「 やはり試掘だ、東シナ海ガス田 」
『週刊新潮』'07年11 月29日号 日本ルネッサンス 第290回 やはり試掘だ、東シナ海ガス田 11月17日の『産経新聞』に「中国『試掘なら軍艦出す』」という強烈な見出しが載った。日中戦争が始まるかのような見出しは、11月14日に東京で開かれた東シナ海天然ガス田開発についての日中協議で「日本側が協議の停滞を理由に試掘を示唆した際」の中国側の言葉として報じられた。 交渉に臨んだ日本の外務省、…
「 先を見た中国の国際標準化戦略 国益意識が低い日本の最悪のシナリオ 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年11月24日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 716 インド洋での海上自衛隊の補給活動を再開するための新テロ対策特別措置法案が13日、衆院本会議で可決され、参院に送られた。だが、混迷を極める国会では同法案は審議開始の目途さえ立っていない。 政党に党利党略は当然だが、政党も政治も日本国と国民のためにある。党利党略を超えた国益がなければならず、国益は…
「 韓国大統領選、直前で新たな展開 」
『週刊新潮』'07年11 月22日号 日本ルネッサンス 第289回 韓国大統領選挙まで残り6週間となった11月7日、突然、新しい候補者が名乗りをあげた。10年前、ハンナラ党を創った李会昌(イ・フエチヤン)氏だ。大統領選のトップを走ってきたのは保守系で同党候補の李明博(イ・ミヨンバク)氏、『朝鮮日報』の調査では断トツの55・5%の支持率だ。その後ろに左派の与党候補、鄭東泳(チヨン・ドンヨン)氏が約…
「 まだ十分に報じられていない小沢氏のメディア批判とその意味合いの重要性 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年11月17日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 715 小沢一郎民主党代表が11月2日の辞任記者会見で語った内容のなかで、まだ十分に報じられていないのがメディア批判だ。非常に深刻な意味を持つこの問題提起は次のような内容だった。 「新聞・テレビの報道は明らかに報道機関の域を大きく逸脱している」「事実無根の報道が氾濫している」「ほとんどの報道機関が政府・…
「 信念なき福田首相こそ問題だ 」
『週刊新潮』'07年11月15日号 日本ルネッサンス 第286回 10月30日と11月1日、都合3回の党首会談から生まれた大連立構想とその後の小沢一郎民主党代表の辞任を巡る混乱で、メディアの批判は小沢氏と民主党に集中している。そもそも自民・民主の大連立構想を画策してきたのは『読売新聞』の主筆、渡辺恒雄氏と見られるが、『読売』は、「壊し屋」「『変わらなかった』小沢氏」「決定的なイメージ悪化も」など…
「 官僚と業界の腐った関係にメスを入れる「官民人材交流センター」の無力化を懸念 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年11月10日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 714 10月29日、衆議院テロ防止特別委員会で行われた守屋武昌前防衛次官の証人喚問は、防衛省の抱える問題の根の深さを痛感させた。 省にもなれず、長年肩身の狭い思いをしてきたのが防衛庁だ。それは他省の出向組が、防衛庁に対して格が違うと、無言で示し続け、〝参事官〟として自衛隊員の頭上に立ち、日本の安全保…
「 福田首相は拉致を解決できるか 」
『週刊新潮』'07年11 月8日号 日本ルネッサンス 第287回 「福田首相は終始にこやかで、ユーモアさえ持ち合わせていました。5年前、冷たい目で私たちに娘の恵子は死んだと一方的に通告したのと同じ人かと、心底驚きました」 こう語るのは北朝鮮に拉致された有本恵子さんの母、嘉代子さんだ。有本夫妻ら拉致被害者の家族は10月26日夜、首相官邸で福田康夫首相と45分間にわたって面会した。首相は、官房長官…
「 数字をねじ曲げてまで一方的報道に走る沖縄・2大新聞の姿勢は戦死 」
『週刊ダイヤモンド』 2007年11月3日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 713 沖縄で計98%の市場占有率を誇る「琉球新報」と「沖縄タイムス」を読んでいると、息詰まるような気分に陥ることがある。あまりにも一方的な紙面構成がなされ、特定のものの見方のみが強調されているからだ。 第二次世界大戦の末期、日本軍が住民に集団自決を命じたとの主張においても同様だ。この件については、梅…
「 軍事最優先、不変の中国戦略 」
『週刊新潮』'07年11 月1日号 日本ルネッサンス 第286回 10月21日、注目の中国共産党第17回大会が終了した。胡錦濤国家主席は政治報告で「民主」という言葉を約60回も繰り返した。日本でいえば内閣に相当する政治局常務委員会は、9人体制で上位5人が留任、下位4人が新任の構成だ。新任4人の内、2人が第五世代と呼ばれる習近平氏(54)と李克強氏(52)である。 13億人の国のトップ9名、そ…