「 ここまで来た、韓国の北朝鮮化 」
日本ルネッサンス 第239回
金剛山への韓国人の観光旅行は、韓国政府の援助で行われている。小中学生の修学旅行先にも指定され、旅費の大半が国費で賄われる。これまでに同事業だけで540億円が北朝鮮に流れ、現在も毎月、100万ドル(1億2,000万円)が入山料として北朝鮮に支払われている。国際的な経済制裁の中、韓国政府の決定には韓国国内にも反発がある。
だが、盧大統領は演説で、これまでの「包容(太陽)政策は速度の調節が必要」と述べた。つまり、太陽政策をやめるのではなく、適宜、実施していくという意味である。
盧大統領の左傾化と北朝鮮へののめり込みは周知の事実だが、同演説とその直前の内閣の一部改造人事を重ねると事態は深刻だ。
内閣の部分的改造は1日に発表された。国防相、外相、統一相に加えて国家情報院長が一新された。とりわけ注目すべきは国情院長人事だ。
新院長は金萬福氏。同院の第一次長を務めていた人物で、内部から情報院長に昇進したのは初めてだ。
国家情報院の前身は1961年に朴正熙大統領によって創設された韓国中央情報部である。81年に国家安全企画部となり、99年、金大中大統領によって国家情報院となった。諜報情報をはじめ、およそ全ての内外機密情報を一手に握る。院長は副首相格だが、首相以上の実力を持つ。歴代大統領はここに必ず、腹心中の腹心を置いた。まさに大統領との政治的信頼が最重視される地位である。歴代大統領が院長人事に、国情院の情報の専門家よりも外部の人材を政治任用してきたゆえんだ。
今回の金萬福氏の任用も、盧大統領が氏に全幅の信頼を置いていることを示す。そして同人事は韓国ではじけたスパイ事件の最中に行われた。韓国紙は新人事がスパイ摘発の動きを鈍らせるのではないかとの観測を報じている。
盧大統領の決定的なズレ
スパイ事件を詳述する前に、金萬福氏の前任者、金昇圭氏はなぜ、突然辞任したかを見てみたい。金昇圭氏は検察官出身で国情院長就任前は、法務部長官(法務大臣)を務めた。
金昇圭氏はたしかに当初、盧武鉉大統領に気に入られていた。しかし、院長就任後、韓国政府中枢、もしくは韓国政界に余りに深く食い込んでいる北朝鮮工作員らの存在、彼らの及ぼす負の影響を痛感したに違いない。386世代と呼ばれる左翼活動家をブレーンとして活用する盧政権の危うさも実感しただろう。
ちなみに386世代とは、90年代に30代で、80年代に大学教育を受けた60年代生まれの人々、金日成の主体(チュチェ)思想やマルクス・レーニン主義を信奉する左翼活動家を指す。
金昇圭氏はやがて、工作員らの摘発には絶対に手をゆるめない姿勢を強めていった。それは氏自身の憂国の想いだっただろう。院長以下、国情院あげての努力は韓国を揺るがすスパイ事件摘発へとつながった。
摘発されたのは韓国唯一の社会主義政党、民主労働党の幹部、イ・ジョンフン前中央委員とチェ・ギヨン党事務副総長らだ。容疑は国家保安法違反。今年3月、北京で北朝鮮の工作員に接触し、韓国の政界情報などを流したとされた。逮捕は10月26日。二人の自宅は捜索を受け、北朝鮮関連の大量の指令文や通信文が発見された。文書には徹底して隠語が使用されていたが、03年にスパイ容疑で逮捕された同じく民主労働党のカン・テウン元顧問も、隠語を用いていたことが知られている。
逮捕された二人は共に40代で、先述の386世代だ。イ容疑者は高麗大学の三民闘委員長、チェ容疑者は全国大学生代表者協議会事務局長だった。反米・反体制運動家として両人とも投獄歴をもつが、金大中・盧武鉉時代に名誉回復がはかられ、国家による補償金を各々490万円、110万円、受けとっている。
金昇圭氏は二人を突破口にして、政界深く浸透する工作員網を摘発したいと考えていたと思われる。しかし、氏は二人の逮捕を決行したその日、突然、辞意を表明した。
スパイ容疑で逮捕すれば20日間の取り調べが出来る。その間に容疑を固めて起訴に持ち込み、同時進行で、工作員網の全体像を捕捉し一網打尽にしなければならない。総指揮をとるのは長官である。にもかかわらず、その最も重要な場面での辞任である。考えられる理由はただひとつ、大統領の思惑とのズレだ。任命権者の考えと基本的に相容れなければ、被任命者が去るしかない。
米韓を日本が主導せよ
金昇圭氏は新人事が発表される前の日曜日、礼拝に出かけた教会の前で『朝鮮日報』の記者に質問され、後継人事についてこう言い切った。
「国家の安全の問題ですから、政治的に周波(コード)を合わせる人物は望ましくないのです」。
さらに「内部からの昇進は望ましくありません」とも語った。
すでに後継人事として金萬福氏の名前があがっていた時点で、「内部からの昇進」を否定してみせたのは、まさに、金萬福氏登用に公然と異を唱えたことになる。また、「政治的にコードを合わせる」ことへの批判は盧武鉉大統領と金萬福氏による新体制下での対北情報戦争に警鐘を鳴らすものである。
大統領に信頼された金萬福氏は新国情院長として大統領の対北融和策を考慮し、スパイや工作員の取り締まりに熱心に取り組むことは恐らくないだろう。捜査はむしろ確実に縮小されていくと見られている。
11月1日の人事で新外相となった宋旻淳(ソンミョンスン)氏も、統一相となった李在禎(イジェジョン)氏も、対北融和、対米自主の路線で知られる。新人事は対北融和策をさらに進めるための布陣であり、その傾向はすでに大統領の施政方針演説にも明らかだ。日本にとって、さらには米国にとっても情勢はより厳しくなった。
朝鮮半島問題は中国問題と同義だ。米国問題とも表裏一体だ。朝鮮半島にどちらの大国が一義的な影響力を及ぼし得るのかは、日本の国運を左右する問題である。
そう考えるとき、いま日本は徹底して闘わなければならない局面なのだ。米国は、21世紀の世界に自由と民主主義を広めるとしながらも、中国の力を借りて、北朝鮮問題の解決をはかる。中国は、北朝鮮を取り込み、韓国の無害化をはかる。無害化とは、最低限、韓国が日米と連携することを防ぐことだ。
こうした状況を見れば、日本が米国の庇護の下で安閑とすごす余裕はないのだ。自由と民主主義という共通の価値観を信ずる韓国の保守層を助け、力づけ、米国にも、朝鮮半島を中国に委ねるかのような政策の誤りを全力で説かなければならない。
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