「 私たちはなぜ「国基研」を作ったか 」
『週刊新潮』'08年1 月31日号 日本ルネッサンス 第298回 昨年12月、志を同じくする人々とともに、私は国家基本問題研究所(国基研)を設立した。英語名をJapan Institute for National Fundamentals(JINF)という。純民間で、いかなる組織にも縛られない完全に独立した政策研究所である。 これはずっと長い間の私の夢だった。戦後日本の、国家とはいえない在り…
株式市場の停滞が雄弁に告げる福田政権における政治決断能力の欠如
『週刊ダイヤモンド』 2008年1月26日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 724 優れた企業と人材を多く擁し実力のあるはずの日本が、株式市場でひとり負けしている。昨年1年間で株価を下げた国は五ヵ国あり、日本は世界で2番目に大幅に株価を下げた国だった。 なぜこうなるのか。その問いと、薬害肝炎問題で患者側が「120%の出来栄え」と評価するほどの解決策を提示し、和解にこぎ着けたにも…
「 中国が喜んだ台湾立法委員選挙 」
『週刊新潮』'08年1 月24日号 日本ルネッサンス 第297回 1月12日の台湾立法委員(国会議員)選挙はおよそすべての予測を超える野党国民党の大勝利だった。人口の85%を台湾人(本省人)が占める台湾で、台湾人の政党である民進党が結党以来の大惨敗を喫したのだ。 勝利した国民党は、定数113議席の3分の2を上回る81議席を獲得、27議席にとどまった民進党を圧倒した。国民党は総統を罷免することが出…
「 町議の合意で議員報酬を日当制に 真の自治確立を目指す矢祭町の心意気 」
『週刊ダイヤモンド』 2008年1月19日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 723 「これが矢祭町の議員の心意気です。この自治の精神が他の自治体を刺激し、広がっていってほしいものです」 福島県最南端に位置する人口7,000人弱の矢祭町が、昨年12月28日、議員報酬を現行の月額制から日当制に変更すると決定したことを、前町長の根本良一氏はこう語った。 「月額20万8,000円の報酬から…
「 福田外交で損われる日本の国益 」
『週刊新潮』'08年1月17日号 日本ルネッサンス 第296回 福田康夫首相の外交から、その父、赳夫元首相の外交を連想する。 両氏とも中国への親愛の情が先に立ち、情に流され、日本の国益を守り得ていない。国家観と、国際情勢の全体を見渡す視点を欠いているため、的外れの外交となっている。 元首相はどの国とも仲よくつき合う全方位外交を主張した。外交には、しかし、相手がある。元首相が願った〝仲よし…
「 日本の首相が米国から冷遇される理由は国益なき“中国シフト”外交にある 」
『週刊ダイヤモンド』 2008年1月12日新春号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 722 2007年の暮れ、韓国大統領選挙で李明博氏が圧倒的な勝利を収めた。保守派というより、現実を正確に読み取ることのできるマキャベリストである。盧武鉉大統領の下で左傾化し北朝鮮に併呑される危険性さえあった韓国は、李新大統領の下で政治的、外交的再生を果たすことができるだろう。 氏は12月19日の…
「 『小泉・安倍・福田』3内閣を斬る! 」
『週刊新潮』'08年1 月3日・10日号 [拡大版]日本ルネッサンス 第295回 【新春対談】 櫻井 よしこ vs 高杉 良 櫻井 高杉さんの新著『亡国から再生へ』を拝読して、藤原正彦さんが゛日本は教養主義、教養大国にならなきゃいけない″と書いておられたのを思い出しました。高杉さんも、本質は同じことをおっしゃっている。日本人の美徳、或る意味、比類のない長所が、教養を中心としてみんななくなってしまっ…