「 現在の中国はいかにしてできたか 特異な隣国についての自覚を促す書 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年8月4日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 947 少々前の本だが、あまりに興味深くて、書かずにはいられない。『もし、日本が中国に勝っていたら』(文春新書)である。著者は趙無眠氏、ネット上にしか存在しないペンネームだ。日本語訳は富坂聰氏。 「まえがき」で富坂氏は同書が中国で、少なくとも知識人の間では、驚くほど広く読まれていると指摘し、趙論文が、「天使…
「 感情的反発に傾くNHKのオスプレイ報道 」
『週刊新潮』 2012年8月2日号 日本ルネッサンス 第520回 7月23日月曜日のNHK『ニュースウオッチ9』(以下、「9」)の米軍の新型輸送機オスプレイ報道はひどい内容だった。キャスターの大越健介氏の報道人としての見識を疑い、「9」そのものが、報道番組であることをやめてNHKの主張を展開する場へと変質したのではないかと感じた。 「9」の報道は、午前5時すぎの海上でオスプレイ積載の貨物船…
「 野田首相は信ずる政策の実現に向け輿石幹事長を即刻更迭すべきだ 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年7月28日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 946 民主党幹事長の輿石東氏が原発再稼働問題に関連して、菅直人前首相に日本のエネルギー政策の提言を取りまとめるよう要請したというベタ記事が7月18日の「産経新聞」に出ていた。驚きを通り越してあきれてしまう人事である。幹事長としての輿石氏の考えを疑わざるを得ない。 幹事長は党首・首相を全力で支える立場…
「 実は日本はレアアース大国だった 」
『週刊新潮』 2012年7月26日号 日本ルネッサンス 第519回 本州から1800キロ、わが国の最東端に位置する南鳥島の排他的経済水域(EEZ)の海底で、膨大な量のレアアースを含む泥(希土泥)が見つかった。レアアースの濃度が1000ppmから1500ppmという非常に高品質な泥で、濃度が400ppmの水準にとどまる中国の鉱床より数倍、良質であることも判明した。発見したのは東大大学院工学系研究…
「 尖閣諸島に一刻も早く日本人を常駐させる方策を 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年7月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 945 民主党の前原誠司氏に、野田佳彦首相を一言で表現すれば、と尋ねた。 氏は一瞬考え「鈍です」と答えた。少し間を置いて、「でも、ぶれません」と加えた。 実によく言い当てている。ぶれないのは首相の長所である。しかし鈍はぶれない美徳をも疑わしめるときがある。言から実行まで時間がかかり過ぎて節を曲げたかと…













