「 「日本売り」が商社の仕事ではないぞ 」
『週刊新潮』 2022年5月5・12日合併号 日本ルネッサンス 第998回 プーチン露大統領のウクライナ侵略から2か月の4月24日、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官がウクライナの首都、キーウを訪れた。 「キーウでは通りを行き交う人々の姿を見た。キーウの戦いに勝利した証拠だ。キーウの主権を奪うというロシアの目的は失敗した」と、ブリンケン氏は述べた。オースティン氏は「ウクラ…
「 日本も参考に、英国の国防と核抑止力 」
『週刊新潮』 2022年4月28日号 日本ルネッサンス 第997回 ロシアがマリウポリに立てこもるウクライナ軍に時限付きの投降を呼びかけた。プーチン大統領の恫喝は米国にも発せられた。4月15日の報道によると、バイデン大統領あての外交文書で、ウクライナへの高性能兵器の供与は戦闘を激化させ、「予測不能な結果を招く」と警告した。それでもゼレンスキー大統領は屈せず、シュミハリ首相は「最後まで戦う」…
「 専守防衛を捨てても周回遅れの日本 」
『週刊新潮』 2022年4月21日号 日本ルネッサンス 第996回 プーチン露大統領の考え方は「MICE」で表現されるという。人を動かす力は金(money)、イデオロギー(ideology)、弾圧(coercion)、エゴ(ego)だと見るところが、KGB(ソ連国家保安委員会)のインテリジェンス・オフィサーの特徴だというのだ。 対ウクライナ侵略戦争はすでにひと月と3週間に及ぶ。戦費は…
シンポジウム登壇のお知らせ (2022年4月21日)
「日本国憲法のあり方を考えるシンポジウム4」 ネット視聴券発売中です! ご購入はこちらから アーカイブで5月11日午後11時までご覧いただけます。 日時:令和4(2022)年4月21日(木) 17:30~20:00 会場:よみうりホール(千代田区有楽町1-11-1) 内容・登壇者: 第一部 基調講演(40分) 櫻井よしこ 第二部 パネルディスカッション(95分) 安倍晋三元首相…
「 いま日本に必要な正しい政軍関係 」
『週刊新潮』 2022年4月14日号 日本ルネッサンス 第995回 有事に近くなればなるほど、政治と軍事の関係、政治家と軍人の関係が正常に保たれ十分な意思の疎通があることが大事になる。しかし、昭和20年の敗戦以降、日本は軍事に関するおよそ全てのことを忌み嫌うようになり、正常な政軍関係と言えるものも消え去ってしまった。 ロシアによるウクライナへの侵略戦争を見て、多くの人が日本の守りは大…
「 ウ軍大奮闘は国防精神と準備の成果 」
『週刊新潮』 2022年4月7日号 日本ルネッサンス 第994回 本稿執筆中の3月29日、トルコでウクライナとロシアの4回目の交渉が行われる。予断は許さないがゼレンスキー大統領側もロシア側も停戦合意に達する可能性について言及している。 他方、米国のバイデン大統領は、3日前の26日、訪問先のポーランドの首都ワルシャワでプーチン露大統領によるウクライナ侵略戦争は「長い戦いになる」と語った…
「 自民安保調査会、国民を裏切るな 」
『週刊新潮』 2022年3月31日号 日本ルネッサンス 第993回 自民党安全保障調査会(以下、安保調査会)は視野狭窄症か。小野寺五典元防衛相が会長を務める同調査会に、現実を踏まえた議論を期待するのは無理なのか。 3月16日、安保調査会は「有識者」3人を招いて「拡大抑止」や「核共有(ニュークリア・シェアリング)」について意見をきいた。 拡大抑止とは、日本が核攻撃を受けた場合、米…
「 命懸けの祖国防衛戦、その尊さを知れ 」
『週刊新潮』 2022年3月24日号 日本ルネッサンス 第992回 ウクライナを逃れた女性、子供、お年寄りは、3月15日時点で280万人に達した。夫や息子は祖国を守るために残る。妻は子供や年老いた両親を守るため、国外に避難する。涙の惜別の後、彼らが再び会える日がくるのか、誰にも分からない。 他方ウクライナ国内には4000万人以上が残っている。男性だけでなく、女性も子供もお年寄りもだ。…
「 岸田首相はウクライナ危機に学べ 」
『週刊新潮』 2022年3月17日号 日本ルネッサンス 第991回 プーチン露大統領はウクライナ侵略に関して「目的達成まで攻撃はやめない」と宣言した。「我々は核大国だ」と発言し、プーチン氏のロシアは核の使用も人道に対する罪も厭わないと世界に伝えた。冷戦終焉から約30年、私たちは核を持った狂気の独裁者の恫喝に直面している。 ウクライナ問題は常に日本にひきつけて考えることが大事だ。日・ウ…
「 軟弱国家、独が目覚めた日本も続け 」
『週刊新潮』 2022年3月10日号 日本ルネッサンス 第990回 危機は突然、予想を超えて押し寄せる。力のみを信奉する国に話し合いや友誼などは意味をなさない。剥き出しの力だけが物を言う。 プーチン露大統領は軍事大国としての力を頼りにウクライナの属国化を目指して攻めた。「我々は核大国だ」と発言し、核使用も厭わない構えで恫喝した。全面侵攻開始は2月24日。2、3日で制圧されると見られて…