「 理想と現実の狭間の教育基本法 」
『週刊新潮』 '06年5月25日号 日本ルネッサンス 第215回 憲法改正とともに教育基本法の改正が焦眉の急である。過日与党の改正案が出され、かねて注目されていた愛国心について、そこには「我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊敬し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」と書かれていた。「愛国心を養う」と書けず、「愛する態度を養う」と表現したのは、自民、公明両党の連立から生ずる苦渋の折…
「 東京裁判史観を根底から覆す新事実を書物から得た米国 日本は『馬の耳に念仏』か? 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年5月20日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 641 馬の耳に念仏。日本国の幾人かの政治家や政党を観察していて感ずるのが、失礼ながら、この言葉である。現在の日本にとって最も大きな課題の一つは、日本攻勢を強め続ける中国との関係について、日本の主張を広くわかりやすく、国際社会に伝えていくことだ。 そのときに必要なのが、歴史の知識である。…
「 歯止めはどうする、共謀罪 」
『週刊新潮』 '06年5月18日号 日本ルネッサンス 第214回 この国の安全について考えるとき、いつも疑問に思うことがある。なぜ、オウム真理教による一連の事件を、なぜ、北朝鮮による一連の拉致事件を、防ぐことが出来なかったのかという疑問である。 オウム真理教の犯罪については警察当局への情報提供は幾件もあった。拉致事件については1977年9月19日に石川県能都町(現・能登町)宇出津(う…
[特別レポート] 「 中国が日本に『軍事侵攻』する日 」
『週刊新潮』 '06年5月4・11日号 日本ルネッサンス 拡大版 第213回 戦争は、力が均衡しているときに起き易く、力が大きく離れているときには起きにくい。また、戦いに勝つには1対3の法則、つまり、相手方の3倍の戦力が必要だといわれる。 こうしたことを否応なく考えなければならないのは、中国の国家戦略が一貫して軍事力を基本に組み立てられているからだ。1949年の中華人民共和国の建国以…
「 米中首脳会談を前に態度を様変わりさせた中国の思惑 日本側の資源は必ず奪われる 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年4月29日・5月6日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 639 東シナ海の天然ガス田開発に関して、中国政府が、日中中間線を越えた日本の排他的経済水域(EEZ)に、船舶の航行および立ち入り禁止海域を設け、中国海事局のホームページに掲載したのは3月1日だった。これを日本の海上保安庁が知ったのが同月下旬、官邸に情報が届いたのは4月14日だっ…