「 歴史は必ず安倍氏を高く評価する 」
『週刊新潮』 2022年8月4日号 日本ルネッサンス 第1010回 凶弾に斃れた安倍晋三元総理の国葬儀決定について「よかった」とする人が50.1%、「よくなかった」が46.9%となり拮抗したそうだ(産経新聞とFNNの合同世論調査)。 安倍氏への故なき非難を続ける「朝日新聞」や「毎日新聞」でなく、産経系列の調査によるこの結果に、私は「そうか……」と思い、「岸信介氏と同じだなあ」と感じた…
「 私が見た人間『安倍晋三』の飾らない素顔 」
『週刊新潮』 2022年7月28日 日本ルネッサンス 拡大版 第1009回 「憂国の政治家」として論陣を張る一方、会えばその人柄に魅了される人も多かったという。「座談の名手」とも称された安倍元総理と親交が深かったジャーナリストの櫻井よしこさんが、訃報に際して思い起こされる数々の交流秘話を、本誌読者のために綴ってくれた。 凶弾に斃れた安倍晋三元総理は感情豊かな人だった。怒るときには本当…
「 追悼安倍晋三元首相 世界に晒された日本の平和ボケ 改憲に命を懸けた『憂国の宰相』の遺志を継げ 」
『週刊新潮』 2022年7月21日号 日本ルネッサンス 拡大版 第1008回 本誌連載「日本ルネッサンス」の特別対談で、最も多くご登場いただいた政治家こそが、安倍元首相その人だった。志をひとつにしながら実は“緊張関係”にあったという二人。憂国の熱弁を揮った宰相の素顔を、ジャーナリスト・櫻井よしこさんの緊急寄稿で振り返る。 安倍晋三元首相が暗殺された。暗殺犯よ、なぜ殺したのだ。現場にい…
「 印露大接近で変わる世界の秩序 」
『週刊新潮』 2022年7月14日 日本ルネッサンス 第1007回 石油、天然ガスの供給を軸に国際関係に大変化が生じ、世界はパワーバランス再構築の時代に突入した。 中国がウクライナ侵略戦争の中で親ロシア路線を選んだのはすでに世界的な認識だ。しかし、私たちはユーラシア大陸のもうひとつの大国、インドにも注目しなければならない。中国は親ロシアの立ち位置に一ミリも揺るぎを見せない一方、なるべ…
「 めぐみさんは生きている 」
『週刊新潮』 2022年7月7日号 日本ルネッサンス 第1006回 横田めぐみさんは生きている。 6月27日、「世界日報」一面トップの特ダネ、「全員が平壌市内に居住」の記事が伝えた最重要のポイントだ。北朝鮮工作機関「偵察総局」の元幹部、金グクソン氏が日本人拉致被害者について初めて語ったその核心である。 小泉純一郎首相の訪朝時、北朝鮮側は横田めぐみさんや有本恵子さんら8人は全員死…
「 単独親権維持で法務省リークか 」
『週刊新潮』 2022年6月30日号 日本ルネッサンス 第1005回 「毎日新聞」6月20日朝刊1面トップの記事はどう読んでもおかしい。特ダネ扱いの同記事は、事案についての全体像を欠くために状況が歪曲されている。なぜこんな記事が生まれるのか。考えられる理由は大別して二つ、➀リークされた情報を鵜呑みにした、➁確信犯的に報道した。 ➀の場合、この記者は自身が報じた事案の問題点を把握して…
「 世界激変、経済安全保障が新ルールだ 」
『週刊新潮』 2022年6月23日号 日本ルネッサンス 第1004回 米国切っての中国問題専門家、マイケル・ピルズベリー氏が著書『China2049』(日経BP)で、自分は中国に騙されていたと悔やんだ。氏自身も、氏を重用した米国政府もいまや中国心酔の熱からさめ、現実に目醒めた。彼らは矢継ぎ早に対策を打ち出した。軍事力増強は無論、貿易、技術移転等の制限で中国を締めつける枠組みを強力に推進中だ…
「 法制審の暴走で家族がバラバラに 」
『週刊新潮』 2022年6月16日号 日本ルネッサンス 第1003回 男性は30代の若さで自ら命を絶った。妻が3人の子供を連れて家を出てから、1年と半月後のことだった。 当時小学生だった長男は父親の棺に「大好きなパパへ」と書いた手紙を入れた。横書きのカードに、幼い字で問うている。 「パパ大好き。でもなぜ死んだの?」 父の死を信じられず、こう言っている。「じさつなんてなんか…
「 ウ戦争の陰で南太平洋を狙う中国 」
『週刊新潮』 2022年6月9日号 日本ルネッサンス 第1002回 これが中国のやり方だ。国際社会の力関係に隙間が生ずればサッと入り込む。勢力拡張のチャンスを狙い続ける。しかし強引な手法がいつもうまく機能するとは限らない。 王毅国務委員兼外相の南太平洋諸国歴訪を見ての感想である。「似た者同士」のプーチン露大統領と習近平国家主席は「無限の友情」を誓い合ったものの、プーチン氏のウクライナ…
「 日本がより大きな責任を担う時 」
『週刊新潮』 2022年6月2日号 日本ルネッサンス 第1001回 バイデン米大統領の韓国及び日本訪問の最大の意味は、中国の脅威に断固対処するとの米国の国家意志を明確にしたことだろう。ロシアの侵略戦争と中国の脅威への両睨みの中で、バイデン氏は台湾有事の際、軍事介入するかと問われ、「イエス。それが我々の誓約だ」と言い切った。 右の発言は5月23日午後、岸田文雄首相と共に開いた記者会見で…