「 展望を欠く民主党25%削減案 」
『週刊新潮』 2009年11月12日号 日本ルネッサンス 第386回 鳩山由紀夫首相は9月22日、国連気候変動首脳会合で演説し、地球温暖化と闘うために日本は1990年を基準とし、2020年までにCO2排出量を25%削減すると発表した。 これは2005年を基準とすると30%削減に相当する数値目標だ。鳩山首相は日本が率先垂範すれば、米国も中国も発奮してついてくることを期待した。米中2…
「 外相会談を断られた鳩山政権 日米関係の危機を直視せよ
『週刊ダイヤモンド』 2009年11月7日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 812 日米関係が最悪である。10月20日に来日したゲーツ米国防長官は、岡田克也外相との会談で、沖縄の普天間飛行場を沖縄本島北部の名護市に移設する問題について「現行案が唯一、実現可能な案だ」「オバマ大統領来日の前に結論を出してほしい」と述べた。 普天間の返還と移転は1996年に日本政府が要請したにもかか…
「 力不足で可能か、民主の政治主導 」
『週刊新潮』 2009年11月5日号 日本ルネッサンス 第385回 10月26日、鳩山由紀夫首相はお気に入りの金色のタイとポケットチーフで装い、所信表明演説を行った。政権交代は、「政治家と官僚のもたれ合いの関係、しがらみや既得権益によって機能しなくなった政治」などのゆえにもたらされたとして、「官僚依存の仕組みを排し、政治主導・国民主導の新しい政治へと百八十度転換させ」ると明言した。 鳩山首…
「 オバマ大統領の“戦い”を理解しない鳩山政権の平和論は日米関係を危うくする 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年10月31日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 811 米国のオバマ大統領のノーベル平和賞受賞のニュースに、鳩山政権の人びとはたいそう喜んだ。 鳩山由紀夫首相は、オバマ大統領が先に表明した核のない世界を目指すという考え方に共鳴し、9月24日の国連安保理首脳会合で「核廃絶の先頭に立つ」と力を込めて述べた。岡田克也外相は核のない世界を目指す立場から…
「 民主党らしさを損ねる言論封鎖 」
『週刊新潮』 2009年10月29日号 日本ルネッサンス 第384回 野党時代の民主党の最大の魅力は政策決定過程の透明性にあった。良くも悪しくも党内議論は活発だった。これでひとつの政党かと訝るほど、右から左まで幅広い人材で成り立つだけに、十分な議論なしには、極論が党の政策として打ち出されかねない実態がある。危うい政策を辛うじて水際で止め得ていたのは活発な党内議論ゆえだっただろう。 ところ…













