「 ウナギ汚染や異物混入は氷山の一角 中国の食品汚染はもはや国際的犯罪だ 」
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中国産のウナギが殺菌剤のマラカイトグリーンに汚染されていたことが判明、消費者のウナギ離れが続いている。一方、中国政府は安全性に問題ありとされた41社の輸出を禁止。日本向け輸出にかかわっていたのは11社だ。
しかし、これで中国産食品の安全が担保されるわけでは全くない。これは氷山の一角にすぎず、中国産の食品の実態は、その幾層倍もすさまじい汚染にまみれている。中国は国際社会に向けて建前だけは整える。憲法で国家に対して公害防止と自然保護を義務づけ、1979年には日本よりもずっと進んだ環境保護法をつくった。法整備は世界第一級だが、その美しい憲法と法律の下で、環境汚染と食品汚染が恐ろしい速度で広がってきた。
中国事情に詳しいジャーナリストの富坂聰氏が語る。「まず中国人は、日本人が想像だにしないことをする人たちだということを頭に入れておくべきです。そうしなければすさまじい汚染の実態は理解出来ず、したがって自分の身を守ることも出来ません」。
たとえ“やらせ”報道だとしても、肉に水でふやかした段ボールを混ぜて増量する発想は、日本人には絶対ないが、中国人はそうしたことを考えつく。
食糧自給率が40%と低く、輸入食品に頼る日本は、中国産食品への依存は非常に高い。統計上、中国依存度が低い食品でも問題はあると、食品問題評論家の垣田達哉氏は指摘する。
「一例が長ネギです。多くの中国産には農薬が多用されています。当然、残留している可能性も高い。しかし、それが国内産として偽装されている場合もあります」
拉致問題に関して北朝鮮に制裁を科すことになり、かつて政府は北朝鮮産のアサリを調べた。ところが、日本の市場に北朝鮮産アサリがほとんど“存在しない”という驚きの結果が判明した。産地が偽装されていたのだ。
同様のことが、中国産品にも行なわれている危険性は否定出来ないと、垣田氏は言うのだ。
あまりに危険な中国産品に対抗し、米国の食品医薬品局(FDA)は6月下旬、中国産ウナギ、エビなど養殖魚介類の輸入を差し止めた。中国は反発したが、国民の健康と生命を守るにはFDAの厳しさこそ必要だ。
「米国の懸念は、養殖魚介類への抗生物質や成長ホルモンの使用です。抗生物質の多用はMRSAなどの耐性菌をつくり出し、病気になったときの治療が難しくなります。成長ホルモンの使用は、人間の体内で、予測を超える変化を起こしてしまいます」と富坂氏。
氏は、中国でこれらが多量に使用されているのは間違いなく、人間への影響もすでに報じられていると指摘する。たとえば、成長ホルモンで育った養殖魚介類摂取の結果か、小学生男児に濃い髭が生えた事例、4歳の女児に生理が始まった事例などだ。
日本はどう対処すべきか。
富坂氏はまず、本音と建前が異なる中国の主張を鵜のみにしないことだという。そのうえで、日本人は“安くても安全であることが証明されない限り買わない”ことを、消費行動で示し、中国に変化を促すべきだという。
垣田氏は、産地を尋ねよと語る。
「一時は問題もありましたが、現在の日本では、有害農薬は販売も使用も、それが残留していても許されない法律となりました。生産者の知らないうちによそから飛来して自分の野菜についていても法律違反、欧米並みの厳しさです。養殖水産物についても同様です。基本的に日本産の食品は安全ですから、まず、産地を確認することです」
現在より数倍厳しい検査体制を敷いても、輸入汚染食品の完全取り締まりは難しい。だからこそまず、自衛策を講じたうえで、日本は官民挙げて、環境・食品汚染を拡散させ続ける中国の、人類への犯罪的挑戦を国際社会に訴え、これを阻止しなければならない。