「オバマ大統領の就任演説は期待はずれ 対日政策と環境政策に多大な懸念」
『週刊ダイヤモンド』 2009年1月31日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 774 1月21日午前2時(日本時間)のバラク・オバマ米国新大統領の就任演説は期待はずれだった。メディアでは米国も日本も、新大統領への期待値を高めるばかりの報道が目立ったが、大統領のメッセージにはその熱狂に応えるだけの大戦略も力強さも欠けていた。 新政権の評価は、まず、100日間、仕事をする…
「深刻化する国家と非国家の戦い」
『週刊新潮』’09年1月29日号 日本ルネッサンス 第347回 パレスチナ自治区のガザ攻撃を続けてきたイスラエルが、17日夜、一方的に停戦を宣言した。米国のブッシュ大統領は、20日の任期切れ直前に、ようやく停戦を実現させたわけだが、死者は幼い子供や女性、お年寄りを含めて1,300人を超えた。 イスラエル軍の攻撃対象だったイスラム原理主義組織のハマスは、一時的に戦闘能力を低下させたものの、潰滅…
「迫る新型ウイルスの“大災害” 遅過ぎる日本政府の対策準備」
『週刊ダイヤモンド』 2009年1月24日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 773 インフルエンザ治療薬、タミフルが効かない耐性ウイルスが急増している。米国で昨年秋に実施した50試料対象の調査では、じつに98%が耐性ウイルスだったという(「読売新聞」1月13日付夕刊)。 日本はすでに2,800万人分のタミフルを備蓄ずみだが、ウイルスの素早い変化(ドリフト)への対応に失敗すれば多…
「新型ウイルスに日本の無策」
『週刊新潮』’09年1月22日号 日本ルネッサンス 第346回 春節(中国のお正月)を前にした1月5日、19歳の中国人女性が北京市内で鳥インフルエンザにより死亡した。彼女は強毒性のH5N1型ウイルスに感染していたのだ。 日本の専門家は、「同件で最も重要なのは、大都会北京で強毒性ウイルス(H5N1型)感染の犠牲者が出たこと」だと指摘する。人口1,600万の都市に強毒性のウイルスが存在することの…
「日本を歴史の加害者とするためか 原書の一部を割愛した岩波文庫の訳書」
『週刊ダイヤモンド』 2009年1月17日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 772 64年前の1945年、広島、長崎に原爆が投下され、日本が瀕死状態にあったとき、「朝日新聞」は8月14日の社説でこう書いた。 「すでに幾多の同胞は戦災者となっても、その闘魂は微動だもせず、いかに敵が焦慮の新戦術を実施しようとも、一億の信念の凝り固まった火の玉を消すことはできない」 一方で、日本政府内…
「日中戦争、日本より中国に戦意」
『週刊新潮』’09年1月15日号 日本ルネッサンス 第345回 日本の政治的不安定を嘲笑するかのように、中国政府は、1月4日東シナ海のガス田「樫」(中国名・天外天)の掘削は「中国固有の主権の行使」と宣言した。また、昨年末には、東シナ海においては「実効支配」こそ必要で、「今後、同海域の管轄を強化する」と発表した。 いま、どんな強硬策をとっても、政治的混乱の続く日本は手も足も出せないと、中国政府…
「兵力の支えなき外交では正しい主張も敗北を免れない」
週刊ダイヤモンド』 2008年1月10日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 771 2009年は日本にとって覚悟の年になる。日本の浮沈をかけた懸命の改革が必要な年だ。まともな独立国として、まともな外交政策を推進できない場合に日本が直面する事態を、潮匡人氏が『やがて日本は世界で「80番目」の国に堕ちる』(PHP研究所)にまとめた。 元航空自衛隊員の氏の、具体例に支えられた分析には強…
「小泉元首相は"拉致問題"で1兆円支払いを"密約"していた!」
『週刊新潮』’09年1月1・8日号 日本ルネッサンス・拡大版 第344回 「2002年9月17日、金正日が拉致を認めたのは、小泉政権から100億ドル(1ドル100円として1兆円)の支払いが約束されていたからです」 こう語るのは張哲賢氏だ。氏は、朝鮮労働党の対南工作機関である統一戦線部で働いていた。金正日の覚えもよく、北朝鮮の権力中枢の一員だった。だが、04年、韓国に亡命、以降、韓国の情報機関…
「手本となる先人に思いを馳せその学びを新しい年に生かしたい」
週刊ダイヤモンド』 2008年12月27日・2009年1月3日新年合併特大号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 770 どの断面で見ても、2008年は激動の一年だった。だが、危機は好機だ。すなわち、気概と心構えのある人にとっては、チャンスの年である。 にもかかわらず、日本のリーダーは好機を活用できていない。衆参両院のねじれ状態や政治の不安定ゆえだという解釈も成り立つ。しかし、それは…
「政治や行政にもっと目を向けゆとりある社会に変えよう!」
『週刊ダイヤモンド』 2009年1月3日号 【激論 日本の変革】櫻井よしこvs勝間和代 勝間 私が今、日本について危機感を持っている第一のことは、若者に元気がないことです。原因の一つは、国も会社も意思決定の仕組みが五十代以上の男性偏重になっていて、資源配分が偏ってしまっているからだと思います。 たとえば国の予算でいえば、家族政策に関する国家支出は、育児手当や保育園への補助金などの総合計が…