「 日本、米国、ドイツの3ヵ国が再び世界経済を牽引する 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年5月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 839 鳩山由紀夫首相の下で政治は機能停止状態だが、日本経済には大きな可能性がある、今後5年ほどで日米独が顕著に浮上すると武者陵司氏は予測する。 氏はドイツ証券東京本社副社長を経て、昨年「武者リサーチ」を設立した。いかにして日本は世界経済の最先端を、再び走り始めるのかを聞いた。 まずドイツの展望であ…
「 口蹄疫拡大は民主党政治の不策 」
『週刊新潮』 2010年5月27日号 日本ルネッサンス 第412回 宮崎県を発火点に、猛威を振るう口蹄疫を前に、鳩山由紀夫首相は17日、ようやく対策本部を立ち上げた。4月20日の発生から28日目である。 如何なる感染症対策も初動が重要だ。第一号感染症例発見から約ひと月後の対策本部設置は山火事にたとえれば、山一面に火の手が上がって初めて消防団を結成するようなものだ。番記者が、被害拡大は対策が遅…
「 政治家に不可欠な戦略構築能力が欠如する鳩山首相では国が危うい 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年5月22日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 838 世界諸国のリーダーたちは、日々の政治を大戦略につなげて考える。近未来、中期的展望、長期的展望と三段階に分けて問題を整理し、対策を講ずる。 大戦略を描くには、自国だけでなく周辺諸国がどのような動きを見せるか、地球をいくつかの地域に分けて各地域がどのような状況にあるかを読み取り、予想しなければなら…
「 中国軍の脅威、問題外の日本の対応 」
『週刊新潮』 2010年5月20日号 日本ルネッサンス 第411回 東シナ海で進行中の事態はまさに日本の危機であり、異常事態だ。 奄美大島の北西320キロメートル、東シナ海の日中中間線から日本の排他的経済水域(EEZ)に40キロも入った海域で海上保安庁の測量船、「昭洋」が5月3日、中国の調査船に追尾されたのだ。 そこは日本のEEZである。どんな調査をしようが、国連海洋法で認められた日本の権…
「 国益を損じるだけの鳩山首相 出でよ!勇気ある保守政治家 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年5月15日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 837 「認識が浅かった」「学べば学ぶほど(米軍の)抑止力(が必要と)の思いに至った」 安全保障という国家の基本政策について、こう述べて普天間飛行場の移設先を、結局、沖縄県にお願いしたいと頭を下げた鳩山由紀夫首相。民主党の凋落は当然で、約2ヵ月先の参議院議員選挙では、単独過半数はおろか、与党全体でも…
「 『保守分裂』『新党乱立』滅びの危機を回避せよ 」
『週刊新潮』 2010年5月6・13日合併号 日本ルネッサンス 拡大版 第410回 いま民主党で活躍する中堅議員の妻たちが今年夏の参議院議員選挙では、絶対に民主党には投票しないと断言する。夫たちに、党を割って出て新党に合流し、政界再編の先鞭をつけろと鼓舞する。こんな話が複数の議員たちから聞こえてくるようになった。 いまや身内の妻たちさえ見放しつつあるのが鳩山民主党だ。外部の鳩山評は、もっ…
「 普天間飛行場移設の可能性はある 沖縄からの真の発言に向き合え 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年5月1・8日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 836 沖縄県普天間飛行場の移設をめぐる鳩山由紀夫首相の対応は、絵に描いたように拙劣で無責任だ。おそらく首相は、自ら全責任を引き受けて問題解決に当たったことがない人なのだろう。 そんな首相に、沖縄県知事の仲井眞弘多(ひろかず)氏の言葉を聞かせたい。 沖縄の主要二紙は、連日「国外・県外移設」に向…