「引き延ばす弁護士、覇気のない検察、無関心な被告 私が『麻原オウム裁判』で実感した、これは『司法の自殺』だ 」
『SAPIO』 2001年3月14日号 司法改革が日本を変える 第9回 オウムに関する事件で松本智津夫被告の裁判は検察側の立証すらいまだに終わらない。このオウム裁判は、日本の司法が抱える問題点をそのまま表わしていると言えるだろう。 日本の裁判の特徴の一つが、時間がかかりすぎることです。事実審理を尽くして、公正な裁判を行なうことが重要なのは言うまでもありません。かといって、事件の本質とあ…
「 北朝鮮に援助を続け拉致問題を放置する日本政府の弱腰 」
『週刊ダイヤモンド』 2001年3月3日号 オピニオン縦横無尽 第386回 横田めぐみさんのご両親をはじめ、北朝鮮の拉致被害者の家族ら11人が2月25日から3月4日まで米国を訪問し、実情を訴える。 日本人の問題を米国世論および米国政府に訴えなければならないのは、日本政府に頼っていては、埒があかないからだ。めぐみさんの母親の横田早紀江さんが語った。 「めぐみが北朝鮮にいるらしいと判明してす…
ブッシュ政権はその誕生以来、
ブッシュ政権はその誕生以来、機会ある毎にクリントン前政権よりも日本重視の姿勢を打ち出しています。 できるだけ早い時期に日米首脳会談を行いたいというのもそのひとつです。ブッシュ大統領は、ブレア英国首相よりも前に日本の森首相と会うことを望んでいたといわれますが、都合がつかないためうしろにずらしたいと言ったのは森首相のほうでした。 すでに韓国大統領は会談をすませており、ブレア首相も23日に会談し…
「 羽田空港を国際化しアジアのハブに、日韓間にシャトル便を 」
『週刊ダイヤモンド』 2001年2月24日号 オピニオン縦横無尽 第385回 昨年暮れに日経BP社がインターネット上で羽田を国際便にも使用すべきか否かのアンケート調査をしたところ、95.6%が「すべき」と答えた。この調査結果は、私の実感でもある。 首都圏からのアクセスが便利になる、国内線との接続が容易になるという理由に加えて、羽田がアジアのハブ空港になるべきだと答えた人も右の調査では3割以上…
「 安全保障で自立しなければ沖縄ひいては日本の未来も暗い 」
『週刊ダイヤモンド』 2001年2月17日号 オピニオン縦横無尽 第384回 沖縄県では「基地に見合う振興策を」という考え方で、さまざまな企画が立案されてきた。普天間基地移転先の名護市を金融特区にして、日本のみならずアジアの金融センターに育て上げる構想をはじめ、沖縄県は政府の全面的な支援を得て、元気である。 同時に、普天間の米軍基地を名護に移転した場合、米軍の使用は15年に限定するとの立場…
「 『国益』とは何かを考えよう 」
『Voice』 2001年3月号 竹中平蔵・櫻井よしこ連載対談 目を覚ませ、日本人 第3回 アメリカが憲法改正を求めてくる日も近い 櫻井:ブッシュ氏がアメリカの新大統領に就任し、対日政策が変わるかどうかが注目されています。私は、アジア戦略の軸足の置き方において大きな方向転換が図られる可能性が強いのではないかと思っています。クリントン政権のときに中国に傾斜した姿勢を日本重視に戻し、日本に国家…
成人式の在り方に憤ってみたり
成人式の在り方に憤ってみたり、傍聴したオウム真理教麻原公判の裁判引きのばしの実態に憤ったりしているうちに、早くも2月です。 世の中のニュースを追っていると、よほど強靱な神経を持っていなければ自分自身が保てないと感じることがありますが、そんな日々に慰めを与えてくれるのが、庭先にやってくる小鳥たちです。 今年は例年にないほど、多くの目白が飛んで来てくれています。去年までこの狭いベランダを訪れた…
「 『鑑定人尋問制限』から『専門参審制』など 医療過誤裁判では改革どころか改悪に向かっている 」
『SAPIO』 2001年2月28日号 司法改革が日本を変える 第8回 医療事故の中でも、医療機関側にその責任がある場合を医療過誤と呼ぶ。1999年1月、横浜市立大学病院では心臓の患者と肺の患者を取り違え、手術後に気付くという信じられない事故が起き、刑事責任を問われた。続く2月、東京の広尾病院では看護婦に誤って消毒薬を点滴され、女性患者が死亡するという事故があり、病院側がその事実を隠していたこ…
「学ぶ力の基本『読み書き算盤』を見直し、真の教育改革を進めよ」
『週刊ダイヤモンド』 2001年2月10日号 オピニオン縦横無尽 第383回 人口7000人の小さな町、兵庫県の山あいの朝来町に山口小学校がある。児童数約300人の普通の公立小学校だ。私は、ここでの教育の取組みがきっと日本の教育の蘇りの手がかりになると考えている。 陰山英男先生らが山口小学校で実践していることは、一言でいえば「読み書き算盤」の徹底である。それは「基礎学力」の徹底であり、文部…
「 公人が私人にもどるとき 」
『GQ』 2001年3月号 COLUMN POLITICS 昨年11月に、ペルーのフジモリ大統領が辞任を発表し日本に滞在し始めてすでに3ヶ月目に入った。氏の滞在は、日本という国のあり方に、幾つかの大きな疑問を突きつけ続けている。 第一の疑問は、日本の亡命者や難民政策に対するものだ。恥ずかしいことに、日本はこれまで、亡命者も難民も原則として受け入れてこなかった。フジモリ前大統領の受け入れは、こ…