「 新型インフルエンザ危機を日本の国際貢献チャンスに転換 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年5月30日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 790 5月16日に国内初の新型インフルエンザウイルスの感染症例が見つかった。以降、わずか3日で大阪、兵庫両県の感染者数は193人に上った。大阪市と神戸市だけでも、感染者との濃厚接触者は2,900人に上る。 公共の輸送手段の発達と人口密度などから、日本における感染の広がりは、米国などと比較しても“いっそう…
「 ウイルスを迎えうつ準備を急げ 」
『週刊新潮』 2009年5月28日号 日本ルネッサンス 第363回 先週の当欄で、感染症対策の専門家高橋央(ひろし)氏が、「新型インフルエンザの感染に関しては、1週間単位で局面が変化する」と予見したことをお伝えした。氏は、かつてCDC(米国疾病予防センター)に在籍し、SARS発生のときにはWHO(世界保健機関)のコンサルタントとしてフィリピンでのSARS封じ込めのチーム・リーダーを務めた。 氏…
「 対馬、横須賀……要地買いを狙う外国人 危機意識薄い日本政府 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年5月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 789 中国外務省の馬朝旭報道局長は、中国が国連の大陸棚委員会に、東シナ海で沿岸から200カイリ(約370キロメートル)を超える地域に大陸棚の拡張を求める関連資料を提出したことを明らかにした。東シナ海は沖縄直前まで中国領だとの年来の主張を、中国はこれから国連の場で展開することになる。 他方、日本政府は日本…
「 弱毒性でも侮ってはいけない 」
『週刊新潮』 2009年5月21日号 日本ルネッサンス 第362回 5月9日、ブタ由来の新型インフルエンザウイルスへの国内初の感染が確認された。11日現在、研修旅行先のカナダから帰国した大阪の高校の男子生徒3人と引率の男性教諭の計4人の感染が確認されている。 日本へのウイルス上陸について、高橋央(ひろし)氏は「予想どおり」と語る。 氏は、かつてCDC(米国疾病予防センター)に在籍した感染症対…
「 拉致被害者、横田めぐみさんをなぜ北朝鮮は必死に隠すのか 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年5月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 788 4月25日のテレビ朝日の「朝まで生テレビ」で「横田めぐみさんも有本恵子さんもすでに死亡している」と、総合司会の田原総一朗氏が、“外務省二番目か三番目”の高位の人物の情報として、語ったそうだ。恵子さんのお父様の有本明弘さんが怒っていた。めぐみさんのご家族も、その他の拉致被害者のご家族も、同じ思いだった…
「 中国の知的財産丸ごと乗っとり策 」
『週刊新潮』 2009年5月7・14日合併号 日本ルネッサンス 第361回 米国議会の政策諮問機関、米中経済安保調査委員会が昨年11月、議会に提出した報告書に興味深いくだりがある。 「中国の知的財産権の侵害は際立っている。中国は関連法を改正し、外国企業の権利の剥奪と、中国企業の保護を一層強めた」 「中国は2008年8月、特許法改正の検討を開始した。重要点は『絶対的新規性』基準の採用である…
「 国際社会で深まる台湾の危機 日本は最悪の場合に備えるべき 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年5月2・9日号合併号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 787 連休が近づき、緑陰が濃くなり始めると、台湾の友人たちを思い出す。すっかり暑くなった台北の街を歩いては、木陰で涼む。街を行く人たちはどの人も皆、活気に溢れ、人懐こい笑みを浮かべている。 台湾ほど日本人に優しい国はないだろう。その優しさは表面だけではなく、心の中からわき出す優しさに思える。…