「公明党の功罪を厳しく見つめよ 」
『週刊新潮』 2003年11月20日号 日本ルネッサンス 第94回 「池田大作さんが日本の天皇になるということですね」 今回の選挙結果をみてこう語るのは、サム・ジェームソン氏である。氏は長年米紙『ロサンゼルス・タイムズ』の東京支局長を務めた知日派のベテラン記者だ。現在は読売調査研究本部の研究員でもある。 9日、衆院議員選挙の開票開始から翌日未明まで、主としてNHKの報道を見たという氏はこう…
「 道路公団新総裁に前次官牧野徹氏浮上、建設官僚起用なら小泉改革は失敗 」
『週刊ダイヤモンド』 2003年11月15日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 518号 衆院選挙後も続投が確実視されている小泉純一郎首相の足が、地に着いていない。スローガンはよくても、その具現化に欠かせない細部事情の把握と理解力が、脱落している。 わかりやすい一例が、議員の定年制度である。中曽根康弘、宮澤喜一両氏への引導の渡し方については、世間の批判が強かった。一一月二日のフジテレ…
「 亡命者が語る、北朝鮮の偽り 」
『週刊新潮』 2003年11月13日号 日本ルネッサンス 第92回 「死亡と伝えられた日本人拉致被害者は生きています。北朝鮮は利用価値のある人間を死なせるような戦術はとりません」 自信をもってこう語るのは9歳から19歳までの10年間を北朝鮮の政治犯収容所に入れられ、後に奇跡的に脱出した姜哲煥氏である。祖母、父、叔父、妹と哲煥氏の5人が1977年から87年まで、動物以下の扱いをうけて過ごしたの…
「 凶悪犯罪増加への歯止めは政治責任 自民、民主の公約はそれに応えているか 」
『週刊ダイヤモンド』 2003年11月8日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 517号 過日、ある地方都市に出かけたときのことだ。その町ではたまたま強盗事件が連続し、多額の金品が盗まれたばかりだった。 町の人びとが語って聞かせてくれたことには、犯人たちは朝一番の新幹線で東京からやって来て、あらかじめ目星をつけておいた資産家の家や、人目の少ないATM、スーパーマーケットなどを荒らし、さ…
「 党より個人で選べ、衆院選挙 」
『週刊新潮』 2003年11月06日号 日本ルネッサンス 第91回 北朝鮮の金容淳書記が交通事故で死亡したと報じられた。 氏は統一戦線部部長であり、日本関係では自民党をはじめとする政党との窓口を務め、朝鮮総聯や万景峰号問題も担務の内だ。昨年9月17日の小泉首相の訪朝も、北朝鮮側で取りしきった。拉致は作戦部の担当といわれ、金容淳書記は直接には携わっていないと見られているが、日本側に、どこまで拉…
「 台湾の教育事情と酷似する状況下、総選挙で問いたい日本の教育改革と憲法改正 」
『週刊ダイヤモンド』 2003年11月1日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 516号 総選挙間近である。政権選択といわれるように、今回は自民党を軸にした政権か、民主党を軸にした政権かを具体的に考え、選ぶことのできる環境が整っている。小選挙区制の下での3回目の選挙で、決して十分とはいえないが、それでも政権選択を現実的可能性として模索することができる状況だ。 自民、民主ともに長短ある。…
「 日台を搦め捕る、中国柔軟外交 」
『週刊新潮』 2003年10月30日号 日本ルネッサンス 第90回 10月19日、バンコクで行われた米中首脳会談で、北朝鮮の「安全の保証」を文書化するとの米国提案が明らかにされた。「悪行には報酬は与えない」としてきたブッシュ政権の政策転換である。かつての金正日体制の否定から、金正日体制のコントロールへと実利を求めて変化したのだ。 具体的には、北朝鮮の求めていた米朝不可侵条約の締結には応じない…
「 国際潮流を読み違えるな イラクへの自衛隊派遣は日本にとって正しい決断 」
『週刊ダイヤモンド』 2003年10月25日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 515号 自民党幹事長の安倍晋三氏は10月14日、イラク復興のために「できるだけ早い段階で自衛隊を出すべきだ」と述べた。かたや民主党は、国連決議のない現段階では、自衛隊の派遣に消極的だ。11月9日の総選挙を前に、自衛隊派遣とイラクの復興、再建費用の協力を含めて、自民、民主両党の安全保障政策を比較すると、どう…
「 どちらを選ぶか、小泉VS菅・小沢 」
『週刊新潮』 2003年10月23日号 日本ルネッサンス 第89回 改革選挙か、マニフェスト選挙か。11月9日の衆院議員選挙は、政権選択の現実的可能性を帯びた、はじめての選挙となる。 菅・小沢両氏の提携によって、現在単独過半数を超える自民党に、互角の勝負を挑む態勢が出来たといえる。新生民主党は、現在は議席数も支持率も、華やかさも人気も、小泉・安倍両氏のそれらに較べれば見劣りする。しかし自民党…
「 『米百俵』の長岡の精神に似合うか、田中眞紀子氏釈然としない出馬表明 」
『週刊ダイヤモンド』 2003年10月18日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 514回 田中眞紀子元外相が、次の衆議院選挙に出馬するらしい。一方、辻本清美氏は出馬せずと報じられた。 釈然としない人も多いに違いない。もっとも、眞紀子氏は潔白を主張して不起訴になったのだから、出馬に不都合はないという立場なのかもしれない。 しかし、長岡市で中学から高校まで4年半を過ごした者として、さま…