「 中間選挙が米国の新出発点となる 」
『週刊新潮』 2022年12月1日号 日本ルネッサンス 第1026回 米国の著名な政治学者、ウォルター・ラッセル・ミード氏が「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙でアメリカの展望について楽観的見通しを書いていた。氏はアメリカ合衆国の国歌から「ああ、星条旗はまだたなびいているか? 自由の地、勇者の故郷の上に!」の一節を引用して、アメリカの未来は大丈夫か、と自問した後、「中間選挙で米国の秩序(…
「 ウクライナ支援が日本の国益だ 」
『週刊新潮』 2022年11月24日 日本ルネッサンス 第1025回 11月9日、ロシア国防相のショイグ氏とスロヴィキン将軍が、ロシア軍はヘルソン州の州都から撤退すると発表した。ウクライナ南部のヘルソン州はロシアが侵攻開始以来、制圧した州の内、州都を制圧した唯一の例だった。 ロシア軍のヘルソン撤退は何を意味するのか。11月11日の「言論テレビ」でロシア軍の専門家、東京大学先端科学技術…
「 仏知識人の世界観と日本の国防戦略 」
『週刊新潮』 2022年11月17日号 日本ルネッサンス 第1024回 欧州の大国のひとつ、核を保有するフランスから歴史人口・家族人類学者、エマニュエル・トッド氏が来日した。シンクタンク「国家基本問題研究所」の15周年の会員の集いで、3時間半にわたって行ったセミナーは刺激に満ちていた。 旧ソ連の崩壊を、その15年も前に予測して世界的名声を得たトッド氏は、ロシアのウクライナ侵略戦争をと…
「 異常な人事が示す習氏のプーチン化 」
『週刊新潮』 2022年11月10日号 日本ルネッサンス 第1023回 10月22日に閉幕した中国共産党大会、その直後に開かれた中央委員会第1回総会(1中総会)で決定された人事は習近平国家主席が絶対的権力を確立したことを示していた。但し、一見堅固に思える習氏の権力基盤には、一枚皮をめくると権力の崩壊につながりかねない不穏な要素も少なくない。 大会冒頭の政治演説で注目を浴びたのは全分野…
「 力の結集を、今が拉致解決の好機だ 」
『週刊新潮』 2022年11月3日号 日本ルネッサンス 第1022回 毎年秋になると「家族会」「救う会」「拉致議連」は、北朝鮮に拉致された人々の奪還を誓う国民大集会を開催する。今年も東京・千代田区の砂防会館に全国から多くの人々が集った。小泉純一郎元首相の訪朝から20年、家族会が被害者の実名を公表し、救出運動を始めて25年、横田めぐみさんが拉致されて45年が過ぎた。13歳のめぐみさんは58歳…