「 対中柔軟外交に見るベトナムの強さ 」
『週刊新潮』 2012年5月31日号 日本ルネッサンス 第511回 かつての敵、米国とベトナムが、互いにとっての眼前の脅威である中国と、細心の注意を払いながら如何にバランスをとっていくかを探っている。そんな印象を、過日訪れたベトナムの首都ハノイで抱いた。 国家基本問題研究所(国基研)の代表団団長としてベトナムを訪れ、ベトナム外交学院及び社会科学院中国研究所等との意見交換での焦点は、中国問題だ…
「 国民の力で全離島を守り日本国の領有を示そう 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年5月26日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 937 民主党体制は機能を停止したかに見えるが、野田佳彦首相は闘い続け、頑張っている。5 月12日、日中韓首脳会談のために首相が北京入りすると、温家宝中国首相側から、少人数による日中2国間会談をまず行いたいとの意向が伝えられたと、政府関係者が語る。 翌13日の野田・温会談では、温首相が迫った。論点は、(1)日…
「 程中国大使、許し難い内政干渉 」
『週刊新潮』 2012年5月24日号 日本ルネッサンス 第510回 私の手元にとんでもない手紙の写しがある。日本の国会議員多数に東京都港区元麻布の中華人民共和国大使館から送られたA4用紙5枚のワープロ打ちの手紙である。 この5月8日付の程永華大使の手紙には、チベットとウイグルに関して多くの事実に反する事柄が書かれている。折しも日中韓首脳会談で北京を訪れた野田佳彦首相に対する温家宝首相の発言…
「 中国の脅威を前にTPP推進で経済基盤の健全化を図るベトナム 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年5月19日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 936 シンクタンク「国家基本問題研究所」代表団の団長として、11年ぶりにベトナムを訪れた。30度台後半の気温と高い湿度で少々疲れたが、興味深い現象を見てきた。 首都ハノイは以前にもまして二輪車の洪水だった。信号待ちのバイクは言葉の正確な意味で無数であり、いまにもレースが始まるかのような雰囲気だ。二輪車…
「 『報道されない沖縄』」が描く真実 」
『週刊新潮』 2012年5月17日号 日本ルネッサンス 第509回 今年2月3日の「琉球新報」に、およそ誰もが驚く発言が掲載されていた。沖縄と本土の関係の理不尽と不条理の根深さを象徴するような沖縄経済界の重鎮の言葉だった。沖縄最大の建設会社、國場組元会長の國場幸一郎氏が「沖縄にとって中国は親戚で日本は友人。親戚関係をもっと深めたい」と語っていたのだ。 日本国民でありながら日本は友人にすぎず、…
「 故・趙紫陽総書記の政策立案者 呉国光氏が予測する中国の未来 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年5月12日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 935 中国はこれから先、どうなるのか。成長を続ける経済と過去四半世紀続く異常な軍拡を背景に、他国の領土領海への野心を当然の権利のように突きつける中国共産党がこのまま、大国として存続するのか、どこかで挫折するのか、挫折ならどんな形で起きるのか、アジアと世界への影響はどの程度なのかなど、中国の未来展望はすべ…