「 北をめぐる米中の闘いが激化 」
『週刊新潮』 2018年6月7日号 日本ルネッサンス 第805回 6月12日の米朝首脳会談はどうやら開催されそうだ。劇的な展開の中で、はっきりしなかった展望が、少し明確になってきた。米国が圧倒的優位に立って会談に臨み、拉致問題解決の可能性にも、安倍晋三首相と日本が一歩近づくという見込みだ。 5月24日夜、トランプ大統領は6月の米朝会談中止を宣言した書簡を発表し、朝鮮労働党委員長、金正…
「 首相が加計氏に便宜との批判は疑わしい 愛媛県職員の作成文書は一体何なのか 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年6月2日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1233 愛媛県知事の中村時広氏が5月21日に参議院予算委員会に提出した文書は加計学園問題を蒸し返すきっかけとなるのか。愛媛県職員が作成した文書には、加計学園側から県担当者に、「2015年2月25日に理事長が首相と面談(15分程度)」、加計孝太郎氏が首相に「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学…
「 米国はリビア方式を貫けるか 」
『週刊新潮』 2018年5月31日 日本ルネッサンス 第804回 約3週間後に予定されている米朝首脳会談を前に、朝鮮労働党委員長の金正恩氏が、またもや恫喝外交を展開中だ。北朝鮮の得意とする脅しとすかしの戦術に落ち込んだが最後、トランプ大統領はこれまでのブッシュ、オバマ両政権同様失敗するだろう。いま大事なことは二つである。国家安全保障問題担当大統領補佐官、ジョン・ボルトン氏のいわゆる「リビア…
「 北朝鮮が中国援助の下で生き延びる最悪の事態もあり得ると認識すべきだ 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年5月26日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1232 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は5月16日、部下の第一外務次官、金桂冠氏に、「米国が圧力ばかりかけるのでは米朝首脳会談に応じるか否か、再検討せざるを得ない」と発言させた。 桂冠氏はジョン・ボルトン米大統領補佐官が北朝鮮に「完全で、検証可能で、不可逆的」を意味するリビア方式の非核化のみなら…
「 日本よ自立せよ、米国は保護者ではない 」
『週刊新潮』 2018年5月24日号 日本ルネッサンス 第803回 朝鮮半島を巡って尋常ならざる動きが続いている。金正恩朝鮮労働党委員長は、3月26、27の両日、北京で習近平国家主席と初の首脳会談をした。5月7日と8日には、大連で再び習氏と会談した。5月14日には平壌から重要人物が北京を訪れたとの情報が駆け巡った。 北朝鮮はいまや中国の助言と指示なくして動けない。正恩氏は中国に命乞い…