「 日本社会に合うのか、最高裁判断 」
『週刊新潮』 2013年9月19日号 日本ルネッサンス 第574回 結婚していない男女間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定は法の下の平等を保障した憲法に違反すると、最高裁判所が9月4日判断した。 日本人の生き方や日本の社会に大きな変化をもたらすと予測される判断である。最高裁は判断理由として、①国民の意識の変化、②国際社会からの勧告、③非嫡出子の相続…
「 日本人に生まれたことを幸せと感じられた光景 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年4月13日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 981 3月28日、熊本県菊池市を訪れた。美しく平和な佇まいの中、あちらにもこちらにも驚くほど多くの桜の森があった。 津々浦々、日本には本当に多くの桜の名所がある。けれど、菊池にはとりわけ心引かれる美しさがあり、昔からの日本人の素朴な心の温かさが今に伝えられている気がした。 菊池では毎…
「 国防の危機! 尖閣を護れ 」
『週刊新潮』 2012年9月27日号 日本ルネッサンス 拡大版 第527回 尖閣諸島問題で日本に問われているのは、主権の基盤である国土を守る気迫と、最終的に武力をもって戦ってでも守り通す気概があるのかということだ。 領土問題は主権問題でありその余の問題とは決定的に性質が異る。国を取るか取られるかの瀬戸際に立ついまこそ、日本は領土を防衛する究極の気迫と力を現実の形にすべきである…
The Voice of the People Neglected by Okinawa’s Two Major Dailies
After having long subscribed to two major Okinawan dailies 窶錀 the Ryukyu Shinpo and the Okinawa Times 窶錀 I must confess with a deep sense of despair that I no longer can regard them as legitimate n…
「 福島県川内村の未来を切り開く村長の英断と村民の心意気 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年3月10日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 927 まもなく東日本大震災から1年になる。福島第一原子力発電所から20キロメートルの川内村は、計画的避難区域に指定され役場機能が移転した県内九町村の1つである。村長の遠藤雄幸氏は1月末、9町村の中で初めて全村民に「戻れる人から一緒に村に戻ろう」と呼びかけた。6世帯が応じ、それ以前から村に戻っていた人々…
「 価値観を生かした高齢国のあり方 日本モデルとして普及させよう 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年2月11日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 923 厚生労働省が1月30日に発表した「将来人口推計」では、日本の総人口は50年後の2060年に8,674万人になる。半世紀で人口が4,100万人以上減少する計算だが、これを「産経新聞」は関東の1都6県(人口約4,200万人)が消滅すると表現した。 この寂しい風景は、しかし、視点を変えればまったく変…
「日台を結ぶ武士(さむらい)の絆」
『週刊新潮』 2012年2月9日号 日本ルネッサンス 第496回 日台関係の緊密さは人間同士の親和性から生まれている、そう実感させたのが1月14日の台湾総統選挙の取材でお会いした白井真由美さんだった。台湾出身の彼女は数奇な人生を歩んで日本人となり、現在は日系米国人と結婚、カリフォルニアで小さなテレビ局を運営している。 白井さん一家の物語は古きよき日本人と台湾人の物語だ。それは「立派な日本人と…
「 人間としての情を封殺する中国共産党の支配体制 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年2月4日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 922 オバマ大統領が1月24日の一般教書演説でうたい上げたことの一つが米国の製造業の強さだった。製造業、エネルギー、労働者の技術力、新たな価値観に基づいて、持続的経済を築き上げる、そのため米国内で生産するハイテク企業の税控除を倍増する、工場のない地域に移転する企業には資金調達を支援すると公約し、「中国のよう…
「中国に引き込まれるか、再選の馬総統」
『週刊新潮』 2012年1月26日号 日本ルネッサンス 第494回 1月14日、諸国の先頭を切って台湾の総統選挙及び立法院選挙が行われた。与党国民党の馬英九氏が再選を果たしたが、得票数は4年前の総統選挙での756万票より67万票少ない689万票にとどまった。国民党が立法院で得た議席は113議席中64。法案成立に必要な過半数は押さえたが、憲法改正も可能とする全議席の4分の3に肉薄した前回より、大…
「韓国による朝鮮半島の平和統一の支持を野田政権は宣言すべきだ」
『週刊ダイヤモンド』 2012年1月21日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 Number 920 北朝鮮の金正恩氏ほど、世界がその実像を知らない指導者はいない。なんといっても、約20年も前に「金王朝」の料理人だった人物の解説が今も各種メディアで珍重されるのである。 だが、人となりが正確にわからなくとも、金正恩新指導部の展望がいかに危ういか、それによって日本の安全保障体制がどれほど…