「 中国の主張は責任転嫁ばかり 」
『週刊新潮』'08年3 月13日号
日本ルネッサンス 第304回
毒入り餃子事件の展開は日中両国の国柄の違いを際立たせた。同事件は中国人の涙や微笑、そして言葉が意味するものを、分かり易い形で、私たちに見せてくれる。
事件をざっと振りかえってみる。
2007年11月、ジェイティフーズが中国河北省の「天洋食品」製造の冷凍餃子を輸入。12月28日、千葉市で冷凍餃子を食べた母子が食中毒症状を起こす。08年1月5日、兵庫県高砂市の家族3人が食中毒症状に陥った。1月22日、千葉県市川市の家族5人が食中毒症状。5歳の女児は生死の境をさ迷った。29日に、千葉、兵庫両県警が冷凍餃子から殺虫剤のメタミドホスを検出。30日、警察庁が事件の捜査開始を発表。
輸出元の天洋食品は河北省が管理する国有企業で最優秀企業のひとつだ。同省のドル箱企業と言ってよい。天洋食品と河北省は事件発覚直後から、中国側での毒物混入はあり得ないとの全面否定を打ち出した。2月15日には、天洋食品の底夢路社長が記者会見し、「自分たちこそ最大の被害者」と涙ながらに訴えた。
同席した河北省の輸出入検査検疫局長らも、中国における製造工程には何ら問題はなかったと、繰り返し強調した。
ただこの時点では、中国公安省(警察庁)は沈黙を守っていた。
さて、千葉と兵庫で別々に販売された冷凍餃子の動きを見てみよう。両製品は天洋食品工場の冷凍庫で4日間、一緒に保管された後、別々の日に出荷され、横浜港と大阪港に入港した。天洋食品の冷凍庫を出た後、二つの商品の接点は全くない。両製品に日本で毒を入れるとすれば、犯人は横浜港と大阪港、もしくは千葉県と兵庫県で別個に作業しなければならないわけだ。加えて、大阪府枚方市では、密封袋の内側から殺虫剤が検出された。つまり、毒物は冷凍餃子が密封される前に混入された可能性が極めて高いのだ。日本に輸出される前、天洋食品の加工プロセスで殺虫剤が混入されたとほぼ断定出来る物証が出てきたわけだ。
それだけに日本側には、まさか中国がこの期に及んでシラを切ることはあるまいとの見方があった。独自に調査を進める公安省が、河北省政府や企業とは異なる結論を出すだろうと期待した。だが、2月28日、公安省は初の記者会見に臨み、刑事偵査局の余新民副局長が日本側の期待に反して明言した。「(メタミドホスが)中国国内で混入された可能性は極めて小さい」と。事実上、日本での混入説を主張したのだ。
同副局長は日本の警察に現場への立ち入りや証拠物の提供を申し入れたが、同意を得られなかったとして「深い遺憾」さえ表明した。一定の条件下で毒物が餃子の袋の外側から内側に浸透することが、独自の実験で確認されたと述べ、枚方市で密閉袋の内側から殺虫剤が見つかったとしても、中国国内犯行説の裏づけにはならないとして日本の主張を退けた。
同会見は国営テレビで生中継され、中国国民の間には、日本人犯行説が沸騰する結果となった。
驚くべき福田首相の見解
実は中国政府内には、物証や状況から日本人犯行説で通すのは無理だという批判も、胡錦涛主席の訪日を控え、無理に日本側を゛犯人〟に仕立てあげるのは日中関係に摩擦を生じさせると憂えるだけの理性もある。だが、28日の公安省会見が中国全土に生中継されたことは、中国政府がシラを切り通す決意を固めたことを示している。
日本の警察庁に穏やかならざる空気が漂ったのは当然だ。吉村博人長官は28日午後、中国公安省の会見には「看過出来ない部分がある」「中国公安省側に、役立つ資料は全て渡しており、『遺憾』と言われるのは理解出来ない」と反論した。
対照的に福田康夫首相は述べた。
「(中国の)捜査当局の発表は日本と共同して、しっかり調査したいということを言っていたんじゃないですかね。非常に前向きですね」
黒いネズミを、白いネズミだと言うに等しい首相の反応は、さぞ、中国側に自信を与えたことであろう。日本与し易し、侮り易しと。
改めて指摘するまでもなく、中国産原料を使用した毒入りペットフードで米国のペット多数が死んだ。中国製品の安全は疑うのが世界の常識だ。中国政府の情報操作で、中国世論は毒入り餃子の犯人は日本人だとして盛り上がっている。中国人はそれで騙されても、国際社会は異なる。
中国公安省の記者会見の翌日、『ニューヨーク・タイムズ』は、米国の製薬メーカー、バクスター社が中国製の原材料を用いて上海近郊の工場で加工した血液抗凝固剤、ヘパリンの投与後に生じた血圧低下などの異常が米国内で448件報告され、21人もの患者が死亡していた可能性があると報じた。
3月1日には、イタリアが輸入した中国製のステンレス鋼材から、人体に有害な放射性物質コバルト60が検出され、鋼材約30トンを押収したと、イタリア捜査当局が発表した。
歪曲国家にどう対処するか
そして中国政府が07年1月から使用を禁止し、08年1月からは規制を強化したと主張するメタミドホスである。2月24日、中国湖北省の高速道路で、メタミドホス約5トンを満載したトラックが横転し、約半分が路上に流出した。メタミドホスは現在も大量に流通しているのだ。
中国人の涙も微笑も、そして如何なる言葉も信じてはならないことが痛感される。思い出してみよう。2002年のSARS(新型肺炎、重症急性呼吸器症候群)発生のとき、中国政府はまず、中国での発生を徹底的に隠蔽し、他国に責任転嫁した。2005年春の反日暴動で、日本大使館には塗料入りのビンやペットボトルが投げられ、多大な被害を受けた。中国の官憲は暴動を見守るだけで制止もしなかった。国際法違反の一連の暴力・破壊行動について、中国政府は今日に至るまで、謝罪していない。どんなに明らかな証拠があっても、彼らは決して非を認めない、謝らない。事実の歪曲は、中国の国柄に他ならず、中国の歴史を貫く太い柱である。以前、本稿でも触れたが、その一例はチベット侵略だ。独立国だったチベットを中国は軍事侵略で領有し、それを「チベットの平和解放」だと主張して現在に至る。
南シナ海の西沙諸島と南沙諸島の島々は、ベトナムやフィリピンなどが何世紀にもわたって領有し活用してきたが、中国は突然、70年代から自国領だと主張し始め、両諸島を力尽くで奪い、実効支配中である。
日本の領土の尖閣諸島も東シナ海も、中国のものだといって譲らない。
異形の大国・中国に、日本は強い覚悟で臨まなければならない。だが、福田首相は中国の偽りに満ちた対日姿勢を「非常に前向き」と評価するのだ。氏に物事の本質を見る目はあるのか。氏が首相であり続けることに、私は深い危惧を抱くものだ。
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トラックバック by 草莽崛起ーPRIDE OF JAPAN — 2008年03月27日 09:09