「 民主党代表、小沢一郎氏の秘書逮捕でジャーナリストに求められる報道姿勢 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年3月14日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 780
3月3日、民主党代表、小沢一郎氏の公設第一秘書が逮捕された。準大手ゼネコンの西松建設が政治団体を介して行ってきた政治献金が、事実上の企業献金だった容疑である。これまでに小沢氏側に渡った西松建設の献金総額は約2億円に上ると報じられており、献金が合法的に授受されていたか否かが、これから、解明される。
秘書逮捕の報じ方を見て、日本での情報伝達に関して強い疑問を抱く。どう見ても、主として伝える側の心情を反映する報道だと思えてならない。
たとえば4日朝のテレビ朝日の「スーパーモーニング」である。鳥越俊太郎氏が司会、もしくはまとめ役を担う同番組では、逮捕には政治的意図があるのではないかという意味合いを強くにじませながら報じていた。
コメンテーターだろうか、森永卓郎氏が、麻生太郎首相は検察による小沢氏秘書の逮捕を抑制すべく「指揮権」の発動もできたはずだと発言した。私は少なからず、驚いた。司法に対して行政府の長である首相が指揮権の発動を法相に要請するのは非常事態に等しい。この過激な発言を鳥越氏がどうさばくかと見ているうちに、平野貞夫氏が次のような趣旨の指摘をした。
指揮権発動があれば、逆指揮権の発動もある。三木武夫の田中角栄逮捕がその例だった。
つまり、時の権力が、検察を動かして、特定の政治家の犯罪の炙り出しに踏み切らせる場合がある。今回もその可能性があると、示唆しているのだ。
かつて小沢氏の側近だった平野氏の発言は、事実関係の明確化よりも小沢氏擁護の観点で語られており、それなりに興味深かった。だが、ここで問われるのは、番組の姿勢である。平野氏や森永氏、同じく番組でコメントを発していた落合恵子氏らは、似たようなトーンで発言していた。つまり、逮捕は一定の政治目的を有する疑いがあり、公正とは思えないというものだ。鳥越氏はそうした見方を受け止めながらも、問われている事実は何かを問題提起しなければならない立場にある。
ジャーナリズムでは、事実の特定、新情報の発掘が基本になければならない。逮捕翌日の朝のワイドショーの時間までに、今、名前を挙げた人びとはどれだけの調査や取材をしえただろうか。森永氏は、この件で、法相が指揮権を発動すべきだと、本気で考えたのだろうか。
無責任だと断じざるをえないこの種のコメントが多く発せられるワイドショーの影響は、少なくない。影響力を及ぼす立場の人びとは、少なくとも、もう少しまともな発言を心がけてはどうか。
小沢氏秘書の件で情報に携わる人びとが最重要点として考えるべきは、小沢氏への西松建設の献金はどれだけの規模で、どのように行われたかである。この点で当局(検察)の思惑に振り回されないために、各社、各番組が独自の取材に力を注ぐことを期待する。この局面で、検察リークの情報に頼って報ずるとしたら、それこそ、「国策捜査」に加担することになる。
また、これまでの小沢氏の政治資金の処理の仕方を再度問うべきであろう。逮捕された公設秘書は、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の会計責任者を務めていた。同会に入金された政党助成金を含む政治資金で、小沢氏は自分名義で都内一等地などに10億円相当の土地、マンションを購入していた。氏は法律上問題はないと釈明したが、政治資金で個人名義の不動産を取得することは、道義的に説明がつかないのではないか。メディアはこの件についても、議論を深めるべきだと思う。
最後に、民主党は小沢氏をかばうあまり、偽メール事件の過ちを繰り返してはならない。政権交代を眼前にした民主党が、再び、同じ轍を踏まないためにも、メディアは事実に誠実に向き合って報ずるのがよい。
日本国憲法は正義に反する
日本国憲法は正義に反する、不合理な憲法であり早急に改正しなければならない。憲法改正賛成しますか、それとも正義を捨てますか?
トラックバック by 憲法改正社 — 2009年03月20日 20:55
いつも来ていただいていた皆さん お元気でしたか
【筆者記】
みなさん、お久しぶりです。
調べてみれば昨年の7月26日を最後にまったく投稿しておりませんでした。
別のHPでご案内していたのですが、このブログでは何も報告もせず、…
トラックバック by 訳わからん このシャバは — 2009年03月21日 02:03
検察を恐れているのは、小沢サイドの平野貞夫
ブックオフへ行くと、自分の関心時に目が移ってしまう。
「小沢一郎」と「検察」にだ。
で買ってしまった本は、。
小沢一郎の側近である平野貞夫氏の本「国会崩壊」と、
共同通信…
トラックバック by 空を見上げて、空から眺めて~ -eaglei- — 2009年03月21日 07:32