「 中国の狙いは反日米の国際世論 日本外交は今こそ攻めに転じよ 」
『週刊ダイヤモンド』 2006年7月22日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 650
国連安全保障理事会を舞台に、ミサイル七発を発射した北朝鮮に対して制裁決議案の議論が続いている。今月の10日と見られていた採決は、中国が北朝鮮を説得中との理由で延期された。
中国は、はたしてどんな説得工作を展開するのか。中国にとって望ましい結果は、北朝鮮にミサイルの発射をやめさせることで米国の信頼を得、同時に北朝鮮の中国への依存と信頼を従来どおりに保つことだ。しかし、それは以下に見るように非常に難しい。
あえて簡単にまとめれば、金正日総書記の説得には大別して二つの方法がある。まず、飴での説得だ。巨額の援助や技術供与を提示すれば、あるいは金総書記はもったいぶってミサイル発射は繰り返さないと約束するかもしれない。しかし、日米両国をはじめ国際社会は、金政権を援助し延命に手を貸すのは歓迎しない。恫喝外交で欲しいものを手に入れてきた金総書記のいつものやり方をまたもや許す説得では、中国を高く評価するわけにはいかない。
一方、飴政策を採れば、金総書記も恫喝外交は中国にも有効だと実感し、将来にわたって、北朝鮮が中国を見くびることにもつながっていく。
第二の方法に、脅しがある。厳しく迫って金総書記を説得すれば、中国への評価はいやおうなく高まるだろう。が、それでは北朝鮮が治まらない。日米両国の信頼は得ても、金総書記が中国から離反することも考えられる。
その途端、中国が金総書記との交流を密にすることで進めてきた、ここ数年の北朝鮮の植民地化政策は頓挫する。せっかく手に入れつつある北朝鮮における租借地や特典を失う事態も発生する。中国は、金総書記の離反だけはどうしても避けたいだろう。
北朝鮮の信頼をつなぎとめる最善の方法は、中国が日米両国を説得、あるいは追い詰め、決議案を否定し、法的拘束力のない議長声明などでお茶を濁すことだ。それができれば金総書記の信頼をつなぎとめられる。だが、これでは日米両国も国際社会も納得しない。
となれば、中国は何をするだろうか。それは、中国が現在展開中の国際世論への働きかけから推測可能だ。中国の狙いは、反日米の国際世論の構築である。特に“日本の強硬姿勢こそが問題だ”というかたちをつくりたいのは明らかだ。
中国共産党機関紙「人民日報」系の国際情報紙「環球時報」は10日、「日本が安保理の分裂を図っている」「日本の強硬姿勢」によって「アジア情勢は最も複雑な局面」に陥り、「見通しがつかない状況になった」と日本批判を展開した。李肇星外相は、9日だけでも安保理15か国中11か国の外相と電話会談をこなした。制裁決議という強い措置は悪い結果しか生まない、日米、就中(なかんずく)、日本の主張に同調しないようにと、強く働きかけたのであろう。
だからこそ日本は、決議案の採決延期に成功し時間の余裕を得た中国の動きに対抗すべく、全力で手を打たなければならない。先週の当欄でも報じた中国による北朝鮮の事実上の植民地化の動きや、現在日本が直面する東シナ海の天然ガス田の開発問題について、詳細に世界に知らせなければならない。
中国は、白樺ガス田の作業中止を求める日本の要求に耳を貸さないばかりか、厚顔にも日本国の領土である尖閣諸島周辺の共同開発案を提示し続けるばかりだ。今月に入って日本の排他的経済水域で海洋調査を行なうなど、他国の領土領海を自国のものとするかのような違法行為を続ける中国の真の姿を世界に知らしめることだ。そんな不公正な国の側に立つのがよいのか、ミサイルと核で周辺諸国に脅威を与える北朝鮮を制裁すべしと真っ当に主張する国の側に立つのがよいのかと、正面から問うていかなければならない。今こそ日本外交は、全世界が目指すべき公正や正義の価値観を真っ正面に掲げて、国益を賭して攻めに転じるときだ。
積水ハウス社員が差別発言で客を提訴–人種差別撤廃条約の動き
ネットでも話題になっている積水ハウスに勤める在日韓国人の男性が客から差別発言を受けたとということで大阪地裁に300万円の慰謝料などを求める訴えを起こし…
トラックバック by なめ猫♪ — 2006年08月02日 11:18
こんな情報があった。
彼らのほとんどは、自らその職業を選択して稼ぎ食べる手段としていたのを、なんで、
いまさらこんな運動をやるんかね?
抗議・街宣への呼び掛け
<台湾…
トラックバック by よろずBLOG — 2006年08月06日 21:42