「 忘れるな、ロシア人の蛮行 」
『週刊新潮』 '05年11月24日号 日本ルネッサンス 第191回 よく指摘されることだが、日本では学校でも家庭でも歴史を語り継ぐ機会が非常に少ない。学校では現代史に辿り着く頃には時間切れとなり、家庭では戦争を語る資格のある祖父母や父母の世代が口を噤んできた。 現代史、就中、戦争を語らないことによって、幾つもの空白が日本人の記憶のなかに生じている。そのひとつは間違いなく日ソ・日露関係の…
「 日露関係での失敗の記憶を今、思い起こし、ロシアの無法ぶりを国際社会に訴えよ 」
『週刊ダイヤモンド』 2005年11月19日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 617 今月20日から、ロシアのプーチン大統領が来日する。北方領土問題について聞こえてくるのは、いずれも厳しい内容だ。四島返還はむろん、二島返還さえも、日本が北方四島の主権はロシアにあることを認め、平和条約を締結したあとなら協議してもよいという、話にもならない姿勢である。 加えて、ロシア側のこ…
「 個人的感情を外交に持ち込む愚 」
『週刊新潮』 '05年11月17日号 日本ルネッサンス 第190回 11月20日からロシアのプーチン大統領が来日する。2000年9月に来日した時のように、今回も彼は北方領土問題について、日本側の期待に応える気は全くないだろう。 ここ数ヵ月頻りに、北方領土について日露間には「共通の交渉の基盤がない」「4島は日本が侵略戦争に敗れた結果、取り上げられたものだ」などの声がロシア側から聞こえてく…
「 小泉新体制初の大仕事は対中・対米外交への取り組み 自らを鍛える好機ととらえよ 」
『週刊ダイヤモンド』 2005年11月12日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 616 10月31日の小泉純一郎首相による内閣改造は、奇をてらわない比較的まともなものだった。ただ、気にかかることはある。 今、日本の課題は、なんといっても外交である。なかでも深刻なのが、対中および対米外交だ。中国との関係では靖国神社参拝と東シナ海の天然ガス田の問題がある。前者は、中国が日…
「 改憲では日本文明を反映せよ 」
『週刊新潮』 '05年11月10日号 日本ルネッサンス 第189回 憲法改正を党是に掲げて50年、自民党は10月28日、改正案を発表した。 懸案の9条は第2項を削除して「自衛軍」の保持を明確にした。 憲法を聖域化し、改正自体を悪としてきた護憲主義、日本のみに軍隊の保有を禁ずる異常性を打ち破る第一歩としての意味は大きい。その点において、自民党案を高く評価する。だが、前文を読んで愕然としな…













