「 普天間飛行場問題で考えるべき 中国の軍事脅威の異常な高まり 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年2月6日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 824 1月24日の沖縄県名護市の市長選挙の結果は、鳩山政権の終焉への第一歩となる可能性が大きい。どの国の、どの時代の歴史を見ても、国防の基本を蔑ろにした国は滅びている。鳩山由紀夫首相の友愛外交は、その背後に強固な軍事的備えがあって初めて生きてくるのだが、首相の外交は単なる空疎な言葉だけであり、これでは…
「 首相を追い詰める名護市長選挙 」
『週刊新潮』 2010年2月4日号 日本ルネッサンス 第397回 1月24日、米軍普天間飛行場の移設問題を最大の争点とする沖縄県名護市市長選挙で元市教育長の稲嶺進氏(64)が当選した。氏の公約は辺野古の海に基地は造らせないというもので、日米の長年の合意である辺野古への移設は非常に困難となった。 沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の最終報告書には、沖縄県米軍区域の総面積の21%にあたる5,…
「 安保50年、日米両政府は祝わない 」
『週刊新潮』 2010年1月21日号 日本ルネッサンス 第395回 1月19日、海上自衛隊は碇泊中の艦船を満艦飾に装い、夜には各艦にライトを当てて、50年前のこの日、日米安保改定条約が調印されたことを祝うという。同じ日、駐日米国武官主催の「ホームパーティー」も開かれる。関係者への招待状は 1月12日配達という直前のタイミングだが、鳩山政権の空虚な安全保障政策に危機感を抱く人々は、同会への招待…
「 民主党政権を主導する小沢一郎氏 矛盾に満ちた変節を疑う 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年1月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 821 藤井裕久財務大臣の辞任など、鳩山民主党は年初から波乱含みである。藤井氏辞任の背景に、小沢一郎幹事長との齟齬があったと指摘されている。民主党政権の展望が一に小沢氏の意向や決定にかかっているといっても過言ではない現在、氏の目指すものは何なのかを、明確に把握しておきたい。 『日本改造計画』(講談社)…
「 有事の可能性が大きい北朝鮮 自由統一に向けた備えが急務 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年1月9日新春号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 820 新しい年が巡り来た。私たちの前に広がるこの一年は緊張溢れる年になるだろう。民主党政権下の政治的空白と機能停止状況から脱して、多くの緊急事態に向けての準備を整えなければならない。その一つが北朝鮮有事である。 近い将来、北朝鮮情勢が激変する可能性は大である。日本は北朝鮮有事を日韓関係の根本的改善につ…
「 拉致の実態を前にして政府の脆弱性を痛感する 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年12月19日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 818 12月6日、東京都港区の「ゆうらいふセンター」で行われた、「いかに救い いかに守るか」と題された拉致と国防に関するシンポジウムに参加した。実際の議論に先立って、全員で約20分間のビデオを見た。主催者である予備役ブルーリボンの会が作ったものだ。 同会は、自衛官OB、即応予備自衛官、予備自衛官、予…
「 緊急提言 『鳩山さん、日本を自滅させるおつもりですか』 」
『週刊新潮』 2009年12月17日号 日本ルネッサンス 第391回 「日米同盟」壊滅の日 鳩山由紀夫首相の幼稚な理想論が日本を自滅の道に追い込みつつある。来年の日米安全保障条約改定50周年に向けて開始予定だった同盟深化のための協議を、米政府が延期すると伝えてきた。 日本政府筋はこれを「かつてない深刻な危機」だと語る。 米国バンダービルト大学日米研究協力センター所長ジェームス・アワー氏…
「 日米首脳は中国に対して現実よりも理想を見がちだ 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年11月14日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 813 21世紀の残りの90年間、日本人の運命は台頭した中国の脅威をどうかわすかによって決まる。大事なことは、日本がその脅威を認識し、備えることである。 明らかに鳩山政権には、中国の脅威への認識が欠けている。そこから生まれてきたのが「東シナ海を友好の海にする」「東アジア共同体をつくる」などの発想だ。…
「 外相会談を断られた鳩山政権 日米関係の危機を直視せよ
『週刊ダイヤモンド』 2009年11月7日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 812 日米関係が最悪である。10月20日に来日したゲーツ米国防長官は、岡田克也外相との会談で、沖縄の普天間飛行場を沖縄本島北部の名護市に移設する問題について「現行案が唯一、実現可能な案だ」「オバマ大統領来日の前に結論を出してほしい」と述べた。 普天間の返還と移転は1996年に日本政府が要請したにもかか…
「 オバマ大統領の“戦い”を理解しない鳩山政権の平和論は日米関係を危うくする 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年10月31日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 811 米国のオバマ大統領のノーベル平和賞受賞のニュースに、鳩山政権の人びとはたいそう喜んだ。 鳩山由紀夫首相は、オバマ大統領が先に表明した核のない世界を目指すという考え方に共鳴し、9月24日の国連安保理首脳会合で「核廃絶の先頭に立つ」と力を込めて述べた。岡田克也外相は核のない世界を目指す立場から…