「 憲法改正のために自公枢軸体制を見直せ 」
『週刊新潮』 2019年8月1日号 日本ルネッサンス 第862回 日本周辺のあちこちに国際政治上の重要事態が発生し、日本はその危機のひとつひとつに対処することが求められている。脅威はヒタヒタと押し寄せている。にも拘わらず、7月21日の参議院議員選挙は、なんと緊張感を欠いていたことか。 北朝鮮の核・ミサイル問題、隙あらばと中国が狙う尖閣諸島と台湾、わが国の石油タンカーも攻撃されたホルム…
「 脅威に囲まれる日本、いま安保を考えよ 」
『週刊新潮』 2019年7月25日号 日本ルネッサンス 第861回 7月1日、経済産業省が「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」を発表した。韓国向けのフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の輸出審査の厳格化が内容だ。 これらの戦略物資は、これまで韓国をホワイト国、即ち、貿易管理の体制が整った信頼できる国であると見做して3年間申請不要で許可していた。だが後述するように韓国はもは…
「 選挙を前に激化する、朝日の安倍批判 」
『週刊新潮』 2019年7月18日号 日本ルネッサンス 第860回 7月4日、参議院議員選挙が公示され、世の中は選挙一色だ。その中で「朝日新聞」の反安倍報道が際立っている。7日の1面に政治部次長、松田京平氏の署名入りの記事が載った。「『嘲笑する政治』続けるのか」と題して安倍晋三首相を次のように批判した。 「(安倍晋三首相は)民主党政権の失敗と比較して野党を揶揄、こき下ろす。身内で固ま…
「 新潟選挙区、野党統一候補のおかしさ 」
『週刊新潮』 2019年7月4日号 日本ルネッサンス 第858回 「アリさん、早くこっちによけないと、ひかれちゃうよ!」 幼い少女は、列になって道路を這っている蟻の群れが車に轢かれてしまうと心配して、一所懸命、群れを道路の端に誘導しようとした。少女は横田めぐみさんである。早紀江さんが当時を懐かしみながら語った。 「幼い頃のめぐみはいつもこんなふうでした。生きものは何でも大好きで…
「 日本の歴史をどれだけ深く学ぶかによって近未来を切り開く道が自ずと明らかになる 」
『週刊ダイヤモンド』 2019年6月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 最終回 安岡正篤氏は首相まで務めた宮沢喜一氏を「ヨコの学問はできてもタテの学問がなっていない」と評した。安岡氏は、真の教養ある日本人は欧米の事情のみならず日本の文化文明、歴史を修めなければならないと言っているのである。 その意味で近年読んだ本の中でとりわけ重要だと感ずるのが白鳥庫吉博士の書いた日本…
「 香港で想定外の大デモ、習近平の窮地 」
『週刊新潮』 2019年6月27日号 日本ルネッサンス 第857回 習近平国家主席の大誤算といってよいであろうが、それも含めて自業自得ではないか。 香港で「逃亡犯条例」改正への反対の声はおさまらないどころか、国際社会が一斉に、香港政府と、背後で実権を握っている北京政府への非難の声を強めている。 逃亡犯条例改正への反対デモは、6月9日の日曜日には主催者発表で103万人、16日には…
「 香港の強権支配を徹底しつつある中国 日本こそ脅威を認識しなければならない 」
『週刊ダイヤモンド』 2019年6月22日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1284 6月9日、香港の街々を100万人を超える人々が埋めつくした。1997年に香港が中国に返還されて以来、最大規模のデモだった。香港住民の約7分の1が参加したデモの必死の訴えは、しかし、中国の習近平国家主席にも中国共産党にも届かないだろう。 香港の人々が求めているのは「逃亡犯条例」改正案の…