「 「有事対応」、全くお粗末な現実 」
『週刊新潮』 2022年9月1日号 日本ルネッサンス 第1013号 中国人民解放軍(PLA)は8月30日から9月5日まで、ロシア軍との合同軍事演習をロシア極東地域で行うと発表した。このことですぐに思い出すのが今年5月24日、中露両軍が展開した13時間にもわたる合同軍事飛行だ。 それは東京で日米豪印(QUAD)首脳会談が行われている最中に決行された。前日には岸田文雄首相とバイデン大統領…
「 安倍総理と統一教会、報道への違和感 」
『週刊新潮』 2022年8月25日号 日本ルネッサンス 第1012回 凶弾に斃れた安倍晋三元総理と統一教会について、わが国における大方のメディアの報道には受け入れ難い焦点ずらしがある。テレビ局も新聞社もおしなべて安倍氏と統一教会の関係が疾しいものであるかのように報じている。有権者は報道に影響され、岸田政権に疑惑の眼を向け、内閣支持率は急落した。統一教会の影の払拭が、岸田文雄首相が内閣改造に…
「 ペロシ氏訪台で新局面、日本も準備を 」
『週刊新潮』 2022年8月11・18日合併号 日本ルネッサンス 第1011回 外交上も安全保障上も難しい問題を引き起こすことにはなったが、米下院議長、ナンシー・ペロシ氏の決断を評価する。だが、事の経緯を振りかえれば、氏に中国の圧力を受けて訪台を取りやめる選択肢は残されていなかったのも事実だろう。 私がこの原稿を書いているのは8月2日である。ペロシ氏は今夜、台北に入り、3日に蔡英文総…
「 歴史は必ず安倍氏を高く評価する 」
『週刊新潮』 2022年8月4日号 日本ルネッサンス 第1010回 凶弾に斃れた安倍晋三元総理の国葬儀決定について「よかった」とする人が50.1%、「よくなかった」が46.9%となり拮抗したそうだ(産経新聞とFNNの合同世論調査)。 安倍氏への故なき非難を続ける「朝日新聞」や「毎日新聞」でなく、産経系列の調査によるこの結果に、私は「そうか……」と思い、「岸信介氏と同じだなあ」と感じた…
「 私が見た人間『安倍晋三』の飾らない素顔 」
『週刊新潮』 2022年7月28日 日本ルネッサンス 拡大版 第1009回 「憂国の政治家」として論陣を張る一方、会えばその人柄に魅了される人も多かったという。「座談の名手」とも称された安倍元総理と親交が深かったジャーナリストの櫻井よしこさんが、訃報に際して思い起こされる数々の交流秘話を、本誌読者のために綴ってくれた。 凶弾に斃れた安倍晋三元総理は感情豊かな人だった。怒るときには本当…
「 追悼安倍晋三元首相 世界に晒された日本の平和ボケ 改憲に命を懸けた『憂国の宰相』の遺志を継げ 」
『週刊新潮』 2022年7月21日号 日本ルネッサンス 拡大版 第1008回 本誌連載「日本ルネッサンス」の特別対談で、最も多くご登場いただいた政治家こそが、安倍元首相その人だった。志をひとつにしながら実は“緊張関係”にあったという二人。憂国の熱弁を揮った宰相の素顔を、ジャーナリスト・櫻井よしこさんの緊急寄稿で振り返る。 安倍晋三元首相が暗殺された。暗殺犯よ、なぜ殺したのだ。現場にい…
「 印露大接近で変わる世界の秩序 」
『週刊新潮』 2022年7月14日 日本ルネッサンス 第1007回 石油、天然ガスの供給を軸に国際関係に大変化が生じ、世界はパワーバランス再構築の時代に突入した。 中国がウクライナ侵略戦争の中で親ロシア路線を選んだのはすでに世界的な認識だ。しかし、私たちはユーラシア大陸のもうひとつの大国、インドにも注目しなければならない。中国は親ロシアの立ち位置に一ミリも揺るぎを見せない一方、なるべ…