつて小泉純一郎元首相が貴乃花関に賞状を渡したときの鮮やかな場面が甦ったはずだ。だが、現首相、元首相の言葉の違いは大き…
「オバマ大統領の就任演説は期待はずれ 対日政策と環境政策に多大な懸念」
『週刊ダイヤモンド』 2009年1月31日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 774 1月21日午前2時(日本時間)のバラク・オバマ米国新大統領の就任演説は期待はずれだった。メディアでは米国も日本も、新大統領への期待値を高めるばかりの報道が目立ったが、大統領のメッセージにはその熱狂に応えるだけの大戦略も力強さも欠けていた。 新政権の評価は、まず、100日間、仕事をする…