「 首脳会談前に領土問題で激突 印中関係に見る本当の外交の姿 」
『週刊ダイヤモンド』 2015年5月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1804 眼前で進行する世界の外交は、諸国が国益を懸けて激しく戦う実相を見せてくれる。ウクライナからクリミア半島を奪う際、核兵器使用の準備を整えていたとプーチン大統領は語った。 同発言は、「武器なき戦い」といわれる外交の背景には、常に軍事力が控えていることを、まるで外交の教科書のように見せてくれ…
「 左遷された片桐氏の至福の月日 」
『週刊新潮』 2015年5月21日号 日本ルネッサンス 第655号 「もう少し、あのとき頑張っていればよかったと、思うことがあるんです」 片桐幸雄氏は上梓したばかりの『左遷を楽しむ』(社会評論社)を前にこう語った。私は問うた。 「あのとき、精一杯やったじゃないですか。力を出しきって戦ったでしょう。もっと頑張ればよかったと言う理由は、何ですか」 片桐氏はここで言葉を濁した。…
「 硬軟織り交ぜた戦略を繰り出す裏で真意を巧妙に隠す中国のしたたかさ 」
『週刊ダイヤモンド』 2015年5月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1083 4月末、米国を訪れた安倍晋三首相は日本の国際社会の立ち位置を新たな次元に引き上げた。祖父、岸信介元首相は約60年前、「日米新時代」という言葉で日本が米国と対等の立場に立つ気概を示した。 安倍首相はガイドラインの見直しを通じて、事実上、日米安全保障条約の改定を行った。これまで国家の危機に直…
「 欺瞞に満ちた「原発再稼働」差し止め 」
『週刊新潮』 2015年5月7・14日合併号 日本ルネッサンス 第654号 4月24日、インターネット配信の「言論テレビ」で、原子力が専門の北海道大学教授・奈良林直氏と法律が専門の名古屋大学名誉教授・森嶌昭夫氏をゲストに、福井地方裁判所の「決定」(判決)の疑問点を検証した。 福井地裁の樋口英明裁判長は、4月14日、関西電力の高浜原発3号機及び4号機(福井県)について「運転してはなら…
「 見事だったバンドン会議の安倍演説 中国ではなく日本に吹く歴史の追い風 」
『週刊ダイヤモンド』 2015年5月2・9日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1082 歴史の追い風を受ける安倍晋三首相は強運の人だ。4月22日、アジア・アフリカ会議(バンドン会議)で首相が演説した。 「侵略または侵略の脅威、武力行使によって他国の領土保全や政治的独立を許さない」「国際紛争は平和的手段によって解決する」 このくだりはバンドン会議創設時の宣言だが…













