「 国民の支持が期待できない、国民民主党 」
『週刊新潮』 2018年5月17日号 日本ルネッサンス 第802回 民進党代表の大塚耕平氏と希望の党代表の玉木雄一郎氏が「穏健保守からリベラルまでを包摂する中道改革政党」として、「国民民主党」を結成する。私はこの原稿を5月7日の国民民主党設立大会前に書いているのだが、新党の綱領や政策の一言一句を読まずとも、これまでの経緯から彼らは期待できない絶望的な存在だと感じている。 今回、新党に…
「 平和憲法重視の宏池会の外交方針では国際政治の大きな変化に対応できない 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年5月12日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 Number 1230 米朝関係を背後から操るのは中国である。米中関係の中で翻弄されるのは韓国である。米中韓朝の四カ国が狙うのは日本国の財布である。他方、日本は北朝鮮の核やミサイル問題も、そして拉致問題も解決しなくてはならない。日本がどの国よりもしっかりと足場を固めるべき理由である。 国際政治…
「 科研費の闇、税金は誰に流れたか 」
『週刊新潮』 2018年5月3・10日合併号 日本ルネッサンス 第801回 山口二郎氏と言えば2015年の平和安全法制に反対する集会の中で「安倍に言いたい! お前は人間じゃない! 叩き斬ってやる」と演説したと報じられた人物だ。4月20日の「言論テレビ」で衆議院議員の杉田水脈氏が、その山口氏に以下のように巨額の科学研究費補助金(科研費)が支給されていたことを報告した。 02年から06年…
「 米国が求める形の非核化目指す北朝鮮問題 「リビア方式」による解決可能性を示唆か 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年4月28日・5月5日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1229 4月17日の日米首脳会談で、ドナルド・トランプ米大統領は安倍晋三首相に、「極めて高いレベルで北朝鮮と直接対話している」と語り、その後記者団が「金正恩氏と直接話しているのか」と問うと、「イエス」と答えた。マイク・ポンペオ中央情報局(CIA)長官が3月30日から4月1日の復活祭の連休を…
「 野党とメディアが日本を滅ぼす 」
『週刊新潮』 2018年4月26日号 日本ルネッサンス 第800回 米英仏は4月13日午後9時(日本時間14日午前10時)からシリアの化学兵器関連施設3か所に、105発のミサイル攻撃を加えた。 1年前、トランプ大統領は米国単独でミサイル攻撃を加えた。今回、米国がどう動くのかは米国が自由世界のリーダーとしての責任を引き受け続けるのか否か、という意味で注目された。それは、異形の価値観を掲…
「 加計問題巡る首相への「嘘つき」批判 重要政策の反転こそ天に唾するものだ 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年4月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1228 4月10日、「朝日新聞」が朝刊1面に「加計巡り首相秘書官」「面会記録に『首相案件』」の見出しを掲げて報じた。3年前の2015年4月2日、愛媛県及び今治市の職員と加計学園の幹部が(首相官邸で)柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面会し、その際柳瀬氏が「本件は、首相案件」と述べたというのだ。 4月1…
「 世界は大激変、もう森友ではない 」
『週刊新潮』 2018年4月19日 日本ルネッサンス 第799号 日本のメディアはまだ「森友」問題や財務省文書書き換え問題などに熱中しているが、その間に世界情勢が不気味な展開を見せている。米国の孤立主義、或いは後退に乗じて、世界各地域にこれまでとは異なる排他的な勢力が誕生しつつある。 トランプ政権発足から1年3か月、余りにも多くの劇的な展開があったが、その足跡は米国への信頼に不安を抱…
「 わが国で今も未確立の公文書管理ルール 無責任という意味では旧民主党も同罪だ 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年4月14日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1227 過日財務省が発表した「決裁文書の書き換えの状況」からは、森友学園への土地売却で、財務省が森友側と価格交渉をしていたことが見てとれた。佐川宣寿理財局長(当時)が国会で価格交渉を否定したために、その発言と齟齬を来さないための書き換えであることが明白だった。 4月4日、小野寺五典防衛相が、陸上…
「 北の核廃棄を望まない中朝韓 」
『週刊新潮』 2018年4月12日号 日本ルネッサンス 第798回 「習近平氏は1本2000万円のマオタイ酒を正恩に振る舞ったそうです。彼を北京に呼びつけ、中国の持てる力を誇示して手なずけようとした。その目論見が見てとれます」 こう語るのは統一日報論説主幹の洪熒(ホンヒョン)氏だ。金正恩朝鮮労働党委員長は3月下旬の電撃的訪中以降、華々しい外交攻勢を展開中だ。しかし日米両国が求める北朝…
「 読み取りづらい朝鮮半島情勢の行方 正恩氏は圧力で動くと忘れるべきでない 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年4月7日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1226 金正恩朝鮮労働党委員長の電撃訪中は、拉致問題の報道にどの社よりも熱心に力を入れてきた「産経新聞」のスクープだった。 大きく動いた朝鮮半島情勢の展開は読み取りにくい面もあるが、こんな時こそ基本構造をおさえておきたい。 第一は日米が連携して維持した圧力路線が、狙いどおりの結果を生み出した…