「 習近平主席、沖縄争奪戦開始を指示 」
『週刊新潮』 2023年6月29日号 日本ルネッサンス 第1054回 明星大学教授の熊本博之氏らの研究グループが沖縄県内の軍事基地についての世論調査を行い、その結果が6月5日までに明らかになった。安全保障問題に関して、沖縄の若い世代の意識が大幅に変化しているのが見てとれる。 まず「沖縄に米軍基地が集中しているのは不平等」との問いに「そう思う」「ややそう思う」と答えたのは、65歳以上の…
「 「シラス」と「ウシハク」 」
『週刊新潮』 2023年6月22日号 日本ルネッサンス 第1053回 皇學館大学文学部教授、松浦光修氏の『神々の日本史』(経営科学出版)が深く心にしみた。本書は21年前の氏の初めての歴史評論集、『やまと心のシンフォニー』を書名を変えて再出版したものだ。 氏は書いている。皇學館に入学する学生たちでさえ、初代天皇(神武天皇)の名前を言えない、或いは今上陛下が何代目の天皇であるかを知らない…
「 米国の対中宥和策は有害無益だ 」
『週刊新潮』 2023年6月15日号 日本ルネッサンス 第1052回 6月2~4日、シンガポールのシャングリラホテルで「アジア安全保障会議」が開催された。オースティン米国防長官は3日に演説したが、事件はその直前に起きた。米海軍のミサイル駆逐艦「チャン・フーン」とカナダ海軍のフリゲート艦「モントリオール」が台湾海峡の国際水域を北上中、中国艦船がチャン・フーンを追い抜き、船首前方を二度横切った…
「 創価学会と公明党、統一教会と同じだ 」
『週刊新潮』 2023年6月8日号 日本ルネッサンス 第1051回 衆議院の小選挙区「10増10減」に伴う候補者調整をめぐって自民党と公明党の対立が深まり、東京都における選挙協力が成立しなくなるという。公明党の集票力は1選挙区で約2万票とされ、先の衆院選で次点との差が2万票以下だった5人の自民党議員の当選が危ぶまれる。 5月29日現在、東京都に限られている協力中止が他の選挙区に拡大し…
「 岸田氏の定見問われる核の無法時代 」
『週刊新潮』 2023年6月1日号 日本ルネッサンス 第1050回 ロシアと勇敢に戦い続けるウクライナのゼレンスキー大統領が5月19日開幕のG7広島サミットに対面参加すると報じられた瞬間から、報道はゼレンスキー氏一色になった。 ロシアの核の脅威に直面し、国土を焼かれ人命を失い続けるウクライナの悲劇と広島の悲劇が重なって、岸田文雄首相の設定した核なき世界を目指す舞台に西側首脳たちが勢揃…
「 岸田外交、面子優先で国益損ねるな 」
『週刊新潮』 2023年5月25日号 日本ルネッサンス 第1049回 岸田文雄首相は本誌発売日の5月18日に広島でバイデン米大統領と首脳会談を行い、翌日からは先進7か国首脳会議(G7サミット)を主催する。世界大激変の真っ只中で岸田首相の1年半における外交の成果が問われる。 吉田茂、岸信介、安倍晋三の三首相の外交・安全保障政策の延長線上に自らの安保政策を位置づけて、安倍氏の路線を引き継…
「 日韓外交、全ての基点を国益に置け 」
『週刊新潮』 2023年5月18日号 日本ルネッサンス 第1048回 大きな戦略図で見れば、日米韓の協力態勢の強化が日本の国益であるのは明らかだ。中国、ロシア、北朝鮮は核、そして極超音速滑空ミサイルをはじめ種々の迎撃不可能なミサイルを開発し、増産を急いでいる。ロシアと北朝鮮の背後には中国がいて、台湾侵攻の日が迫る。その状況下で、韓国が中国やロシアへ接近するのを阻止しようと日米両国の努力が続…
「 チャットGPT、実は日本に親和的 」
『週刊新潮』 2023年5月4・11日合併号 日本ルネッサンス 第1047回 「チャットGPT」が急速に広まっている。「ITの神様」と呼ばれる伊藤穰一氏はチャットGPTを創ったサム・アルトマン氏を、過日、岸田文雄首相に紹介したご当人だ。伊藤氏は千葉工業大学で変革センターの所長を務めているが、学生たちにチャットGPTの使用を義務づけた。 「1週間前から始めたばかりですが、学生の能力を飛…
「 脱原発の独、未来は問題だらけだ 」
『週刊新潮』 2023年4月27日号 日本ルネッサンス 第1046回 欧州の盟主を自任するドイツが4月15日、稼働中の最後の原子力発電3基を停止した。同国は2003年以降、16基を停止させ、今回、完全に脱原発を果たしたことになる。 欧州では1970年代に反核運動と反原発の動きが結びつき、デモは左翼イデオロギー闘争の色彩を帯びた。その中で緑の党が生まれ、彼らは現在、社会民主党ショルツ連…
「 中国の分断作戦に嵌った仏大統領 」
『週刊新潮』 2023年4月20日号 日本ルネッサンス 第1045回 中国の戦略の基本は孫子の兵法の教え、敵勢力の分断である。中国は常に日米及び米欧分断を画策してきた。その罠に見事にはまった、というより自ら飛んで火に入ったのが、マクロン仏大統領だ。氏は欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長に声をかけ、両氏は共に訪中したが、両者の対中姿勢の違いはこれ以上ない程鮮やかだった。 4月5日…