「チベット問題、首相は強く抗議せよ」
『週刊新潮』’08年4月10日号 日本ルネッサンス第308回 福田康夫首相は3月29日、チベットへの弾圧を続ける中国政府に関して、「声高に批判したり、いまから北京オリンピックと関連付けることは、今の段階で適当かどうかよく考えないといけない」「関係者間で冷静に解決してほしい」と述べた(『産経新聞』3月30日付)。 チベット問題の実態を弁えない首相が、一方的に中国政府側に偏った立場に立っているのは…
「 福田外交で損われる日本の国益 」
『週刊新潮』'08年1月17日号 日本ルネッサンス 第296回 福田康夫首相の外交から、その父、赳夫元首相の外交を連想する。 両氏とも中国への親愛の情が先に立ち、情に流され、日本の国益を守り得ていない。国家観と、国際情勢の全体を見渡す視点を欠いているため、的外れの外交となっている。 元首相はどの国とも仲よくつき合う全方位外交を主張した。外交には、しかし、相手がある。元首相が願った〝仲よし…
「 日本の首相が米国から冷遇される理由は国益なき“中国シフト”外交にある 」
『週刊ダイヤモンド』 2008年1月12日新春号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 722 2007年の暮れ、韓国大統領選挙で李明博氏が圧倒的な勝利を収めた。保守派というより、現実を正確に読み取ることのできるマキャベリストである。盧武鉉大統領の下で左傾化し北朝鮮に併呑される危険性さえあった韓国は、李新大統領の下で政治的、外交的再生を果たすことができるだろう。 氏は12月19日の…
「 同盟国米国の軽視と中国偏重 福田外交で陥る危険な罠 」
『週刊ダイヤモンド』 2008年12月29日・1月5日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 721 福田康夫首相が12月27日から30日まで、4日間にわたって中国を訪問する。11月16日の訪米は、わずか26時間の滞在だった。中国に偏重するかのような日本外交は、はたして持つのだろうか。 日本外交の危うさは、じつは安倍晋三政権時からうかがえた。安倍前首相は、政権発足直後に中国を訪…