「 現実化してきた地球滅亡へのシナリオ 国際社会の結束と日本の環境技術が鍵 」
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 674
1月9日の全国紙に、安倍晋三首相をモデルにした「地球温暖化対策の最先進国への新たな歩み……ウォームビズ」という全面広告が掲載された。
日本の省エネ技術は世界で最も優れている。それでも、京都議定書で日本に課せられた二酸化炭素(CO2)の削減数値は達成できていない。国内の温暖化ガス排出量は製造業が最も高く34%、次が自動車で18%、三位は家庭の13%だ。省エネを最も効率的に行ってきたのは製造業などの産業分野で、家庭での削減は遅れている。首相の呼びかけの狙いが家庭での省エネ推進にあるのは明らかだが、温暖化対策について、首相はもっと踏み込んだほうがよい。
日本には地球環境に関してきわめて優秀な人材が揃っている。1982年、南極でオゾンホールの破壊を発見し問題提起したのは南極観測隊員の忠鉢繁氏、80年代初頭にCO2濃度の急激な増加と大気温度の上昇の因果関係をいち早く警告したのは東北大学名誉教授で気象学の権威、山本義一氏である。当時、大気中の成分濃度を観測・研究していたのは、山本研究室を除けば米国の海洋大気局ハワイ州マウナケア観測所くらいのものだった。
大阪大学経済学部の稲田献一教授は、やはり80年代初頭に山本教授の学説を経済学と融合させ、環境問題の市場メカニズムへの取り込みを具体的に提言した。その主張は今、世界で行なわれているCO2の排出権と国家間取引の基本を構成する。
これら世界の最高水準の研究を総括し、西澤潤一、上野勛黄(いさお)両氏が『人類は80年で滅亡する 「CO2」地獄からの脱出』(東洋経済新報社)を世に問うたのは2000年である。周知のように、西澤氏は元東北大学総長で半導体の生みの親ともいうべき科学者、上野氏は地球システム科学の権威である。
当時、私は同書の内容に驚愕したが、今はなお空恐ろしい気持ちでその警告に耳を傾ける。同書の指摘が、次々と現実の出来事となっているからだ。
米国立大気研究センターは昨年12月、北極海の氷の溶解速度が加速され、40年にはほぼ消滅するとの試算結果を発表した。70年頃と見られてきたのが30年も早まるという。西澤氏らは先の著書で「変化は突然、しかも大規模に起きる」と予測したが、北極海の氷の溶解もその一例だ。
両氏は「海洋の変化を畏れよ」と警告する。海洋は大気の約1000倍の熱容量を持ち、陸上より約10年遅れでゆっくりと温度を変化させる。気体以外の全物質中最大の比熱を持つ水が構成する海洋が暖められ、熱的に「慣性」が働き出したら止まらないのだ。
海洋全体で大気圏の60倍の36兆トン、プラス年間一億トンもの炭素が蓄積されている。大気の酸素とCO2の適切な配分は海の負担によって保たれているのだ。しかし、海水温度が上がれば海洋中の炭素の循環が妨げられ、蓄積されたCO2が「サイダーやラムネの栓を抜いたときのように一気に海面から」大気中に放出される。
この噴き出し現象が起きると、もはや人間には止める力はない。その種の事態が発生し、人間の生命維持を不可能とする大気中のCO2濃度3%の水準に達するのにあと150年弱しかないというのが、西澤氏らの警告だ。その過程で、人類はCO2中毒障害で頭脳も機能せず、呼吸困難に苦しみ死に絶えていくというのだ。
この恐怖の事態を避けるためには国際社会の結束が必要だが、今、最大の障害は米中両国だ。中国は来年、米国を抜き世界最大のCO2排出国となるが、発展途上国としてCO2削減義務を負っていない。無責任で利己的な米中両国はまた武力で世界を席巻する。だが、日本には環境技術と省エネの実績がある。これらを21世紀の地球を救う技術として政治・経済面で大活用し、日本の安全保障の一助とするのだ。
2月3日 産経のダメ押し
産経は一日遅れで審議拒否、朝日・毎日は温暖化問題、朝日は衛星破壊を取り上げています。
【 朝日新聞 】
温暖化対策 科学者が背中を押した
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地球冷却運動(Earth Cool Movement)
地球温暖化が、世界中で多くの不幸をもたらしています。異常気象により被災者になってしまう人や沈み行く島に住む人々。絶滅してしまう動植物も・・・。 この不…
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地球温暖化、異常気象
経済先進国では食べ物は生存に必要な量をはるかに上回るものを消費し、流通と営業の都合や残飯その他の形で毎日多量の食料が捨てられています。そして交通の便が悪い…
トラックバック by 石川 敦也トーマス Paginas de Atsuya Thomas Ishikawa — 2007年02月23日 12:51
地球温暖化に対して備えあれば憂いなし
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トラックバック by 自然と社会・家庭の環境問題について考え取り組みませんか? — 2007年02月24日 20:50