「 学術会議の反日、異常な二重基準 」
『週刊新潮』 2020年10月22日号 日本ルネッサンス 第922回 日本は普通の真っ当な国家になってはいけないというかのような日本否定の考え方はもう捨て去る時だ。論理矛盾とダブルスタンダードの日本学術会議を見ての感想である。 日本の学者・研究者は「今後絶対に」軍事研究はしない。なぜなら日本は過去に軍国主義に走ったから、という学術会議の掲げる1950(昭和25)年の「決意表明」は、日…
「 「学術会議」にモノ申した菅首相の英断 」
『週刊新潮』 2020年10月15日号 日本ルネッサンス 第921回 アカデミズムの権威の衣をまとった日本学術会議に菅義偉首相が物言いをつけた。菅首相の決定は英断であり、高く評価する。評価の理由は後述するが、まず、日本学術会議という組織を見てみよう。 同会議は、日本が米軍の占領統治下にあった昭和24年に設立された。戦時中、日本の学者、研究者、とりわけ科学者が「戦争に協力させられた」と…
「 核使用が前提、世界情勢の厳しさ 」
『週刊新潮』 2020年10月8日号 日本ルネッサンス 第920回 米国は尚武の国である。加えて説明責任を重んずる国である。 トランプ大統領のツイッターや言動を見れば、米国は迷走しており、政策は衝動的に提案されていると思えるかもしれないが、後述する中距離核ミサイル(INF)全廃条約の例に見られるように実態からは全く別の米国の姿が窺える。じっくりと考え抜かれた戦略があり、トランプ氏の政…
「 在日米軍を標的に中国が軍事訓練 」
『週刊新潮』 2020年10月1日号 日本ルネッサンス 第919回 「防衛問題とは一部の軍事マニアや軍事オタクのものではなく、常識論だ」 こう喝破するのは4年半にわたって統合幕僚長を務めた河野克俊氏である(『統合幕僚長』ワック)。 「自分は何かあったら友人に助けてもらうが、友人に何かあってもお金は出すが助けないという友人関係は常識的にあり得ない。スポーツでもそうだが、守るだけで…
「 菅新首相に望む、安倍氏の歴史観継続 」
『週刊新潮』 2020年9月24日号 日本ルネッサンス 第918回 9月11日の「言論テレビ」で安倍晋三首相と次期首相の菅義偉官房長官について語る内、安倍首相の最大の功績に話題が及んだ。政治ジャーナリストの石橋文登氏が「日本を死の淵から救ったことだ」と語った。 2012年以降も民主党政権が続いていたら、尖閣は今頃中国に奪われている。野田佳彦首相(当時)はよくぞ半年前倒しで解散してくれ…
「 日本が知るべき米国の対中強硬姿勢 」
『週刊新潮』 2020年9月17日号 日本ルネッサンス 第917回 間もなく誕生する新首相の最大の課題は対中政策において誤りなきを期することだ。合わせ鏡の論として、これまで以上に対米関係の実質的強化に努めることでもある。 中国とは人間の常識に基づいて向き合うのが最善である。許容範囲を遥かに超えたウイグル人への弾圧や香港に関する英中合意の破棄。その結果として香港から自由、民主主義、人権…
「 政治家「安倍晋三」に残された使命 」
『週刊新潮』 2020年9月10日号 日本ルネッサンス 第916回 8月28日金曜日、早朝からシンクタンク「国家基本問題研究所」の研究会に出席し、午後1時過ぎに事務所に戻った。その日の夜の「言論テレビ」に向けて準備を始めたとき、そのメールは飛び込んできた。 「安倍首相、まもなく辞任表明」というものだった。 「あー、遂に」という想いと「やはりそうか」という想いが同時にこみ上げてき…
「 なぜ日本人は半沢直樹を好むのか 」
『週刊新潮』2020年9月3日号 日本ルネッサンス 第915回 時折り本欄でご紹介する「言論テレビ」は、私が日本テレビでニュースキャスターを務めていた時からの古い友人たちとの共同作業から生まれた。スタッフとのつき合いはかれこれ40年だ。皆、歳月を重ねて今日に至っている。その「老兵」の輪の中に、畏友、花田紀凱氏も入って下さり「言論テレビ」はいま、開設9年目である。 私たちの基本は「伝え…