「 いま必要な自衛隊派遣の準備 」
『週刊新潮』 2003年9月4日号 日本ルネッサンス 第82回 バグダッドの国連事務所がテロ攻撃されたことで、日本はイラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊の派遣を先延ばしすることにした。「たとえ非戦闘地域でも自衛隊が標的にされない保証は全くなくなった」ためと説明された。だが、二つの理由で、今こそ、自衛隊派遣の準備を進めるべきだ。 第一は、イスラム原理主義が何であるかを理解すれば、民主主義とテ…
「 まるで二一世紀の関東軍か 住基ネットが露呈した地方自治体切り捨て思想 」
『 週刊ダイヤモンド 』 2003年8月30日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 507回 総務大臣の片山虎之助氏や自治行政局市町村課長の井上源三氏らを見ていると、かつての関東軍のメンタリティもこんなものだったのではないかと考えてしまう。住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)に関する限り、彼らの政策推進のやり方には、あからさまな地方自治体切り捨ての思想がある。 去る8月5日に、私もそ…
「 福田官房長官の『拉致被害者家族の帰国は緊急課題』発言に匂う政権維持の企み 」
『週刊ダイヤモンド』 2003年8月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 506回 外交には秘密がつきまとう。とりわけ北朝鮮外交には闇の部分が目立つ。 8月4日の福田康夫官房長官の記者会見は、意味深長である。NGOのレインボーブリッヂ事務局長の小坂浩彰氏が持ち帰った拉致被害者らの子どもたちの写真と手紙について、こう述べた。 「政府は5人の家族の帰国を緊急課題と考えている」 同長…
「 コンプライアンス本部が本来の機能を果たすなら徹底調査の矛先は藤井総裁 」
『 週刊ダイヤモンド 』 2003年8月9日16日合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 505回 日本道路公団が、異常事態に陥っている。7月25日付で公団の広報・サービス室から報道機関に、公団のコンプライアンス本部による「財務諸表に関する雑誌記事に対する対応について」という意見具申が配布された。 「コンプライアンス」は、最近とみに聞くようになった言葉だ。もともと法律や規則を遵守する…