「 政治家「安倍晋三」に残された使命 」
『週刊新潮』 2020年9月10日号 日本ルネッサンス 第916回 8月28日金曜日、早朝からシンクタンク「国家基本問題研究所」の研究会に出席し、午後1時過ぎに事務所に戻った。その日の夜の「言論テレビ」に向けて準備を始めたとき、そのメールは飛び込んできた。 「安倍首相、まもなく辞任表明」というものだった。 「あー、遂に」という想いと「やはりそうか」という想いが同時にこみ上げてき…
「 なぜ日本人は半沢直樹を好むのか 」
『週刊新潮』2020年9月3日号 日本ルネッサンス 第915回 時折り本欄でご紹介する「言論テレビ」は、私が日本テレビでニュースキャスターを務めていた時からの古い友人たちとの共同作業から生まれた。スタッフとのつき合いはかれこれ40年だ。皆、歳月を重ねて今日に至っている。その「老兵」の輪の中に、畏友、花田紀凱氏も入って下さり「言論テレビ」はいま、開設9年目である。 私たちの基本は「伝え…
「 中国対日工作、過小評価は禁物だ 」
『週刊新潮』2020年8月27日号 日本ルネッサンス 第914号 戦後75年、大きく変わる世界情勢の中で、これからの10年、20年、さらにその先、日本をどんな国にするのか、私たちはどんな価値観を家庭、社会、国の基盤に置きたいのか。いまじっくりと考えて方向性を決めるときだ。 米中の価値観の戦いは行きつく所まで行くだろう。ポンペオ国務長官は7月に中国に関する主要な演説を4回行い、その中で…
「 対中価値観の闘い、日本も覚悟を 」
『週刊新潮』 2020年8月13・20日号 日本ルネッサンス 第913号 8月3日、産経新聞朝刊一面トップの記事は「中国、尖閣に漁船団予告」「16日の休漁明けにも」だった。 孫子の国の中国が侵略を前もって予告するとは思えない。孫子の教えの基本は相手を巧みに騙すことにある。事実、彼らの成功体験の数々は中国らしい「汚い」やり方ゆえに可能だった。 現在の中国の行動が、彼らの手法を示し…
「 もっと危機感を、逆ニクソン・ショック 」
『週刊新潮』 2020年8月6日号 日本ルネッサンス 第912回 7月24日、米国政府がテキサス州ヒューストンの中国総領事館を閉鎖すると、27日、中国政府が四川省成都の米国総領事館閉鎖で応じた。 ヒューストンの中国総領事館は夜を徹して秘密書類などを燃やした結果、火災を引き起こし、放水する事態となった。同総領事館を米国における中国のスパイ活動の拠点だと断じた、ポンペオ米国務長官の言葉が…