「 冷静、果敢に取り組め尖閣の危機 」
『週刊新潮』 2013年2月21日号 日本ルネッサンス 第546回 尖閣諸島の海と空で中国の軍事的挑発が続く。私たちは中国の挑発にどう対処すべきだろうか。 まず尖閣諸島の領有権を巡る中国の挑戦は決着がつくまで続くと認識しておくことだ。中国が付け入る隙のないところまで完全に日本の領有権を確立してみせるか、中国が日本を排除して領土を奪い取るか、そのどちらかになるまで彼らは挑み続けてく…
「 激化する中国の挑発に対し日本は何をなすべきか 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年2月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 973 尖閣諸島の海と空が尋常ならざる緊迫の中にある。 中国は昨年9月以来、尖閣諸島の真北80海里(約150キロメートル)の海にフリゲート艦2隻を常駐させてきた。この2隻の軍艦と、度々尖閣諸島周辺の領海を侵犯する国家海洋局所属の海洋監視船「海監」などは、これまでバラバラに動いていた。それが1…
「 中国で進む民主化運動の現状 」
『週刊新潮』 2013年2月7日号 日本ルネッサンス 第544回 1月21日、中国の民主化運動のリーダーの1人で、北京電影学院元教授の崔衛平氏をシンクタンク「国家基本問題研究所」(国基研)に迎えた。50代後半の彼女は、政治体制の改革を求めた「08憲章」発表時の署名者303人の1人で、09年3月、プラハで開催された「“人と人”人権賞」の授賞式に劉暁波(リュウ・ギョウハ)氏と「08憲章」…
「 自国を自力で守る姿勢を鮮明にし アジア諸国と連携を強化する首相 」
『週刊ダイヤモンド』 2013年1月26日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 970 「中国人民解放軍を平時において積極的に活用する」「軍事闘争への備えを優先する」 これが習近平・中国共産党総書記が繰り返し強調する考え方であり、後述する中国の尖閣諸島問題に関連する対日強硬政策の主因でもある。 習氏は前任者の胡錦濤、江沢民両氏と異なり、まもなく党中央軍事委員会主席のポ…
「 『南方週末』事件、習近平体制の揺らぎ 」
『週刊新潮』 2013年1月24日号 日本ルネッサンス 第542回 中国広東省で起きた週刊紙『南方週末』の1月3日号社説が同省共産党宣伝部によって差し替えられた事件は、発覚以来約2週間が過ぎてもくすぶり続けている。 当局の圧力に対して編集部がストライキを打とうとする中、10日号の発行に漕ぎつけたことで一応の収束が図られたといえるが、問題がおさまったわけではない。まず事の顛末を振り返っ…
「 いまこそ直視せよ、人民解放軍の光と影 」
『週刊新潮』 2012年10月25日号 日本ルネッサンス 第531回 10月14日、海上自衛隊の観艦式で野田佳彦首相が行った訓示には勢いがある。首相は「海洋国家・日本の『礎』である海。我が国最大のフロンティアである海。我が国の海を守るという諸君の職責は日本人の存在の基盤そのものを守ることに他なりません」と語り、「我が国をめぐる安全保障環境はかつてなく厳しさを増している」と強調、海自…
「 尖閣の危機、防衛予算を大幅増額せよ 」
『週刊新潮』 2012年10月18日号 日本ルネッサンス 第530回 野田佳彦首相は尖閣諸島の「平穏かつ安定的な維持管理を継続する」ために国有化に踏み切った。それから約ひと月、目的はどれだけ達成されたか。状況はむしろ後退し、9月11日の国有化以降、中国公船の領海侵犯が日常化しつつある。 まず、9月14日朝には中国国家海洋局所属の海洋監視船「海監」6隻が領海に侵入、午後1時20分頃まで…
「 中国問題を乗り越えるための米韓豪印、東南アジア諸国との連携 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年10月6日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 955 9月25日、40隻の台湾漁船団が8隻の巡視船に守られながら尖閣諸島の日本の領海を侵犯した。日本政府の手抜かりが招いた結果であり、ここから先の日本政府の対策が問われている。 漁船団に尖閣行きの資金、500万台湾元(約1,350万円)を提供したのは旺旺グループの蔡衍明会長だが、彼は江沢民…
「 問題を妥協で収めることは日本の敗北の一歩となる 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年9月29日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 954 尖閣諸島問題で、中国政府は反日デモを抑制しており、それ故に日本政府が尖閣防衛で積極的に動かず、「冷静に対処」するのが正しい道だという政府や多くのメディアの主張や説明は根本から間違っている。 胡錦濤国家主席も、習近平副主席もいま全力を挙げて、尖閣諸島を中国領として確定する道筋をつけている。漁船…
「 中国の不安定化が増す中 尖閣防衛体制の確立は急務 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年9月22日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 953 9月11日、日本政府が尖閣諸島を国有化すると、中国共産党機関紙「人民日報」をはじめ中国メディアはいっせいに反日デモの写真を一面トップで報じた。中国人民解放軍(PLA)陸海空軍は黄海の無人島で上陸訓練を実施、中国中央テレビが映像を報じ続けている。軍機関紙「解放軍報」は、中国は半歩たりとも引か…