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2006.12.23 (土)

「 存在しなかった『南京大虐殺』を材料に いまだ日本非難を続ける中国の戦略 」

『週刊ダイヤモンド』     2006年12月23日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 671

 


12月2日、NPO法人の北朝鮮難民救援基金とカチン女性協会が、東京・東麻布の中国大使館前で抗議行動を行った。一つは、中国政府はこれまで、脱北者を逮捕しては北朝鮮に送り返してきたことに対してだ。送還された脱北者は収容所送りとなり、拷問され、命を落とす例も少なくない。

もう一つの訴えは、ミャンマーのカチン州の女性たちが中国人によって蹂躙されているというものだ。カチン族はミャンマー政府と対立関係にあり、ミャンマー政府と結託した中国商人らによってカチン族の女性たちが中国に売られ、杭州、湖南、南京、北京、長春など、中国全土に送られて売春などを強要されているという。

人権も人命も軽視し、無視する中国でありながら、彼らは巧みに「日本こそが悪徳国家だ」というメッセージを国際社会に発し続ける。12月10日付の「産経新聞」が報じていたが、1937年12月の南京陥落を追悼する記念行事「南京祭」を、華僑団体の世界抗日戦争史実維護連合会が、よりによってサンフランシスコのジャパンタウンで開催するそうだ。

行事は「南京大虐殺の犠牲者の追悼」であり、『ザ・レイプ・オブ・ナンキン』の著者であるアイリス・チャン氏をたたえる内容となっている。日本政府に対して、「国家としての犯罪」「犠牲者への補償」「客観的で正確な教科書の使用など、戦争の歴史を正しく伝えるための努力の義務づけ」を呼びかける予定だそうだ。

チャン氏の著書は、意図的としか言いようのない事実の歪曲と捏造に満ちている。「南京大虐殺」が存在しなかったことは、すでにいくつかの貴重な研究によって立証ずみだ。一例が、北村稔氏の『「南京事件」の探究』(文春新書)である。同書は日本語の文献には頼らず、中国語と英語、つまり非日本語の文献にのみ依拠して書かれた。日本人の主観を排して書かれた同書は、南京事件を中国人らの目から見た情報のみでまとめたわけだ。同書は、中国人による戦中の記録はすべて、「南京大虐殺」は存在しなかったと物語っていることを書いたものだ。

にもかかわらず、なぜ「南京大虐殺」を喧伝する追悼祭が日本人町で開催されるのか。「産経」によると、会場を提供する北加日本文化コミュニティセンター(JCCCNC)は、華僑団体が主催団体名を頭文字だけの略称で申請したのに対し、十分に審査せずに使用許可を出したからだという。

華僑団体と中国共産党政府は水面下でつながっている。一連の動きは、中国共産党の戦略なのだ。

歴史を振り返ると、日本が鎖国を解いて世界と交わり始め、清王朝と交流を始めたときから、彼らは日本に対して優越感と劣等感の入り交じった奇妙な政策を採ってきた。

優越感は華夷思想からくる。華夷思想は、自らのみが優れていて周囲は劣っていると考える、中国の伝統的な病いだ。他方、劣等感は、近代日本が中国のはるか先を行っていたという事実からくる。その近代日本におよそすべてを学んで、中国は今日に至る。現代中国語の語彙の大半が日本語から学んだ言葉だという事実がその一例である。

優越感と劣等感がない交ぜになった国ほど厄介なものはない。にもかかわらず、日本はこの厄介な国の屈折した心理に対してきわめて無防備だ。国際社会に対しても同様だ。たとえば、歴史問題で日本の立場を世界に説明し、誤解を解いてきたか、否である。

現代中国のすさまじい人権弾圧こそが人類への重大な挑戦であり、中国政府の行ないの一つひとつを具体的に論難しなければならないにもかかわらず、日本政府がそのような努力をした形跡はない。中国も世界も、日本と同じではない。批判されて弁明する受け身の外交でなく、情報力をつけ、果敢な外交で攻勢に出なければならない。

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トラックバック: 20件

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  3. 存在しなかった南京虐殺

    うまくTB出来るかどうかわかりませんので、以下のアドレスをお読みください。

    http://blog.yoshiko-sakurai.jp/2006/…

    トラックバック by 憲坊法師の徒然草 — 2006年12月27日  18:47

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    日刊ミヤガワ 1093号    2006.12.29
    「ガタガタ」

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    トラックバック by 日刊ミヤガワ — 2006年12月28日  23:38

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    【筆者記】
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    トラックバック by 訳わからん このシャバは — 2006年12月29日  11:18

  9. 南京大虐殺

    ジャーナリスト櫻井よしこさんのブログ記事
    に南京大虐殺は無かった
    とありましたので、検索してみました。

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    トラックバック by 猫城blog — 2006年12月31日  14:32

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