「 石破新総裁で自民党は迷走する 」
『週刊新潮』 2024年10月10日号 日本ルネッサンス 第1117回 石破茂氏が自民党総裁になれば、日本経済は失速し、わが国は貧しい国になる。ずっと、私はこう書き、語ってきた。そして今、そのとおりの兆候が生まれている。 総裁選の第一回投票で高市早苗氏が石破氏をおさえ一位に立つと、株価は高騰し、為替レートは多くの企業の業績を改善する円安に振れた。決選投票で石破氏が逆転した途端に、株価…
「 わが国に中国・新核戦略の脅威が迫る 」
『週刊新潮』 2024年10月3日号 日本ルネッサンス 第1116回 シンクタンク「国家基本問題研究所」による中国の軍事状況の分析で、中国が核戦略を根本的に変えたことが判明した。このことが意味するのは国際社会の力関係、つまり米中関係の大きな変化はもはや回避不可能ということ、米国の核の傘に守ってもらう、いわゆる拡大抑止戦略に依存するわが国にとっては、背筋の寒くなるような安全保障上の構造的変化…
「 部下の信頼も決断力も欠く石破氏 」
『週刊新潮』 2024年9月26日号 日本ルネッサンス 第1115回 自民党総裁選挙の票読みが進む。情勢は変化し続けるが、党員票で顕著な強さをみせるのは石破茂、高市早苗、小泉進次郎の三氏に絞られている。各メディアによる調査に共通するのは小泉氏の失速、石破氏の翳り、高市氏の躍進だ。 9月16日、『読売新聞』1面トップの情勢分析では高市氏が石破氏に、党員票と議員票の合計で123票の同数と…
「 総裁選出馬演説、抜群の高市早苗氏 」
『週刊新潮』 2024年9月19日号 日本ルネッサンス 第1114回 9月9日、高市早苗氏が自民党総裁選挙に正式に名乗りを上げた。「サナエあれば、憂いなし。」の標語を背に熱を込めて語った90分はいかにも高市さんらしかった。 会見の内容は文句なしだ。経済安全保障担当大臣として所管してきた事案に加え、年来のキャリアの実績を十分に示して、すでに出馬を表明している候補者の中で群を抜いて充実し…
「 「南海トラフ70%」の“嘘”と島崎邦彦氏 」
『週刊新潮』 2024年9月12日号 日本ルネッサンス 第1113回 今年の新潮ドキュメント賞受賞作『南海トラフ地震の真実』(小沢慧一著、東京新聞)には驚いた。読み進む内に、わが国に巣食う無責任な学者・研究者たちへの猛烈な憤りが湧いてきた。彼らが専門性の壁のうしろに隠れて、根拠のない非科学的な論理を展開し、危機へのわが国の対応を歪め、日本社会と多くの国民に害をなしているからである。 …
「 自民党総裁の選出基準はこれだ 」
『週刊新潮』 2024年9月5日号 日本ルネッサンス 第1112回 自民党の次期総裁に相応しい人物を尋ねる世論調査では石破茂、小泉進次郎、高市早苗、小林鷹之、河野太郎の各氏が上位を占める。 9月12日の告示日までには尚多数の出馬が明らかになるだろう。右に挙げた候補者は高市氏、小林氏の保守勢力と、いわゆる「小石河」三氏のリベラル勢力に明確に二分される。双方の政策のどちらを取るかは日本が…
「 松浦光修氏が語る特別な『わが国』 」
『週刊新潮』 2024年8月29日号 日本ルネッサンス 第1111回 日本は国の基盤を失い、漂流しているかのようだ。日本人の底力を引き出し困難にもめげない勁(つよ)い国にするには何が必要か。「言論テレビ」で皇學館大学教授の松浦光修氏に語ってもらった。松浦氏は安倍晋三総理や中川昭一氏らが創った若手保守議員の勉強会(後の創生日本)の、いわば指導に当たった人物である。 「歴史認識をはじめ問…
「 株価暴落、財務省・日銀の大失策だ 」
『週刊新潮』 2024年8月15・22日合併号 日本ルネッサンス 第1110回 ブラックマンデーを超えて東京株式市場で株価が暴落した。8月2日(金曜日)に日経平均株価が2216円下落したのに始まり、5日(月曜日)にはさらに4400円超も下がり、3万2000円を割った。岸田文雄首相は円安懸念を表明してきたが、1ドル=142円台後半まで円が上がったことをどうとらえているのか。 市場激変を…
「 原子力規制委の独断と暴走 」
『週刊新潮』 2024年8月8日号 日本ルネッサンス 第1109回 7月26日、世間の人々がパリ五輪に気を取られている隙を狙ったかのように、原子力規制委員会が安全審査で重要な結論を出した。日本原子力発電敦賀原発2号機が原発の安全対策を定めた新基準に適合しないというのだ。2号機の真下に、活断層があるかもしれない、その存在が否定できないとして、事実上再稼働を認めない結論である。 審査チー…
「 米国は「力による平和」で台湾を守るか 」
『週刊新潮』 2024年8月1日号 日本ルネッサンス 第1108回 「2024年の選挙はドナルド・トランプが負けることになるが、まだ何とかなるかもしれない」 これは7月21日の米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)の社説冒頭である。WSJがこんな社説を書いた理由は、その同じ日、バイデン氏の大統領選挙撤退表明を受けてトランプ氏が悪態の限りを尽くしてこう発信したからだった。 …