「 絶対に実施してはならない住民基本台帳ネットワーク 」
『週刊ダイヤモンド』 2002年5月18日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 445回 「住民基本台帳ネットワーク」(住基ネット)に反対と言うと、「清く正しい生活をしている限りは心配ないのに、なぜ反対なのか」と問われる。 住基ネットは今年8月5日から施行され、赤ちゃんからお年寄りまで全員が11ケタの番号をふられる。その番号は年金の受給、医療保険、自動車免許取得のときなどの本人確認のた…
「 とてもあぶない国家無謬説 」
『週刊新潮』 2002年4月11日号 日本ルネッサンス 第14回 3月15日に『行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案』が国会の総務委員会に提出された。 提出したのは、いまや静かに着実に日本を支配しようとする総務省である。読んでみて本当に驚いた。行政、つまり国は絶対にあやまちを犯さない善なる存在だという看板を高く掲げたような内容なのだ。国家は無謬(むびゅう)であるとした同法案の問題点は…
「 悪しき情報三法をつぶせ 」
『週刊新潮』 2002年3月14日号 日本ルネッサンス 第10回 官僚たちの悪しき企みが、この国を生ける屍の国にしようとしているかのようだ。 自由を奪われた形だけの報道と言論。個人情報を一元的に集中管理され、羊のように大人しく無気力な国民。その頂点に立つ、未来展望も無い青白い官僚たち。 他国の話でもフィクションでもない。これは現在進行形のねっとりとした動きが現実となった時の日本の姿である。…
「 私は番号になりたくない 」
『週刊新潮』 2002年1月31日号 日本ルネッサンス 第4回 読者の皆さんは御存知だろうか。今年8月には生れたばかりの赤ちゃんからお年よりまで、国民全員に11桁の番号がつけられ、国民総背番号制が始まることを。 これは99年8月、小渕内閣で成立した改正住民基本台帳法によるものだ。同法律によって住民コードと呼ばれる番号がつけられ、一生涯、私たちの識別番号となる。 政府はこの番号の下に、住所、…
「 情報公開せずメディアを規制 個人情報管理に走る政府の歪み 」
『週刊ダイヤモンド』 2001年6月9日号 オピニオン縦横無尽 第398回 どんな時代にも情報は力だ。情報を持つ人ほど、物事や社会の動きを先読みするのに鋭敏になりうる。そのぶん、他者に先がけ、優位に立ち、間違いを回避することもできる。情報を欠く人ほど対処に遅れ、取り残されていきがちである。情報なしにはさまざまな競争に敗れ、おとなしい羊のように、他者のあとをついていくだけの存在になりがちである。…