「 米国は貫徹できるか、厳しい対中政策 」
『週刊新潮』 2019年2月14日号 日本ルネッサンス 第839回 2日間にわたる米中閣僚級貿易協議が終わった1月31日、トランプ米大統領は中国代表団を率いる劉鶴副首相と会談した。トランプ氏は、「極めて大きな進展があった」とし、中国が米国の大豆500万トンの輸入を約束したことについて「アメリカの農家がとても喜ぶだろう」と上機嫌で語った。 中国による大量のオピオイド系鎮静剤、フェンタニ…
「 脆くも崩れ去りかねない日露外交 河井発言は軽率のそしりを免れない 」
『週刊ダイヤモンド』 2019年2月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1266 この一言で元々脆い日露交渉が積木崩しのようになっていくかもしれない。そう感じたのが自民党総裁外交特別補佐、河井克行氏の発言だ。 氏は1月8日、米ワシントンの政策研究機関で「中国に対抗するため」日露平和条約が必要で、同条約締結に米国の理解を求める旨、語ったという。 安倍晋三首相は、米国…
「 月を独り占め、中国が始める宇宙戦争 」
『週刊新潮』 2019年2月7日号 日本ルネッサンス 第838回 都会の真ん中に住んでいても美しい月に見とれる夜がある。38万キロ離れた地球から眺める月は、欠けていても満ちていても冴え冴えと美しい。満月のとき、目を細めてじっと見れば、平凡な言い方だが、そこには明らかにうさぎがいる。 いまその月面で人工物がひとつ走り回っている。中国の探査車「玉兎」である。 1月3日、中国の月探査…
「 対露外交は希望的観測を持つことなく厳しい要素を過小評価しないのが大事だ 」
『週刊ダイヤモンド』 2019年2月2日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1265 「心配が現実になった」と感じた日露首脳会談だった。1月22日、日本時間の夜8時45分から小1時間遅れで始まった日露首脳会談は、約3時間続いた。 その後、安倍晋三首相とウラジーミル・プーチン大統領の共同記者会見が行われたが、中継画像で両首脳が会見場に入った姿と表情から不首尾は瞬時に見てとれた…
「 原発輸出を助け、技術を継承せよ 」
『週刊新潮』 2019年1月31日号 日本ルネッサンス 第837回 日本国の土台のあちこちが液状化し始めているのではないか。危惧すべきことの筆頭が中央省庁の官僚の劣化である。 厚生労働省の勤労統計調査が15年間も不適切に集計されていた。同統計は月例経済報告など政府の経済分析に関わる基幹統計で、雇用保険の失業給付もこれを基に算定される。それが2004(平成16)年以降ごまかされていたと…













