「理念を超えた実用を唱える韓国・李大統領の閣僚布陣への不安」
『週刊ダイヤモンド』 2008年3月22日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 732 李明博大統領ははたして韓国の救世主となりうるか。金大中、盧武鉉両政権下の「失われた10年」の傷を癒やし、韓国再生を成し遂げられるか。韓国には期待よりも不安が広がっている。韓国で最も信頼されている言論人、趙甲済(チョウカプセ)氏が語った。 大統領は、理念を超えて実用を重んじると言います。しかし、実用主…
「 無法な海上攻撃、日本は怒れ 」
『週刊新潮』'08年3月20日号 日本ルネッサンス 第305回 南極海で調査捕鯨を続ける日本鯨類研究所の調査母船、日新丸に、米国の反捕鯨団体「シー・シェパード」(SS)が、執拗な攻撃を繰り返した。3月3日には海上保安官2人と乗組員1人が負傷した。 後述するように日本の調査捕鯨は、国際捕鯨委員会(IWC)で認められた合法的な行為である。それに対してSSが行ったことは、海賊行為に他なら…
「 気概薄弱で、事なかれ主義になりがちな現代の日本人に観て、考えてほしい映画 」
『週刊ダイヤモンド』 2008年3月15日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 731 安倍晋三氏が首相だったとき、米国下院で慰安婦問題に関して日本政府に謝罪を求める決議案が可決、成立した。 福田康夫首相の訪中に先立って、中国では「南京大虐殺記念館」が大幅改修されて再開された。 いずれのケースにおいても、事実は大幅に曲げられ、捏造されており、日本は理性的に反論すべきだった。しかし、政府…
「 中国の主張は責任転嫁ばかり 」
『週刊新潮』'08年3 月13日号 日本ルネッサンス 第304回 毒入り餃子事件の展開は日中両国の国柄の違いを際立たせた。同事件は中国人の涙や微笑、そして言葉が意味するものを、分かり易い形で、私たちに見せてくれる。 事件をざっと振りかえってみる。 2007年11月、ジェイティフーズが中国河北省の「天洋食品」製造の冷凍餃子を輸入。12月28日、千葉市で冷凍餃子を食べた母子が食中毒症状を起こす。08年…
「 台湾・総統選に立つ国民党の馬英九氏 過去の言動から見る、中国との親密度 」
『週刊ダイヤモンド』 2008年3月8日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 730 3月22日に行なわれる台湾の総統選挙は、少数与党、民進党の謝長廷(シャ・チヨウテイ)氏と、最大野党、中国国民党の馬英九氏の闘いだ。台湾人(本省人)と中国系の外省人のどちらが選ばれるかは、台湾の未来に決定的な影響を及ぼす。 台湾立法院(国会)は昨年12月の選挙で、国民党が四分の三に迫る議席を獲得した。…
「 台湾は親中反日に傾くのか 」
『週刊新潮』'08年3 月6日号 日本ルネッサンス 第303回 2月24日、台湾総統選挙の候補者、与党・民主進歩党の謝長廷氏と、野党・中国国民党の馬英九氏が初の直接公開討論に臨んだ。言葉の正しい意味において台湾の運命を決するであろう二人の対決を、民進党派でも国民党派でもない中立の第三者で、台湾事情に詳しい友人に聴いた。 この友人は、政策論と説得力において謝氏が馬氏に優っていた、馬氏は質問に答えら…
「 日本人が知っておくべき国際情勢を読み取る“ツボ” 」
『週刊ダイヤモンド』 2008年3月1日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 729 1979年のイラン革命のとき、世界は、イランが米ソいずれの陣営に入るのか、固唾をのんで見守った。国際社会では、米国に近かったパーレビ国王を倒したホメイニ師はソ連陣営に入るとの見方が有力だった。 だが、米国務省きってのアラブ通の人物は、イランは決してソ連の手には落ちないと断言した。なぜなら「ロシア人はけ…
「 高速道路、相変らずの騙しの術 」
『週刊新潮』'08年2月28日号 日本ルネッサンス 第302回 道路問題についての国会論戦が面白い。2月15日、衆議院予算委員会で民主党の馬淵澄夫議員に質問された冬柴鐵三国土交通大臣が、「私は、人間限界がありますよ」「能力が追いつかないですよ」などと悲鳴に近い答弁を繰り返した。 馬淵氏をはじめ、笠浩史氏ら民主党議員の質疑から、10年間で59兆円を費やす「道路の中期計画」に関して重大なことが判明し…
「 日本国籍を取得した者だけに参政権を与えるべきではないか 」
『週刊ダイヤモンド』 2008年2月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 728 福田康夫首相の下で特別永住者の参政権付与の問題が再浮上している。各政党内に賛否両論あり、根深い対立を引き起こしてきた同問題は、これまで関連法案が四度廃案となり、22回継続審議となった、いわくつきの課題だ。 特別永住者とは、日本の植民地だった朝鮮半島や台湾から、戦前戦中に日本に来た人び…
「 南大門炎上、失われた韓国の10年 」
『週刊新潮』'08年2月21日号 日本ルネッサンス 第301回 韓国の首都ソウルで、南大門が焼失した。燃え盛る炎と噴き上げる煙、李氏朝鮮の代表的建築物の炎上を伝える映像を見ながら、他国のことながら、動悸が高まった。まさかという驚き。610年の歴史が消え去ることへの痛恨と悲しみ。諸々の想いが日本人の私の胸にも満ちてくる。年来の友人で、韓国を代表する言論人の趙甲済(チヨカプチエ)氏が電話で語った。 …













