「 『国破れて霞が関あり』の現実 バラ撒きでなく、ムダづかい防止を競え 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年8月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 802 若林亜紀さんという、ご本人に言わせれば「変わった経歴を持つ」ジャーナリストがいる。 厚生労働省の外郭団体で特殊法人の日本労働研究機構(現在は独立行政法人労働政策研究・研修機構)で「労働白書」などの出版に、10年間、携わった。ところが、そこですさまじい公金の浪費と不正を目にする。彼女は考えたすえに…
「 民主党、霞が関改革に赤信号 」
『週刊新潮』 2009年8月27日号 日本ルネッサンス 第375回 総選挙の争点のひとつは公務員制度改革である。民主党は天下りを「官製談合や随意契約など税金のムダづかいの原点」と断じ、「天下りの背景となっている早期退職勧奨を廃止」、つまり天下りを全廃すると言ってきた。だが、民主党政権では、天下り全廃は出来ないだろう。むしろ、人事院と労働組合の連携に民主党が加担し、現在よりも尚酷い役人天国体制が作…
「 教育の危機を直視し親守詩(おやもりうた)を広める愛媛県、香川県 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年8月15・22日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 801 世界各国に子守詩(こもりうた)はあっても、親守詩(おやもりうた)があるのは珍しい。このユニークな「親守詩」は司馬遼太郎の『坂の上の雲』で知られる愛媛県松山市で生まれた。生みの親は明星大学の髙橋史朗教授だと言ってよいだろう。 髙橋教授は現代日本の教育の荒廃は、よき家庭教育が消えたことが…
「 ウイグルの母が告発した『中国の嘘と弾圧』 」
『週刊新潮』 2009年8月13・20日合併号 日本ルネッサンス[拡大版] 第374回 7月28日、ラビア・カーディル氏が来日した。国際社会では「ウイグルの母」として、ノーベル平和賞候補者として語られる一方、中国政府からは「暴動をそそのかした国家分裂主義者」と烈しく非難される人物だ。 氏は来日の翌日、東京内幸町の日本記者クラブで会見し、中国共産党機関紙の「人民日報」を含む内外記者団を前に…
「 米中戦略経済対話が突きつける自立国家としての日本の活路 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年8月8日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 800 7月27日、28日の両日、ワシントンで米中戦略経済対話が持たれた。冒頭、オバマ大統領は「米中関係が21世紀を形づくる」「米中関係はいかなる2国間関係よりも重要」「この重要性がわれわれのパートナーシップを支えており、われわれは共に世界に責任を持たなければならない」と述べた。 米中が世界の枠組みを決…
「 沖縄戦、県民疎開に尽力した知事 」
『週刊新潮』 2009年8月6日号 日本ルネッサンス 第373回 沖縄の星雅彦氏が興奮気味に電話をかけてきた。 「昭和19年11月3日、那覇市で県民決起大会が開かれ『県民一丸となって戦おう、元気な者は皆戦おう。老人と婦女子は日本古来の伝統にのっとり、後顧の憂いなからしめるために集団自決しよう』と決議したと報道されています。この決議があったのなら、集団自決は軍命と関わりないことが明らかになります…
「 政権奪取間近の民主党 問われる小沢一郎氏問題 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年8月1日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 799 8月30日の衆議院議員選挙で、民主党政権が誕生するだろう。政権政党として大丈夫かとの声を打ち消すように、同党は外交・安全保障政策などを大幅に見直しつつある。だが、一連の政策転換のあとにも、不安は残る。 それは小沢一郎氏問題である。寄り合い所帯の党を束ねて政権奪取に迫った力ゆえに、大半の党員は氏に物…