「 最高裁判決が破壊する日本の本質 」
『週刊新潮』 2023年8月3日号 日本ルネッサンス 第1059回 時代の変遷の中で人間の考え方や生活様式が変化するのは当然だが、歴史の転換点において常に先人たちが拘ったのは、その変化が日本の文化や歴史に合致しているかという点だった。往時の中国との交流の中でも、わが国は女性の纏足(てんそく)、官吏登用の科挙の試験制度など、わが国に合わない習慣や制度は受け容れなかった。かわりに中国にはない万…
「 沖縄を中国に隷属させる玉城知事 」
『週刊新潮』 2023年7月27日号 日本ルネッサンス 第1058回 沖縄県知事の玉城デニー氏は中国の李強首相と対話して天にも昇る心地になったのだろう。沖縄独特のカチャーシーという踊りではじけてしまった。カチャーシーは祝いの席のシメの踊りで、通常はその場にいる全員が参加する。しかし玉城氏は一人で踊り続けた。全身で喜びを表現し、大きく踏んだステップでいまにも宙に舞い上がりそうに見える。余程嬉…
「 安倍政治は若者世代を元気づけた 」
『週刊新潮』 2023年7月20日号 日本ルネッサンス 第1057回 安倍晋三総理が亡くなって1年。7月8日、各地で偲ぶ会が催され、東京・元赤坂の明治記念館での「安倍晋三元総理の志を継承する集い」はネット中継された。冒頭、2014年5月30日に安倍総理がシンガポールのアジア安全保障会議で行った基調講演の一部が紹介された。第二次政権を12年12月に発足させた安倍氏は、13年12月、靖国神社に…
【拡大版】「 人間「安倍晋三」の決定的評伝 」
『週刊新潮』 2023年7月13日号 日本ルネッサンス 第1056回 志半ばで斃(たお)れた元宰相は、「日本を取り戻す」という信念の下、国内外の様々な局面で“闘う政治”を実践してきた。その原動力はいったい何だったのか。公私ともに親交の深かったジャーナリスト・櫻井よしこ氏による人間「安倍晋三」の決定的評伝をお届けする。 安倍晋三総理は祖父、岸信介氏のことを「うちのじいさん」と呼んでいた…
「 露内乱、3悪人より怖い中国の脅威 」
『週刊新潮』 2023年7月6日号 日本ルネッサンス 第1055回 劇的に発生した対立は24時間で呆気なく終わった。だが、ロシアが内戦に陥り、ウクライナ侵略戦争にも局面の大転換が起きるかも、と一瞬思わせた事件はここで終わることなく、二幕目、三幕目と続くだろう。 6月23日金曜日、ウクライナ侵略戦争でプーチン大統領の手先となって戦う民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジン氏…
「 習近平主席、沖縄争奪戦開始を指示 」
『週刊新潮』 2023年6月29日号 日本ルネッサンス 第1054回 明星大学教授の熊本博之氏らの研究グループが沖縄県内の軍事基地についての世論調査を行い、その結果が6月5日までに明らかになった。安全保障問題に関して、沖縄の若い世代の意識が大幅に変化しているのが見てとれる。 まず「沖縄に米軍基地が集中しているのは不平等」との問いに「そう思う」「ややそう思う」と答えたのは、65歳以上の…
「 「シラス」と「ウシハク」 」
『週刊新潮』 2023年6月22日号 日本ルネッサンス 第1053回 皇學館大学文学部教授、松浦光修氏の『神々の日本史』(経営科学出版)が深く心にしみた。本書は21年前の氏の初めての歴史評論集、『やまと心のシンフォニー』を書名を変えて再出版したものだ。 氏は書いている。皇學館に入学する学生たちでさえ、初代天皇(神武天皇)の名前を言えない、或いは今上陛下が何代目の天皇であるかを知らない…
「 米国の対中宥和策は有害無益だ 」
『週刊新潮』 2023年6月15日号 日本ルネッサンス 第1052回 6月2~4日、シンガポールのシャングリラホテルで「アジア安全保障会議」が開催された。オースティン米国防長官は3日に演説したが、事件はその直前に起きた。米海軍のミサイル駆逐艦「チャン・フーン」とカナダ海軍のフリゲート艦「モントリオール」が台湾海峡の国際水域を北上中、中国艦船がチャン・フーンを追い抜き、船首前方を二度横切った…
「 創価学会と公明党、統一教会と同じだ 」
『週刊新潮』 2023年6月8日号 日本ルネッサンス 第1051回 衆議院の小選挙区「10増10減」に伴う候補者調整をめぐって自民党と公明党の対立が深まり、東京都における選挙協力が成立しなくなるという。公明党の集票力は1選挙区で約2万票とされ、先の衆院選で次点との差が2万票以下だった5人の自民党議員の当選が危ぶまれる。 5月29日現在、東京都に限られている協力中止が他の選挙区に拡大し…
「 岸田氏の定見問われる核の無法時代 」
『週刊新潮』 2023年6月1日号 日本ルネッサンス 第1050回 ロシアと勇敢に戦い続けるウクライナのゼレンスキー大統領が5月19日開幕のG7広島サミットに対面参加すると報じられた瞬間から、報道はゼレンスキー氏一色になった。 ロシアの核の脅威に直面し、国土を焼かれ人命を失い続けるウクライナの悲劇と広島の悲劇が重なって、岸田文雄首相の設定した核なき世界を目指す舞台に西側首脳たちが勢揃…