「 力の結集を、今が拉致解決の好機だ 」
『週刊新潮』 2022年11月3日号 日本ルネッサンス 第1022回 毎年秋になると「家族会」「救う会」「拉致議連」は、北朝鮮に拉致された人々の奪還を誓う国民大集会を開催する。今年も東京・千代田区の砂防会館に全国から多くの人々が集った。小泉純一郎元首相の訪朝から20年、家族会が被害者の実名を公表し、救出運動を始めて25年、横田めぐみさんが拉致されて45年が過ぎた。13歳のめぐみさんは58歳…
「 予算委員会で光った政調会長の質問 」
『週刊新潮』 2022年10月27日号 日本ルネッサンス 第1021回 国際情勢は一瞬にして変わる。NATO(北大西洋条約機構)が「定期的訓練」だとしながら、高度な核抑止力を維持するための軍事演習を開始した。米国を含む14か国が参加して、10月17日から2週間、ベルギー、北海、英国など欧州北西部上空を各国軍機60機が飛ぶ。実弾は使用しないが核兵器の投下訓練も行う。 ロシアも「定例」の…
「 財務省よ、国防力強化を妨げるな 」
『週刊新潮』 2022年10月20日号 日本ルネッサンス 第1020回 9月は25、28、29の計3日、10月に入ってからも1、4、6、9の計4日、北朝鮮の金正恩総書記が弾道ミサイルを発射した。10月16日に開幕する中国共産党大会が終わる頃には核実験も行いかねない。金氏は9月8日、「核戦力政策に関する法令」を採択し、自身・自国に核や通常兵器による攻撃がなされる場合、或いはその危険が差し迫っ…
「 安倍総理の死で歴史を書き換えるな 」
『週刊新潮』 2022年10月13日号 日本ルネッサンス 第1019回 NHKの看板番組のひとつ、「クローズアップ現代」(クロ現)が9月14日、「日朝首脳会談20年 元外交官が語る北朝鮮との秘密交渉 その舞台裏」と題して、小泉純一郎首相の訪朝を実現させた田中均アジア大洋州局長の証言を伝えた。 私自身、拉致問題には長年関わってきた。それもあって注意深く見たが、田中氏の発言にもクロ現のま…
「 批判よりも安倍晋三元総理に学べ 」
『週刊新潮』 2022年10月6日号 日本ルネッサンス 第1018回 安倍晋三元総理の国葬儀には多くの日本国民に加えて海外から多数の要人が来日し、安倍氏の死を深く悼んだ。安倍氏は私たち国民を、日本の未来を切り開けと勇気づけ、国際社会に対しては世界が目指すべき方向と新しい戦略を示してきた。 とりわけ重要なのは国際社会に中国の真の姿を説明し、国際社会が抱いてきた幻想を修正したことだ。20…
「 安倍総理国葬儀、感謝で見送りたい 」
『週刊新潮』 2022年9月27日号 日本ルネッサンス 第1017回 安倍晋三元総理の国葬儀が近づいている。安倍総理の足跡を振り返ると、残した業績の大きさに改めて深い敬意を払わずにいられない。 安倍氏は「日本を取り戻す」と言った。何を取り戻すのか。日本にとって大事なものである。38歳で衆議院議員となった晋三氏はその決意をすぐに実行してみせた。 氏が政界入りしたとき、自民党は野党…
「 統一教会問題、報道の責任を問う 」
『週刊新潮』 2022年9月22日号 日本ルネッサンス 第1016回 9月13日、「朝日新聞」は1面で「岸田内閣支持 最低41%」と題し、不支持が47%となり初めて支持・不支持が逆転したと報じた。世論調査から読みとる内閣支持率低下の原因は、➀安倍晋三元首相の国葬、➁旧統一教会をめぐる対応のまずさ、だと朝日は解説した。 岸田文雄首相が国会で行った説明は不十分で、自民党による党所属国会議…
「 自衛隊法改正が危機対応の前提だ 」
『週刊新潮』 2022年9月15日号 日本ルネッサンス 第1015回 ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問を機に、台湾を巡る軍事情勢が大きく変化した。中国軍機はほぼ連日、台湾海峡の中間線を越えて飛行し威嚇を続ける。中国に近い台湾の離島、金門島と馬祖島には中国軍の無人機(ドローン)が侵入を続ける。台湾側は遂に9月1日、中国の無人機を撃ち落とした。台湾情勢は確実に緊張激化の方向に進んでいる。 …
「 岸田首相の明確な意見こそ聞きたい 」
『週刊新潮』 2022年9月8日号 日本ルネッサンス 第1014回 安倍晋三元総理銃撃事件はなぜ防げなかったのか。日本国の歴史に残る痛恨の事件について、8月25日、警察庁が検証結果及び警護の見直しに関する報告書を発表した。50頁を超える同報告書を読んで、安倍総理暗殺事件の総括がこんな中途半端なものなのか、と憤りが湧いてくる。 報告書は「現場における警護の問題」の項で「本件結果(安倍総…