「 在日米軍を標的に中国が軍事訓練 」
『週刊新潮』 2020年10月1日号 日本ルネッサンス 第919回 「防衛問題とは一部の軍事マニアや軍事オタクのものではなく、常識論だ」 こう喝破するのは4年半にわたって統合幕僚長を務めた河野克俊氏である(『統合幕僚長』ワック)。 「自分は何かあったら友人に助けてもらうが、友人に何かあってもお金は出すが助けないという友人関係は常識的にあり得ない。スポーツでもそうだが、守るだけで…
「 菅新首相に望む、安倍氏の歴史観継続 」
『週刊新潮』 2020年9月24日号 日本ルネッサンス 第918回 9月11日の「言論テレビ」で安倍晋三首相と次期首相の菅義偉官房長官について語る内、安倍首相の最大の功績に話題が及んだ。政治ジャーナリストの石橋文登氏が「日本を死の淵から救ったことだ」と語った。 2012年以降も民主党政権が続いていたら、尖閣は今頃中国に奪われている。野田佳彦首相(当時)はよくぞ半年前倒しで解散してくれ…
「 日本が知るべき米国の対中強硬姿勢 」
『週刊新潮』 2020年9月17日号 日本ルネッサンス 第917回 間もなく誕生する新首相の最大の課題は対中政策において誤りなきを期することだ。合わせ鏡の論として、これまで以上に対米関係の実質的強化に努めることでもある。 中国とは人間の常識に基づいて向き合うのが最善である。許容範囲を遥かに超えたウイグル人への弾圧や香港に関する英中合意の破棄。その結果として香港から自由、民主主義、人権…
「 政治家「安倍晋三」に残された使命 」
『週刊新潮』 2020年9月10日号 日本ルネッサンス 第916回 8月28日金曜日、早朝からシンクタンク「国家基本問題研究所」の研究会に出席し、午後1時過ぎに事務所に戻った。その日の夜の「言論テレビ」に向けて準備を始めたとき、そのメールは飛び込んできた。 「安倍首相、まもなく辞任表明」というものだった。 「あー、遂に」という想いと「やはりそうか」という想いが同時にこみ上げてき…
「 なぜ日本人は半沢直樹を好むのか 」
『週刊新潮』2020年9月3日号 日本ルネッサンス 第915回 時折り本欄でご紹介する「言論テレビ」は、私が日本テレビでニュースキャスターを務めていた時からの古い友人たちとの共同作業から生まれた。スタッフとのつき合いはかれこれ40年だ。皆、歳月を重ねて今日に至っている。その「老兵」の輪の中に、畏友、花田紀凱氏も入って下さり「言論テレビ」はいま、開設9年目である。 私たちの基本は「伝え…
「 中国対日工作、過小評価は禁物だ 」
『週刊新潮』2020年8月27日号 日本ルネッサンス 第914号 戦後75年、大きく変わる世界情勢の中で、これからの10年、20年、さらにその先、日本をどんな国にするのか、私たちはどんな価値観を家庭、社会、国の基盤に置きたいのか。いまじっくりと考えて方向性を決めるときだ。 米中の価値観の戦いは行きつく所まで行くだろう。ポンペオ国務長官は7月に中国に関する主要な演説を4回行い、その中で…
「 対中価値観の闘い、日本も覚悟を 」
『週刊新潮』 2020年8月13・20日号 日本ルネッサンス 第913号 8月3日、産経新聞朝刊一面トップの記事は「中国、尖閣に漁船団予告」「16日の休漁明けにも」だった。 孫子の国の中国が侵略を前もって予告するとは思えない。孫子の教えの基本は相手を巧みに騙すことにある。事実、彼らの成功体験の数々は中国らしい「汚い」やり方ゆえに可能だった。 現在の中国の行動が、彼らの手法を示し…
「 もっと危機感を、逆ニクソン・ショック 」
『週刊新潮』 2020年8月6日号 日本ルネッサンス 第912回 7月24日、米国政府がテキサス州ヒューストンの中国総領事館を閉鎖すると、27日、中国政府が四川省成都の米国総領事館閉鎖で応じた。 ヒューストンの中国総領事館は夜を徹して秘密書類などを燃やした結果、火災を引き起こし、放水する事態となった。同総領事館を米国における中国のスパイ活動の拠点だと断じた、ポンペオ米国務長官の言葉が…