「 外務官僚よ、国益を蝕むのか 」
『週刊新潮』 '06年12月28日号 日本ルネッサンス 第245回 日本外交はなぜ、墓穴を掘って、国益を損なうのか。 今回の日本外交の信じ難い迷走は、12月13日の麻生太郎外相の発言に始まった。衆院外務委員会で北方領土問題について「択捉島の25%を残りの3島(国後、歯舞、色丹)にくっつけると、50、50の比率になる」と述べたのだ。 外相はまた、「2…
「 存在しなかった『南京大虐殺』を材料に いまだ日本非難を続ける中国の戦略 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年12月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 671 12月2日、NPO法人の北朝鮮難民救援基金とカチン女性協会が、東京・東麻布の中国大使館前で抗議行動を行った。一つは、中国政府はこれまで、脱北者を逮捕しては北朝鮮に送り返してきたことに対してだ。送還された脱北者は収容所送りとなり、拷問され、命を落とす例も少なくな…
「 悪夢のような中国進出の実例 」
『週刊新潮』 '06年12月21日号 日本ルネッサンス 第244回 安倍晋三首相の訪中を機に、日本の技術、経営手法、資本を求める中国側の働きかけが熱を帯びている。 そこで、中国進出を熱心に説かれ、約5年間を彼の国で頑張ったある東北の企業の実例を見てみたい。 「旭エンジニアリング株式会社」は資本金2,500万円、社員75名の農機具メーカーだった。現在は自動車生産用のロ…
「 金正日体制をまた一歩崩壊に近づけた中国による北朝鮮聖地での軍事訓練 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年12月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 670 朝鮮半島問題の専門誌「現代コリア」(2007年1・2月号)の佐藤勝巳、花房征夫両氏の対談がおもしろい。 佐藤氏は現代コリア研究所所長、花房氏は東北アジア資料センター代表である。花房氏は過去3年間、毎年、中朝国境2,000キ…
「 毒殺事件が示す新たな冷戦構造 」
『週刊新潮』 '06年12月14日号 日本ルネッサンス 第243回 旧ソ連時代の情報工作員で現在英国在住のボリス・ヴォロダルスキー氏が、ロシア流政敵暗殺術についてウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙に詳報した。11月22日のその記事、「ロシアの毒薬」は小説をはるかに凌ぐ迫力だ。氏は1954年の事件から書き起こす。 54年2月18日夕暮れ、ドイツ…
「 いじめ・不登校・校内暴力ゼロを“花づくり”で実現した旧真田町 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年12月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 669 今、大人たちは、子供の犯罪やいじめを前に、なす術を失っているかのようだ。けれど、かつての私たちはそれを抑制できていた。ならば、現在の私たちにも出来ないはずはない。 ここに紹介する例は、子供の犯罪やいじめに学校が取り組み、成功した具体例である…
「 拉致で初の国際会議、狙いは中国 」
『週刊新潮』 '06年12月7日号 日本ルネッサンス 第242回 北朝鮮の6か国協議への首席代表、金桂寛(キムゲグアン)外務次官が11月28日、強気の発言を行った。 「核実験を通じて、我々に対する制裁の圧力に対応できる防御策をとっているので、堂々と話ができる」 「(米国との争点は)余りにも多い。今から絞らなければならないので話し合ってみないとわからない」 核保…
「 インドの領土も中国領だと言ってのける胡錦濤国家主席の笑い飛ばせぬ冗談 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年12月2日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 668 11月19日に閉幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では、中国の胡錦濤国家主席の攻勢が目立ち、中間選挙で敗北した米ブッシュ大統領は心なしか精彩を欠いた。 胡主席にとっては、すべての歯車が順調に回り始めた感があるのではないか。ま…