「 対米劣勢の中、EU分断を進める中国 」
『週刊新潮』 2019年4月4日号 日本ルネッサンス 第846回 米中の戦いが熾烈さを増している。 中国の習近平国家主席は米中貿易戦争で追い詰められている最中の3月21日、イタリア、モナコ、フランス3か国の歴訪に出た。 22、23の両日、習氏は「一帯一路推進」の旗を掲げて最初の訪問国イタリアを訪れた。中国の狙いは欧州連合(EU)の分断である。その先で、米国の世界戦略を支える柱の…
「 日本の国益に重なる台湾総統選挙 親日派の若き政治家は健闘できるか 」
『週刊ダイヤモンド』 2019年3月30日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1273 台湾が中国の支配下に入るかどうかは、インド・太平洋の地政学を揺るがすほどの影響を及ぼす。 わが国に物資を運ぶ大型船やタンカーが台湾海峡を通過できるのはそれが公海だからだ。台湾が中国に領有されれば、同海峡は中国の内海となる。日本の瀬戸内海のようなものだ。日本の船は通りにくくなるだろう。いわ…
「 深まる危機、中国による台湾統一 」
『週刊新潮』 2019年3月28日号 日本ルネッサンス 第845回 台湾が危ない。このままの状況が続けば、来年1月の総統選挙で蔡英文総統の与党民進党が敗北し、国民党が政権を奪還し、台湾は事実上、中国勢力に席巻される。 3月初めに金門島を取材したノンフィクション作家の門田隆将氏は、インターネット配信の「言論テレビ」で台湾を応援することが日本の国益だと強調したが同感だ。 「国民党イ…
「 キラキラネームが示す『親の変質』 家庭の立て直しこそが最重要課題だ 」
週刊『ダイヤモンド』2019年3月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽1272 3月13日付の「産経新聞」に「18歳改名」という記事があった。山梨県の高校3年生の赤池さんが、卒業を前に、親がつけた「王子様」から「肇」への改名を希望し甲府家庭裁判所に認められたのだ。 赤池さんは、「極めて個性的なキラキラネーム」について、「本人が嫌なら行動できる。勇気を持ってほしい」と語っ…
「 中国全人代、李克強演説の欺瞞 」
『週刊新潮』 2019年3月21日号 日本ルネッサンス 第844回 3月5日、北京で全国人民代表大会(全人代)が開幕し、李克強首相が政府活動報告を行った。米中貿易戦争の最中に行われた演説で、中国は軍事面で強気の姿勢を打ち出した。国防予算の伸びを、経済成長の目標値よりも高い7.5%、約20兆円とした。日本の防衛費の4倍規模だ。 経済成長では、6~6.5%と低めの目標値を掲げながらも、す…
「 前向きな報じ方が多かった韓国大統領演説 私の印象はむしろ底意地の悪い日本非難だ 」
『週刊ダイヤモンド』 2019年3月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1271 文在寅韓国大統領の「3・1運動記念式」での演説を前向きに報じたメディアが多かった。 「時事通信」は「日本批判を控えた」とし、「毎日新聞」は「文大統領『協力の未来』強調、対日批判避ける」の見出しで「直接の対日批判を控え、『朝鮮半島の平和のため、日本との協力も強化する』と日韓協調を呼びかける内…
「 米朝決裂、追い詰められた金正恩 」
『週刊新潮』 2019年3月14日号 日本ルネッサンス 第843回 2月28日、ベトナムの首都ハノイで米朝首脳会談が決裂した。北朝鮮の大いなる誤算による決裂を、わが国の拉致問題解決の糸口にするには何をすべきか。首脳会談初日から2日目朝まで、うまくいっていた会談が突然決裂したのは何故か。 3月1日夜、私は「言論テレビ」特別番組で、前防衛大臣で自民党安全保障調査会会長の小野寺五典氏、朝鮮…
「 韓国の現政権は事実上の敵対勢力 日本はあらゆる面から備えるべきだ 」
『週刊ダイヤモンド』 2019年3月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1270 韓国大統領の文在寅氏が、1919(大正8)年3月1日に起きた反日独立の「3・1運動」の100周年記念日を前に、2月26日、独立運動の活動家、金九の記念館で閣議を開いた。戦時を除き、政府庁舎以外での閣議開催は初めてだ。 文氏は、「国家的な意味を込め」た同閣議に先立ち、金九の墓をはじめ、日本の…