「 拉致解決、安倍対北外交で団結せよ 」
『週刊新潮』 2018年10月4日号 日本ルネッサンス 第821回 インターネットで配信する「言論テレビ」を始めて6年になった。毎週金曜日の夜9時から、原則として1時間の番組を2本ずつ放送している。9月21日は6周年記念の2時間特別番組で拉致問題を取り上げた。 横田めぐみさんが13歳で拉致されて今年で41年、お母さんの早紀江さんが語った。 「1977年11月15日、朝、普段どお…
「 八百万の神という神道の宗教観は多様性重視に向かう国際社会の手本に 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年9月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1249 友人の伊藤穰一氏が慶應義塾大学から博士号を授与され、お祝いの会があった。氏の研究テーマを説明することは私の能力に余るが、お祝いの席での会話は刺激的で、私の頭の錆を少しずつ剥がしてくれた。 伊藤氏を友人達は皆、親しみをこめて「ジョイ」(Joi)と呼ぶ。彼はマサチューセッツ工科大学(MIT)…
「 山は動くか、日露平和条約への誘い 」
『週刊新潮』 2018年9月27日号 日本ルネッサンス 第820回 「年内に無条件で日露平和条約を締結しよう」 極東のウラジオストクで開催された東方経済フォーラムで、プーチン露大統領が安倍晋三首相に、突然、呼びかけた。これまで、日露間で幾度も話し合われたが、領土問題は少しも解決に近づかず、平和条約締結も前進しなかった。それがいま、今年中の平和条約締結をというのだ。その精神は1956年…
「 アリババ集団マー会長退任の背後に金持ち排除を進める習近平主席の影 」
『週刊ダイヤモンド』2018年9月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1248 中国電子商取引(EC)最大手、アリババ集団のジャック・マー会長が五四歳の誕生日、9月10日を期し会長職を退くと米「ニューヨーク・タイムズ」紙が報じた。 3日後、アリババ集団は、退任は今年ではなく、来年の9月10日だと発表した。マー氏が株主に宛てて公開した書簡には「大好きな教育分野に戻りたい。…
「 全道停電は原子力規制委の知的怠惰が原因 」
『週刊新潮』 2018年9月20日号 日本ルネッサンス 第819回 9月6日未明、北海道が最大震度7の地震に襲われた。9日現在で犠牲者は42人、1人が行方不明だ。 地震の被害をさらに広げたのが、わが国初のブラックアウトの発生だ。電力喪失でサーバーも工場のモーターも全て停止し、新千歳空港もJRも物流も止まった。モーターで汲み上げる水道も止まった。病院の生命維持装置、透析機器、保育器も動…
「 支離滅裂に映る細川元首相のインタビュー 闇雲な政権批判はメディアの真価にあらず 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年9月15日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1247 雑誌「選択」があらぬ方向に迷走中だ。巻頭インタビューは控え目に言って無意味である。明らかな誤報や歪曲報道も目立つ。 選択の誇りは日本の大戦略を示し、論ずることで言論界に重きをなすことだったのではないか。闇雲な政権批判が物言うメディアの真価だと考えているとしたら、無責任な野党並みだ。 …
「 報ステは福島の風評被害を煽るのか 」
『週刊新潮』 2018年9月13日号 日本ルネッサンス 第817回 8月30、31の二日間、福島第一原発(1F)から出るトリチウムを含んだ水の処分について、福島県富岡町などで公聴会が開かれた。地元在住で、NPO法人ハッピーロードネット理事長の西本由美子さんが心穏やかならずといった風情で語った。 「マスコミ報道は今回も表面的で事態の混乱を煽り立てるだけでした。地域の実情や地元の思いを知…
「 人権は軽視されるのか改善に向かうのか 目が離せない中国共産党内の権力闘争 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年9月8日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1246 「産経新聞」外信部次長の矢板明夫氏が、ノーベル平和賞受賞者で中国政府に弾圧され、昨年7月に事実上獄死した劉暁波氏について『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』(ビジネス社)で書いている。 文化大革命の最中、都会の「知識青年」たちは農民に学べと指示され農村に下放された。毛沢東に心…
「 「中国は世界一」の幻想を脱した二人 」
『週刊新潮』 2018年9月6日号 日本ルネッサンス 第816回 題名を見て思わず笑い、中身を読んで慄然とする。いま、盛んに日本に微笑み、「日中友好」を印象づける習近平国家主席の甘い罠に誘われ、前のめりになっている日本の政治家や経営者全員に読んでほしい警告の書が、『私たちは中国が世界で一番幸せな国だと思っていた』(石平、矢板明夫著、ビジネス社)である。 周知のように中国人だった石氏は…
「 沖縄基地問題を巡る壮大な矛盾の構図 『不都合な真実』の予見は説得力がある 」
『週刊ダイヤモンド』 2018年9月1日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1245 沖縄県が熱い政治の渦の中にある。翁長雄志知事の死去で、知事選挙が9月30日に繰り上がった。氏の後継者として小沢一郎氏の同志で、自由党幹事長の玉城デニー氏が出馬する可能性が濃厚だ。 自民・公明の候補者は普天間飛行場を擁する宜野湾市の前市長、佐喜眞淳氏である。宜野湾市議、沖縄県議を経て宜野湾市長…